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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
二章 魔族領編 王の資質

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谷底の村1

次の日の朝、少年が目を覚ました。

少女はそれに気付いて目覚める。

昨日は、疲れてそのまま寝てしまったらしい。


「大丈夫?」

心配そうに、顔色を見る少女。


「み、水を。。。」

少年は苦しそうに水を求める。


「ちょっと待ってて」

少女は水を用意しに部屋を出る。


「ゴッ、ゴホッ」

咳をしてむせ返る少年に水を入れたコップを渡す。

「ん、んうく」

「ほら、慌てないで」

よほど喉が渇いていたのか、息継ぎもせずに水を飲む少年。


「ありがとう。。。。!?」

人心地ついて、助けてくれた人の姿を見てぎょっとする。


少女はその反応に傷つくことも無く、少年に謝る。

「あ、びっくりするよね。ごめんね驚かせて」


「あ、いえ、こちらこそ、ごめんなさい」

少年は自分が失礼な態度を取ったことに気づき謝罪する。


「魔族の方に会ったのは初めてなんです。。。。」

少女はきょとんとする。

「魔族?」


「あ!ご、ごめんなさい」

少年は、失言をしてしまったと慌てて謝る。

「ん-ん、初めて聞いたから。。。」

この地に暮らす人々は、自分たちが外の人から魔族と呼ばれていることを知らない。


「ここは、白磁の門の先なんですか?」

「私はこの村のこと以外は、よく知らないけど、ずっと東に門があるって話は聞いたことがあるよ」

「。。。そうですか」


「そういえば、お腹すいてない?」

深刻に考え込む少年に、少女が食事を提案する。


くぅぅぅ


その言葉を聞いて、少年の腹の虫が盛大に鳴いた。

少年は真っ赤になって「はい」と答えた。


少女はくすくす笑って、食事の用意をしに部屋を出る。

戻ってきた少女は、黒パンと羊の乳で作ったチーズを持ってきた。


少年はそれを手に取り無心で食べ始めた。


「ごめんね。粗末なものしか無くて」

「そんな!おいしいです。ごふっ」


慌てて食べたせいでむせる少年に羊のミルクを入れたコップを渡す。

「ほら、ゆっくり食べて」

こんなところも弟に似てる気がして懐かしくなる。


食事が終わり落ち着いた頃に、少女が自己紹介を始めた。

「まだ名前を言ってなかったわね。あたしはジル」

「ぼくは、アインです」


「お礼を言わなきゃ。助けてくれてありがとうアイン」

「そんな、ぼくも、ご飯までもらって」


「アインは、こっち側の人じゃないの?」

こっち側、つまり門より西側のことを指すのだろう。


「うん、門で転送されたはずなんだけど、みんなとはぐれちゃったみたいで。。。」

「みんな?」


アインは、転送されるまで仲間と一緒だったことを説明した。

「もしかして、3日前に見た光のこと?」


ジルが東の空に見た不思議な光の事を思い出した。

「多分そうだと思う」

「じゃあ、アインはその人たちを探してるんだね。どこに居るか分かりそう?」

「。。。なにも分からないんだ」

少年は不安そうに下を向く。


「そっか。。。じゃあ見つかるまではここに居るといいよ」

「。。。いいの?」

「もちろん。命の恩人だもん。それに弟が帰ってきたみたいで嬉しい」

少女が嬉しそうに笑ってそう言う。


「弟がいるの?」

「昔ね。。。行方が分からなくなったんだ」

「。。。ジルは一人で暮らしてるの?」

「ん-ん、父さんがね。いるけど、体を悪くしてずっと寝てるんだ」

奥の部屋で寝たきりだという。


「アインもまだ体調が戻ってないんだから寝てなさいね」

「ありがとう。。。ジル」

食事をして安心したのか、すぐに寝息が漏れる。


「さて」

ジルは気持ちを入れ直して、朝の仕事に向かう。


家を出ると、そこは昼間でもほとんど日が差さない谷底の村で、村人たちの表情もいつも暗い。

いつのころからか、若い人の数が減り子供も数人しかいなくなっていることに気づく。


この村は私が生まれた時から変わらない。

きっと私が死んだ後も変わらず陰気なままなんだろうな。


ジルはそれに不満があるわけでは無かったが、言いようのない不安を抱えて生きることに疲れを感じていた。


「外の世界かあ。。。」

口に出してから、周りが気になった。

誰かに聞かれていないことを願って、その場を離れ仕事に向かった。




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