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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
三章 神祇創生

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戦獣

少年王と会敵して、数時間にもなるが一行に動きがないことに、三賢者は痺れを切らしていた。


「いつになったら、始まるんじゃろうな。。。」

「向こうにも都合があるんじゃろ、途中で、あの赤いのから降りて歩いているようじゃな」

「お?何か始めたようじゃぞ」


3人は、下方の視界確保のために、急遽取り付けた、外部監視鏡に食いつくように頭を寄せた。


。。。


砂塵吹きすさぶ荒野に、少年の声が流れる。

その声が俺の心に直接届く。


「巡る魂の系譜に告ぐ。我が呼び声に応じ、その存在のすべてを捧げよ。

我が身を阻むあらゆる厄災を払う盾となり、仇なす敵を断ち裂く剣となれ。

御身の忠節に応え、我が授けるは朽ちざる信義。

今この時より、我らは魂の双子(ふたご)とならん! 」


体が熱い。

燃える様だ。


「魂を結ぶ《ソウル・エンゲージメント》!」


アインが力ある言葉を発した。

不確かだった霊体が、肉の体に作り変えられていく感じがした。

久しく感じることのなかった、生(せい)の強烈な感覚に途惑う。


その場にどこからか、霧が現れた。

白い霧が練乳をかき混ぜたように、どんどん集まり色濃くなる。

しばらくすると、空間から切り取られたように、人の輪郭をとり始める。


そして、霧に包まれた白い男が、纏った霧の尾を引くように現れた。


「白。。。さん?」

少年が、恐る恐る話しかける。


「。。。ああ、成功したようだな。意識もあるようだ」

俺は、自由意志が失われていないことを、坊主に知らせた。


「よかったぁ」

ほっと胸をなでおろすアイン。


アイシャから、教えられていた通りに、使役人形の契約を行ったがうまくいったようだ。

元通りに話せないかもしれない事を気にしていたのだろうか、少年は涙を浮かべて喜んだ。


「よう。初めましてだな」

カイルが軽く手を上げる。

俺も、それに応えてあいさつする。

「そうだな、実際に会うのは初めてだな」


「でも、やっぱ、真っ白なんだね。顔もないのも、ちょっと怖い。。。」

リタが、軽い口調で傷つくことを言う。


「やめて、落ち込むから。。。。」

「あ、ごめん」

いじけた俺を見て、慌てて取りなすリタ。


とにかく、これで、第一の準備は整った。


目の前に立ちはだかる巨大な鎧を見上げ、腰が砕けそうになる。


「。。。」


仲間の顔を見まわし、俺は、戦いに向けて気合を入れた。


「よし!気合入れ直していくぞ!」


俺が坊主から離れるということは、戦闘力、防御力はアイン本人の力のみに制限される。

無防備とまでは言わないが、これまでのような無茶はできないだろう。


だが、そこには俺が信頼する頼もしい仲間もいた。

「二人とも、ご主人(アイン)を頼むぞ」

「任された」

カイルの真剣な返事を、背に受けて歩き出す。


「主人(マスター)、王命(オーダー)を!」

「白さん、全てを託します」


アインが黄金の剣を両手で持ち、天を突くように持ち上げた。

「王命(オーダー)、黄金律の理(ことわり)よ、万象の根幹たる、始まりの大精霊に宿れ。

わが魂の双子に名を授けん!

顕現せよ、『白き救い手:オムニス』!」


「了承。我が名はオムニス。宿れ!裁定者(アービターズ)の黄金律(・ゴールデンオーダー)!」


坊主の声を受け、走り出す。


アインが手にした剣が粉塵に変わり、追い縋る様に、金色の粒が俺の体に纏わりつく。


「体よ!でかくなれ!」

俺は自らの権能を発揮した。

体が徐々に巨大化する。

金色の粒も、それに合わせて数を増やす。

体の大きさが急激に増大し、金色の粒が砂塵の様に体を覆い始める。


巨大化しながら駆ける。

そして、金色の砂嵐と化した俺は、敵の巨大鎧と対峙した。


徐々に、金色の砂塵が晴れていく。

砂嵐から現れた俺の姿は、人ならざる形状をしていた。


熊のような体躯と尖った顔。

兎のように長い耳は先端が鋭く、後ろに流れる様に揺れている。


その顔に見覚えのあるものは、雪族(ウーマー)を連想しただろう。

北の霊山に住まう、今は亡きその部族の無念がそうさせたのか、鋭い目と牙が生えていた。


遺瓦礫(ルデラ)の機械鎧(・エクス・マキナ)と比べると、こちらの方が低いが、山脈級の巨大な体を持つ敵同士が睨みあう。


「ホォゥゥゥォォォォォオオオオオオ!!!!!」


6000mを越える巨大な体躯を持つ、その獣が、咆哮を上げた。


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