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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
二章 魔族領編 王の資質

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大炎会

「それにしても、すごい子だったな」


アイン達一行はゲスト用の貴賓室に案内され、そこでくつろいでいた。

エラランとカーラの二人に平謝りされ、ぷりぷりしてるアインをまぁまぁと宥めてようやく落ち着いたところだ。


この後は、アインのお披露目も兼ねる宴会パーティが準備してあるそうだ。


「アイシャ・クレイと言ってたな、あの子。何で名前が二つあるんだ?」

カイルがこの世界では一般的ではないファミリーネームに気が付いた。

「ある位の地位を持った人間や同じ血を繋ぐ者たちは、そうやって共通の名前をつけて自分たちを特別と見せる者がおったな」

ナージャは不思議なことではないと言う。


「そりゃぁまた未練がましいな」

カイルは、名前を残すなら自分一人の名を誇ればいいと思う。

戦士らしい考え方でいさぎよい。


「クレイという名には特別な意味があります」

「すいません、聞こえてしまって」と詫びるカーラが由来を語る。

すでに王の真名は失われていたが、クレイという名だけは代々王の後継者に受け継がれていた。

それは、王の系譜を示す唯一の正当な名前として与えられるものだった。


「じゃあ、アインもアイン・クレイになるのかい?」

「いえ、それは。。。今までその時代に一人の王候補のみでしたから。どのようにすればいいのか執政官の間でも意見が分かれておりまして。。。」


「ぼくは、アインのままでいいよ。父さんと母さんがつけてくれた名前だもん」

「。。。そうだな」

カイルはその名前の意味に思いを巡らせて、黙り込む。


「それで、カーラ殿はどうしてここに?」

「そうでした、準備が整ったことをお知らせに来たんです」

カーラは大広間に参りましょうと、案内をする。


そこは数百人の人が集まることが出来る大きな広間があり、天井を見上げると首が痛くなるほどの高さがあった。

天窓から差し込む光が色のついたガラスから差し込むことで、やわらかで複雑な色合いでその空間を照らす。


大広間の一段上がった場所に謁見を行うためのテーブルがあり、そこに二つの玉座が並んでいる。

その片方には先ほどの少女が仏頂面で座っており、アインはカーラに問い質す。

「僕、あそこに座らなきゃいけないの?。。。」

「申し訳ありません。申し訳ありません。何分、お披露目を兼ねておりまして、姫を外すわけには参りません。どうか、御辛抱ください」

カーラの切実そうな顔に坊主は何も言えなくなった。

恐る恐る、椅子に座るが、少女はこちらを見ようともしなかった。


仲間の一行も貴賓席に着席し、エラランの号令で宴が始まった。

「本日、我らが城に二人目の王候補がお越しになられた。その名はアイン様。かつての輝きの世を取り戻す日も近い。皆の者、今日は大いにこの日を祭り祝おうではないか」


「おぉぉぉぉおおお!」

「王様にカンパーイ」


宴が始まり、場内の客たちは新しい王候補に目通りを願い、少年の活躍を称えた。


「迅雷竜を倒したとお聞きしましたぞ。そのお歳ですでに、その力は英雄の域ですな」


ぴきっ


「かの英傑ジンライも退けたのですってね。まさに王にふさわしい逸話ですわ」


ぴききっ


アインは横を向くのが怖く、ただ誉め言葉にひきつった笑顔で応じていた。


「真の王となられるのが、どちらか楽しみですな」


ぶっちぃ


「。。。いい度胸ね。。。その喧嘩、買ってあげる」

ちらっと横目で見た少女の顔はひきつり、眼光鋭く少年をにらみつけていた。


(僕何も言ってないのにぃぃぃ)

アインは心の中で泣いていた。


バンッ!と手をついて周りを静まらせたアイシャは、ドールに自分を抱えさせて机を飛び越えた。


一段下の床に降り立ち、アインを指さして言う。

「勝負よ!早くあんたのドールを出しなさい!」


「いや、僕持ってないよ」

「はぁ?あんた精霊使いでしょ?何で持って無いのよ」


(白さん、これどう思う?)

(うーん)


念のため、坊主の中で纏いを使わずに、ただ隠れていた俺は体から離れて姿を見せた。


「っ!?。。。何それ!?」

アイシャが目を見開く。


てててと近づき、俺を指さして言う。

「何この変なの!?」


変って。。。


アインが驚いて聞く。

「え?白さんの事見えるの?」

「白? そりゃ見えるわよ、けどこんな変なの初めて見た。これがあんたのドール?」

「いや、そういうのじゃないけど。僕は見れないんだよね」

「え?どういうこと?」


そうなんだよな、坊主には声も聞こえるし憑依も出来るけど姿は見れない。

動物は見えてるみたいだけど、この子って動物並ってことか?


(こっちが聞きたいよ)

「っ!?。。ドールがしゃべった!?」

あ、聞こえるんだ。


アイシャはすごく興味が沸いたようで、アインと交渉し始めた。

「ねぇ!このドールあたしにちょーだい」


「え!?だめだよ!」

少年が即座に断ったことが気に障ったらしく。。。


「なら、力ずくで奪うだけよ!ヴァルカ!」

火の精霊のドールを呼び出す。


無表情に手をかざすドールが詠唱無しに炎の弾を放つ。

周りにいた客は逃げ惑い、パニックに陥る。


「姫ぇぇぇぇ。やめてくださいぃぃぃ」

エラランの泣き叫ぶ声が聞こえるが、アイシャはお構いなしだ。


(めちゃくちゃだ!)

「白さん、同化を!」

(いや、ここで争ったら被害が大きくなる)

「じゃあ、どうしたら!」

(。。。坊主、あいつの近くまで行けるか?)

「うん、やってみる」

草人の闘法により死角を奪いながら移動し、ドールの近くへ滑り込んだ。

おれは、ドールに組み付き動きを止める。

(思った通りだ、こいつには触れる!)

暴れるドールを羽交い絞めにし、もつれていると。。。


むにゅ


何か柔らかいものが手にあった。


むにゅむにゅっ

と、揉むと弾力が手に心地いい。


「てんめぇぇぇ、なにしやがんだーーー!!!」

組み付いていたドールが、後ろを向いて俺を拳でぶっ飛ばす。


真っ赤な顔をして揉まれた胸を左手で隠し、右手は俺を殴った時の姿勢でドールが怒っている。


「え?」

その時、少女が思ってもいなかった事が起こった。


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