表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
二章 魔族領編 王の資質

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

86/119

ゴーレム討伐

ズゥーン ズゥーン


ロックゴーレムの頭が丘の向こうに見える。

まだ相当の距離があるはずで、どれだけ巨大かが想像できる。


「この辺の牧草も、今年は使えんなぁ」

牛飼いが嘆く。


「そろそろ行くぞ。野郎ども!気合入れてけ!」

「うぉぉぉ!」

全員がロックゴーレムに向かって走り出した。


「え?、ちょっと」

リタは作戦をまだ聞いておらず焦る。


男たちは作戦も何もなく、ただロックゴーレムに突っ込んでいった。

「うぉぉぉ」

そして、その巨大な脚で蹴散らされる。

「うわぁぁぁ」


後方でその戦いぶりを見ていたリタは頭を抱える。

男たちはただがむしゃらに突っ込んでは、撃退されるを繰り返す。


「あーこれ、子供の玉蹴りと同じだわ。。。」

昔見たボール遊びをしてる子供を思い出し頭痛がしてくる。

ただボールを追って右往左往するだけの子供と同じく、男たちに統制は無かった。


本人たちは真剣だが、突っ込んでは蹴散らされるシーンを遠くから見てると、大人にじゃれてる子供のように見えて微笑ましい。


1回目の攻撃が何の成果もあげずに戻ってきた男たちは、未だ戦意をなくさずもう一度攻撃を行った。


2回目もゴーレムに蹴り飛ばされる。


3回目に拳で弾き飛ばされる。


もう黙ってみてられなくなったリタは、あきれてガルフに言った。

「これいつまで続けるのさ?」


「勝つまでに決まってるじゃねーか!」


「あんたたち、こんなことで、勝てたことあるのかい?」


「。。。」


全員が黙り込む。


「勝ったこともあったぞ。。。ずいぶん前になるが」

ガルフが目を逸らしながら言う。


「昔は、軍司さんがいたからなあ」

誰かが愚痴をこぼす。


「軍司?」

リタが聞き返すとその男が答えた。

城から軍司が派遣されていたのだと言う。


「赤目のカーラって女の軍司さんだったんだが、これが頭の切れるお人でなあ。わしらは、その人の言う通り動いただけでゴーレムを倒せたんだわ」


「。。。へえ」

知っている名前が出て驚いたが、納得した。きっと配置換えを願って火守になったんだな。

この連中を指揮するのは難儀だわと心の中で同情した。


「とにかく、このまま突っ込んでるだけじゃいつまでも終わらないんだから、作戦を立てましょう」


「えぇー」

不服そうな声を上げる男どもを睨みつけ黙らせるリタ。


「いいかい?いいよね?」

「。。。はい」


リタの提案で、まずこの辺の地形を把握するため、牛飼いに地図を描かせた。


丘を中心に牧草地が広がり、北側には山肌が崩れた所がある。

「ここの崖みたいなのは何?」

山にくぼみが出来ており、崖崩れの跡のような場所に気付く。


「そこは昔、ゴーレムが崩した坑道があったとこだな。今じゃ復旧も出来なくて放置してるはずだ」


「これ、使えそうね。。」

リタは皆に説明した。

この鉱山跡にゴーレムをおびき寄せて、崖崩れを起こして動きを止める。

「ここの鉱山抗は残ってるの?」

「ああ、まだ穴は残ったままなはずだ」

この穴を崩すことで崖崩れを起こせないかと考えた。


「おおい、発破屋。どうだ、崩せそうか?」

別の抗夫ができそうだと答える。


「よし、じゃあ作戦を言うわよ。まず、ゴーレムをこの場所までおびき寄せる。ここに来たらがけ崩れを起こしてゴーレムの動きを止める。動きを封じたゴーレムを全員でタコ殴りにする」

雑な作戦だが、これならこの連中にも理解できそうだ。


「崖を崩すタイミングはどうするんだ?」

「それは、あたしに任せて。あれを使うから」

ガルフはその言葉の意味を理解した。


「じゃあ、始めるよ。みんな準備に入って」

『応!』


各自が持ち場に着く。

ゴーレムをおびき出す組。

坑道を爆破する組。

崖下で待機する組。


それぞれが、動き出した。


おびき出し組がゴーレムに近づき挑発すると、ゴーレムが追ってきた。

手近の岩や地面を蹴りながら崖下に近づく。


崖下まで十分引き付けて、リタは風の宝珠に力のある言葉をかける。

疾風加速陣ゲイル・アクセラレータ


二つのつむじ風が並び発射準備が整う。


「そぉぉぉれぇぇぇ!!」


ナイフを全身のばねを使った全力のフォームで投げる。

風魔法で加速した、鋼の砲弾と化したナイフがゴーレムの頭に命中した。


どっかぁぁぁん


「まだまだぁ!いっくよぉお!」

繰り返し投擲を行うリタ。


ゴーレムはその衝撃に耐えられずにバランスを崩して倒れる。

坑道で爆破準備をしていたドワーフたちが、その揺れを感じて爆破を行う。

いそいで、避難する坑夫たち。

時間差で発動する火と風の宝珠を使った魔法が炸裂する。


どぐがぁぁぁぁぁぁぁん!


坑道が爆破され連鎖的に崖が崩れていく。

ゴーレムは大量の岩と土砂に潰され、身動きができなくなった。


「いくぞ!野郎ども!」

崖下で待機していたガルフの号令で一斉にゴーレムに襲い掛かった。


ゴーレムに群がるドワーフたちによって、その体はどんどん形が崩れていった。

「あったぞ!」

ドワーフの一人が叫ぶ。


黄色に輝く巨大な地の精霊核が見つかった。

それを一気に砕くと、ゴーレムの体が崩れ始め、ただの岩山になっていった。


『おぉぉぉぉぉぉ』


全員が雄たけびを上げ勝利を喜んだ。


「ふう、やれやれ」

リタは、ひと段落した面持ちで腰を下ろすのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ