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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
二章 魔族領編 王の資質

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魔族の街

アインと俺は街道を進み、ジルに教えてもらった街に向かうことにした。


街道とはいえ、魔物の多いこの地域では遭遇率が高く、1日歩かず戦闘を余儀なくされた。

そんな過酷ともいえる旅でも、アインは言葉を弾ませて語りかけてくる。

「二人で旅するのは最初の頃ぶりだね」

(ああ、あの時はこうして話すことも出来なかったけどな)


歩きながらこれまでの事、これからの事をいろいろ話した。


(まずは、街に行って食料の調達だな。それと、地図が欲しいな)

「城の位置は聞いてるよ?」

アインは方向だけわかれば辿り着けると思っているが、その先が行き止まりかも、強い魔物の縄張りかも知れないのでは先が思いやられる。


「そうか、じゃあ地図は必要だね」

(ああ、これまでは婆さん達がいたからな、これからは自分たちで気をつけなきゃ)


「みんな、無事かな。。。」

仲間たちのことを心配し表情を曇らせる。

(なに、みんな強いし心配いらないだろ。それより街に着いたら決してフードを取るなよ。ここでは魔族以外の人種がどう扱われるか分からないからな)

なんにしても、この髪は目立つ。隠しておく事に越したことはない。


「うん、わかったよ」

少年は、素直にうなずく。


街道を出て2日目に街にたどり着く。

(さて、食料を調達しなきゃな。。坊主?)

「ごめん、もう限界。。。交代」


飲まず食わずで体力的に限界が来ていたアインはここで気を失った。


(よくがんばったな)


意識を移して体が倒れないように支えると視界が少年と重なる。


俺が体を使っているときは、空腹や体の不調は気にならないが、実際には酷使している状態だ。

早く体を休めさせたい。


まずは、市場に行って見るか。


魔族領での貨幣代わりになるのが精霊核だ。

だが、俺もこの精霊核がどのような価値を持つのかを知らない。

まずは、市場であきないのやり取りを観察する。


一般に扱われているのは指先サイズの小欠片と呼ばれている大きさのようだ。

食品など購入していく若い娘が、このサイズの石を渡すのを見た。

石の色で価値が変わるようで、火が高く、水、風、土の順に価値が下がる。

入手難度で希少価値が変わるのかもしれない。


次に、商人同士のやり取りを見る。

小欠片以外は、重さや大きさで価値が変わるようだ。

簡単に言うと、大きさが大きいものは小さい物の4倍の価値がある。

例えば石の大きさに対して、その半分の大きさの石だと2個ではなく4個で同じ価値になる。

割れた石ではその分魔力を引き出せなくなるため、重さや大きさが同じでも価値は半分になるようだ。

今持っている土の精霊核は、かなりの大きさで大人の拳より大きい。


石の価値を把握した俺は、商人が使っていた両替屋の親父に声をかけた。


「おじさん、これを交換しておくれよ」

せいいっぱい、人懐こい声を出す。

「んー、何だぁ坊主。お使いかぁ?。。。!!?」


一目見て差し出したその石の大きさに目を見張るおっちゃん。


「おい、それをどこで手に入れた?」

両替屋は子供が持つにしては大きすぎる石に疑いの目を向ける。


「。。。これは、僕の両親が亡くなるときに渡してくれたんだ。。。これを持っていって強く生きろって。。。うぅぅ」

涙ながらに語る俺の言葉におっちゃんも涙を浮かべる。


「そうか、形見なんだな。坊主強く生きるんだぞ」

そう言って地の大欠片3個と火の小欠片10個と交換した。


俺はそれを見て「あと2個足らないよ」と言った。

石の種類でごまかしているが、土なら16個火なら12個が相場だ。

「おっちゃん、子供相手だと思って、両替屋が悪どいことしたら商売やってけないんじゃない?」

「。。。」

「いいのかなぁ、騒いじゃおうかなぁ。信用なくしちゃうよぉ」

さっき泣いていた子供が脅してきたので、ぽかんとしている親父に畳みかける。

「何が言いたい。。。。」

「少し色付けてよ」と手を伸ばす。


火の小欠片二個と風の小欠片二個をもらった。


悔しそうな顔をするおっちゃんに「ありがと」と天使のような笑顔で礼を言う。


さて、食料を買い込みたいところだが、アインの体調が心配だ。

早く休ませてやりたい俺は宿屋を探した。

いくつかの宿屋を見つけたが、子供一人で泊めさせてくれるところは見つからなかった。

このままでは空腹で体が動かなくなる。


露店で焼き串を買って食べる。

小欠片一個では多すぎたのか、この町のみで使える紙幣をおつりでもらった。


それを見ている目があった。

気づいていたが、知らぬふりをして歩き出す。


路地裏に入り、角で待ち伏せすると、子供が二人追いかけてきた。

「俺に何か用?」


待ち伏せされているとは思わなかったのか、二人は驚いた。

女の子二人、姉妹のようだ。


「あ、あんた泊るところないんだろ。宿屋で断られる所を見たんだ」

声をひきつらせながら姉の方が言う。


「まあね、それでどうしようっていうの?」

「うちに泊めてやるよ。その代わり。。。」

焼き串を見て、物欲しそうな目をする姉妹。


「これ、ほしいの?」

うん、うんと頷く二人。


「はい」

持っていた焼き串を渡す。

かぶりつくように食べる姉妹を見て、確認する。

「本当に泊めてもらえる家があるの?」


「ああ、寝泊りくらいは出来るよ。。こっち」

姉の方の背格好はミリーより少し年上に見えた。

水の精霊の形質を持つ青い目と透き通った左腕。

妹はアインよりも小さい。

こちらは風の性質を持ったようで緑色の目に妖精のような羽がある。

どちらも、あまり栄養の取れていない体つきで痩せこけている。


(ふぅむ)

信用していいものか少し考えたが、どのみちこのままでは夜になってしまう。

まずは体を休ませることを考え、姉妹の後をついていくことにした。



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