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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
三章 神祇創生

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連戦

巨大鎧の両腕が持ち上がり、掌をこちらに向けた。

何をするつもりか、身構えた俺は周囲に漂うツンとした匂いに気付いた。


これって、オゾンか?まずい!!!!


気付いた時には、すでに爆発が始まっていた。


ぴしっ!カッ!どぅおん!


連鎖的に起こる爆発で発生した、光と水蒸気が視界を奪う。

白い霧の奥で光が明滅する。

空気中の水分を一瞬で気化爆薬に変えられた。


避けようにも身を隠す事もできない。


くっそーー!!


自棄になって、今は獣の咢となった口を大きく開け、爆発の光を食べた。


ぱく


その瞬間に魔法は消失し、魔術の源ごと、この世界から消え去った。


これが。。。俺(黄金律)の力か。。。


魔法(精霊)の対消滅を体験した俺は、すぐさま行動に移った。


こうなったら、喰いまくってやる!!!


ばく、ばく、ばく、ばく、ばく、ばく、ばく、ばく、ばく、ばく、ばく、ばく


爆発が起こるタイミングで、周囲の爆発光を片端から喰らった。

その結果、俺の体に爆発の衝撃は届かずに済んだ。


しばらく続けると、徐々に白い霧も晴れたが、真空へ流れ込む風が砂を巻き上げる。

それも収まると、何とか人心地つける状態になった。


おそらく、気化爆薬による酸欠と、バックドラフトを狙った広域爆散魔法だろうが、生憎こちらは呼吸を必要としない上に、物理耐性のある半物質の体だ。

とはいえ、あの爆発に巻き込まれては、さすがに無事では済まなかっただろう。


初めから、えげつない魔法を使う敵に辟易しつつ、次のターンを待つ。


。。。


そんな時、鎧の中では、次に誰が戦闘球に入るかで揉めていた。

「ええい、次は儂の番じゃろう!最初の一発は魔術じゃなかろうが!ノーカンじゃ、ノーカン!」

「お主、そう言って譲らんつもりだな。儂だって実践したい魔法のストックが山ほどあるんじゃ。ここは譲れん!」

ホークとルイが不毛な言い争いを続けている。


「どちらでもええから、早よぅせい。向こうはお待ちかねじゃぞ」

あくびをして観察球を見ていたヤフーが二人を急かす。


「今の爆発で、風の精霊が良い感じに集まってきおった。ここは儂に譲ってもらうぞ」

「ぐぬぬ。。。」

ルイの主張を、しぶしぶのんだホークが席に戻る。


風魔術の得意なルイが戦闘球に入る。


すぐさま、魔法の詠唱を唱え始める。


「廻れ大気、紡げ螺旋の風よ。微塵の刃金となり、歳月を耐えし岩をも砕き、触るるものことごとく、砂塵と化せ」


詠唱が進むにつれ、鎧の前に竜巻が現れ始めた。

回転速度が上がるにつれ、細く長く収束していく。


「旋風風塵刃(せんぷうふうじんは)・蝕!!!」


力ある言葉と共に術が完成した。

竜巻を鎧がむんずと掴むと、こん棒の様に振り始めた。

風の高速回転により、風蝕効果を持つ武器となった竜巻を自在に操る。


一本の棒にも見えるそれは、無数の塵を含んだ風の刃だ。


その一撃を白い獣に浴びせた。

白い獣が両手の爪を伸ばして対抗する。


ギャリギャリギャリ

火花を散らして耐えるが、すぐに獣が後退する。

実体の無い風の凶刃を、そのまま受け続けることはできぬと判断したのだろう。


「さあ、どうする!白き獣よ!」

ルイが闘いの狂熱に浮かされ吠えた。


。。。


敵が竜巻を両手で持ち振り下ろしてきた。

すぐに、爪を伸ばして応戦するも、接触した瞬間に耐えることができないことに気付いた。


その場を飛び退き、距離を取る。


恐らく、鎧の手から竜巻を制御する魔力を流してる。

あの風の棒を搔い潜って、懐まで潜り込むことができれば。。。

操っている魔術師は格闘戦になれてはいまい。

そこに勝機を見出した俺は、鎧の正面に向かって走り出した。


竜巻が目の前に迫るが、直前で身を低くして、鎧の視野の外へ瞬時に移動する。

一瞬、俺を見失ったために、焦った鎧の隙をついて竜巻を持つ両手を狙って蹴りを打ち込んだ。。。が。


打ち込む寸前に、竜巻の形がしなるように変化し、俺の体に襲い掛かった。


ざっ!すぎゃぎゃぎゃぎゃぁぁぁああ!

「ぐっ!」

体をえぐられる痛みに、一瞬視界が白くなる


戦闘球の中でルイが、高笑いを上げる。

「ひゃははははあ!狙いはよかったが、この術に抜かりはない!敵が近くに寄れば自動で敵を追うように組み立てておるでな!」


老魔術師はご満悦だ。


俺は、深手を負うも一瞬で回復し再び距離を取った。


傷を負えば、その個所から対消滅が起こる。

体をえぐられる度に、相手の使う魔力(精霊)が霧散していく。


なるほど、どちらか一方が叩きのめされても、精霊を消滅させる流れは変わらないというわけか。


痛みを同等に受けるのは厄介だな。

結果に違いはなくとも痛いのは嫌だ。

どうにか無効化したい。


敵の動きからして、狙いは悪くなかったのだろう。

手元に攻撃が入るのを嫌がったのが証拠だ。


あの魔法の、自動防御を避けて腕に一撃を与える方法がないものか。。。


再び、正面から鎧に駆ける。


「まだわからんか、学習せんやつめ」

ルイが、同じ行動をとる敵を哀れんだ目で見る。


先ほどとまったく同じ行動。タイミングも同じ。

ただ違うことは俺が手元を狙わずに、その場の地面をひっくり返したことだ。


突然現れた土砂の壁に、竜巻の自動防御が追い付かない。

見当違いの場所に攻撃をする、そのすきをついて鎧の手元を攻撃した。

制御を失った竜巻が手元から離れる。


勝機!


殺傷能力を失った竜巻を喰らう。

竜巻はまるで生きた蛇のようによじれ、俺に飲み込まれていった。


戦闘球のなかでルイが地団駄を踏んでいる。

「あんなの、ずるじゃ!いんちきじゃぁ!」


「ほれ、ほれ。交代じゃ交代」

ホークがほくほくした顔で戦闘球ににじりよった。


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