↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

197/207

最終局面

俺は、その魔術による破壊を間近で見る。


世界を破壊するのは、奴らなのではないかと錯覚させるほど、加減のないやり口に呆れた。


あらかじめ、理外に身を置いていた俺自身にその力は及ばず、仮想現実の空間で起こった事のように現実味を感じない。


だが、この風景がまぎれもない現実であり、放置しておけば、アイン達にも被害が及ぶことは分かり切っている。


「初めからこれかよ。。。爺さん達、えらく張り切ってんな。。あれを使うか」

俺は、事の惨状を見て一つの方法を選択した。


度重なる常識を超えた魔法の影響を打ち消すうちに、浮かび上がってきた言の葉。

それを紡ぐことで生まれた、黄金律の究極の姿。


俺は謡う。

魔術のような詠唱により、理力をある方向へ導く祝詞を。


「掛けまくも畏(かしこ)き 黄金(こがね)の理(ことわり)の前に白(まう)さく

編み綴(つづ)られし 因果の頁(ふみ)を ここに展(ひら)き

裁定の鋏(はさみ)を以(も)ちて 記されし刻(とき)を断ち切らしめ給へ

顕(あら)はれし万象(よろづ)を消し去り 結びし結果を棄却(す)て去りて

白紙の頁を敷き満たし 世界の調和を繕(つくろ)ひ給へ」


「汝(なれ)が記せし軌跡は 初めよりこの世に無く

在りし日のいまも 偽りの夢と消え失(う)せむことを

恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(まう)す」


「黄金律最奥:事象剪定(アルビターズ)・改訂(・リダクション)」


カタカタカタカタ 。。。


これまでの時の流れが、映画のフィルムのように映りだす。

俺は、悲惨な結果を切り抜き、何も起こっていないフィルムに差し替える。

重大な環境被害をもたらしていたはずの時が無かったことになり、因果は書き換えられた。


知覚できる範囲という制限はあるが、結果としての今を書き換えるこの力は、理力の消耗も激しいため1度しか使えない。


相手も、あれほどの大魔法を使ったのであれば、今日は大した術は使ってこないだろう。

中規模の魔法なら、体のみで凌げると踏んでの選択だ。


次はこちらのターンと鎧の方を見れば、腕を上げ、指が天を指し示していた。

上空に視線を向けると、金色の亀裂が見える。


「あれが。。。世界の壁」

千年間、この世界を守ってきた壁の崩壊が、始まろうとしていた。

。。。


事象を反転させられた当の魔術師たちは、大喜びで次の魔術を何にするか思案していた。

「ふぉふぉふぉ。何度見てもすごい力じゃのお」

「じゃが、こちらの球はもうないが、どうする?」

試すべき魔術が打ち止めしたことで、頭を悩ます。


「おい、お主ら、空を見よ!」

ふいに、ヤフーが声を上げた。


上空に監視鏡を向けると、空の一部が崩れ亀裂が見えた。


「おお!とうとう来たか!」

「予定より、早くないか?」

「お主らが、バカスカ大魔法を撃つからじゃろ」

「他人事のように言うな!お主こそなんじゃ、あの氷結魔法はアレンジなどしおって」


ヤフーが披露した「七罪氷獄(セブンス・ペナルティ)・断罪の七晶氷(・アイスセブン)」が、この辺一帯を、氷河期の気候に変えたことをルイが突っ込む。

度し難いことに、生みだされた氷は結晶構造が変化して、熱を与えても溶けないというおまけつきだ。


「覚えておらんなぁ」

ヤフーが、明後日の方向を見て白を切る。


「いよいよじゃな。お主ら、覚悟はよいか?」

「誰に聞いておる。そんなもん、とうに済んでおるわ」

「ふふ」

三人の老人が不敵に笑う。


ホークは、穏やかな眼差しで、幼い頃から共に歩んできた友の顔を見る。


「では、世界を救うてみようかの」

軽い用事でも済ませるような口調で、最終段階の宣言をした。


。。。


「誰か。来る。。。」


アインが世界の異変を察知したと同時に、何者かがこちらに向かっている事に気付く。


アイシャ以外に、こんな危険区域に足を運ぶ者の目的は二つしかない。


協力か、敵対か。


単独行で、しかも連絡なしに接触しようとする人物。


その手の関係者に、碌な目に合っていない3人は、警戒を強めてテントの外に出た。

闘いの余波で暴風が吹き荒れる中、人影が見えてくる。


結界の外は砂塵が舞い、まっすぐ進むにも苦労する状況にもかかわらず、正確にこちらに向かっている。


人影が形を結び、何度も会った男の姿となる。


剃髪の大男。


動きやすさを重視するため、関節と首筋のみ部分鎧を仕込み、鍛え抜かれた肉体は露出している。


特異な体質とその肉体で、防具を必要としないスタイルを獲得した崩山拳の闘士。


東の英傑:ゴウライ


男のその目は、必勝の覚悟の光を宿す。

アイン達が、これまで出会った最強最悪の敵が、この地に現れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。