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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
二章 魔族領編 王の資質

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ドワーフの鍛冶屋

「こんちわぁ」


奥で鍛冶仕事の音がする。


かーん、かーん

鉄を打つ音がリズムよく鳴り響く。


「こんにちわ!誰かいないのかい!」


音が止み、背の低い毛むくじゃらな男が現れた。土穴族ドワーフだ。

「おーう、客か?」


「ああ、まあね。ナイフを見せてくれるかい。投げナイフに使えるのがいい」

この辺では珍しい普通人(ネイティ)の娘だ。

「ほお、珍しいな。冒険者か?」

魔族領の奥に位置するこの村にも、冒険者が気まぐれに訪れることがある。


「冒険者を見たことがあるのかい?」

娘は少し驚いた。


「めったに来ないが、物好きがたまにな。ナイフならそこの端にあるのを見てみな」

「。。。こっちは何だい?」

木箱に乱雑に放り込まれたナイフの山を差して問う。


「失敗作だよ。ゴミだ」


「ちょっといいかい」

中身を見ると、たしかに刃付けの段階で放置された出来損ないばかりだ。

「。。。これ、もらえるかい?」


「はぁ?使い物にならんぞ」

「いいから、いいから」

娘が手をひらひらさせて言う。


「。。。小片2こだな」

「。。。ゴミっていってなかった?」

交渉が始まった。


「タダでくれてやるわけにはいかんさ。火の小片2個」

「どうせ捨てるんだろ、土のにまけてよ」

「はぁ?それじゃ材料費にもなんねーよ。風の小片だな」

「捨てる時にいくらかかるんだい?」

「。。。」

一度作った武器を元の素材に戻すにも手間がかかり、その分魔力がいる。

娘はその辺の事情を知ったうえで交渉していた。

「わかったよ、じゃあ土でな」

「はい、土の小片一個」

「。。。おい、足らねーぞ」

「じゃあ、もう一個出すから砥石を貸しておくれよ」

「ああ、そこのを勝手に使え」

「交渉成立だね」


ぎりぎりまで値切られたが、まあ、ゴミが売れたと思ってよしとするかと店主。


「さてと」

箱ごと持っていこうとする娘に、慌てて男が制止する。

「おい。。。なにやってんだ」


「これもらえるって言ったじゃんか」


「一本だけだろ。。。」

「そんなこと言ってない、あたしはこれって指差したじゃん」

確かに娘は箱を指差していたが。。。


「。。。普通は1本と思うだろ」

「へぇ、こっちじゃそうなのかい?向こうじゃそうはいかないよ」

娘がしれっとうそぶく。


「はぁ。。。まったく、しょうがねぇ持ってけ」

「ありがと♡」


普通人ネイティは抜け目がねぇや」

やれやれとあきれて店主が奥に引っ込む。

娘は箱に山となったナイフの出来損ないを、回転式の砥石車の前に持っていく。


一本ずつ刃を落とし、刃先だけを鋭く研ぐ。

素人にしては様になっており、手際よく削っていく。

奥からその作業を覗いていた店主は、ほほうと感心した。

「お前さん、鍛冶師の経験でもあるのかい?」


「いや、素人仕事だよ。必要があって数だけはこなしたけどさ」

そうは言うが、なかなか見事な仕上がりだ。


「ふぅむ」

男は考えて提案した。


「うちで働いてみねぇか?今人手が足りなくて探してたんだ」

「ん-、人探しの途中ではあるんだけどねぇ」

「どこに行くつもりなんだ?」

「王城だよ」

「だったら、うちで働きながら探せばいい。王城に行くにはこの村を通る必要があるからな。放っておいても待ってれば向こうからくるだろ」

「。。。それもそうか」

娘は鍛冶屋で働きながら仲間を待つことにした。


「リタよ」

「ガルフだ。親方と呼べ」

二人は握手して契約した。


「仕事は明日からでいいぞ。この裏に部屋があるから空いてるのを使え」

「助かるよ」


引き続き作業を続けるリタ。今作っている奇妙な形のナイフに親方が興味を持つ。

「なあ、そんな刃の無いナイフを作ってどうするつもりだ?」

「ああ、これ?刃をつけてもすぐにボロボロになるからね。まあ見てて」


研ぎ終わったナイフの一本を取り出し、今度は細かいくぼみをつけだした。

何をやっているかさっぱりわからない。


ゴルフボールのようなディンプルをつけ終わった娘は外に出た。

「親方。あの的使っていいかい?」

「ん?ああ、好きにしな」


店の前の訓練場に鎧を着せた人形がある。

客の試し切りのために用意したものだ。


疾風加速陣ゲイル・アクセラレータ

小さな風の宝珠を使い、2つのつむじ風を呼び出した。


「見ててよ。はぁあ!」


リタが振りかぶり先ほど作ったナイフを、つむじ風の間を通すように的に放った。


ぎゃりぎゃり


ナイフがつむじ風を通ると金属が削れる音がして加速が乗る。

どぉかーーん


ものすごい破裂音がして鎧が吹っ飛んだ。

それと同時に投げたナイフも砕け散っていた。


「ありゃりゃ、やっぱ脆いね」


親方はその攻撃の威力に腰を抜かした。

「な、な、なんじゃあ?!」

鎧人形は正面からの砲撃を受けてバラバラになっていた。


「はぁぁあ。面白いことを思いつくもんじゃなぁ」

親方はその発想に感心して、まじまじと残りのナイフを見ている。


そして親方の目が光った。

「思いついたぞ」


なにかをひらめいたらしく、急いで工房に戻っていった。


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