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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
三章 神祇創生

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救世機:ルデラ・エクス・マキナ

「うわぁ。おおっきい」

(直に見ると、あきれるくらいデカいな。。。)


大陸の中央、荒野砂漠と呼ばれる場所に俺たちはいた。

やせ細った大地に草木は無く、乾いた風が砂を舞い上げている。

そこは、荒野と砂漠だけの人が寄り付かない不毛の地。

被害を最小限にするため、戦闘はここで行われることになっていた。


アインと俺たちは、まず、白磁の門(ホワイト・ゲート)に向かい、そこから荒野砂漠へ向かった。


白磁の門(ホワイト・ゲート)では懐かしい顔ぶれと出会う。


「頑張れよ。アイン」

「うん、何とかしてみせるよ」

たくましく成長した村長の息子、サムとの再会を果たす。

友との邂逅も束の間、俺達はすぐに出立した。


移動はアイシャのエクサで空から向かい、アインと護衛のカイル、リタが同乗することになった。

エラランが最後まで兵を伴うよう粘っていたが、今回は即断即行が必要とされるため却下となった。


丘陵地帯を越え、荒野砂漠に入ると、例の鎧の姿が見えてきた。


まだ、かなりの距離があるが、その頭頂部は雲を突き抜けるほどの高さがあった。

それを目にした一同が、口を開けてぽかんとする。


「。。。聞いてたより、ずっとデカくなってないか」

カイルが、かすれた声でつぶやく。


リタも嫌な汗をぬぐいながら言う。

「あいつらが言っていた通りってことね。。。」

使者としてやって来た、ジンライの言葉を思い出す。


。。。


「演算機?あの魔導鎧がですか?」

エラランが困惑するのも無理はない、あれは、どう見ても戦闘兵器に分類される。


「ああ、そうだ」

ジンライが首肯して、詳しい説明を始めた。


「この世界が、精霊に満たされることで崩壊につながることは知っての通りだ。それを防ぐなら、精霊を消し去れば良いと誰でも考える」

ジンライは、その場にいる聴衆を見まわし、異論がないことを確認する。


「そして、我々、評議会が、その方法にたどり着くのも時間はかからなかった」

彼らは、言い伝えや文献をもとに、王の力、黄金律の存在を知る。

その力は、魔物化(精霊化)を抑え無効化する事ができた。

「しかし、対処法があっても、実現は限りなく不可能であることも予想していた。何しろ、この世界中に蔓延した精霊を消し去るんだ、蟻が山火事を消すようなものだ」


それは、その通りだ。

いくら、遺物(レリック・アイテム)の力で理(ことわり)を曲げようとも、この世界の住人ではない精霊に、如何ほどの効果も無いだろう。


「そこで、編み出されたのが、世界魔法:払暁の導き手《ルシファー・プロミネンス》であり、あのバカでかい鎧がそれだ」

ジンライの表情に呆れが混じったのは、気のせいではないだろう。


「君らが指摘したように、世界そのものに干渉する程の巨大な魔術の行使は、人の範疇を越える魔力制御が必要になる」

魔術は、その巨大さ、複雑さにより難易度が跳ね上がる。


「我々の指導者は、そこを逆手に取り、人が制御出来ないなら、人が制御出来る形に収めればいいと考えた」

「それは、どういうことですか?」

その場の半数近くが、話についていけなくなっていた。


「要するに、魔術のままで扱えないなら、扱いやすい道具にすればいいという発想だ」

つまり、魔術で人が自動車の部品を一つ一つ操るのではなく、自動車を作って運転だけを人が行うってことか。。。


「あの鎧の核になっているのは、過去に使用された鎧の模造品(レプリカ)だ。それを、何処かの遺跡から、引っ張り出してきた機構に組み込んだ」


ジンライが勿体ぶったそぶりで一呼吸置いてから言う。


「あれは、周囲の精霊を喰らい、巨大化する」


おおっ


という声が上がり、エラランが疑問を投げかける。

「それでは、あの巨体は、精霊を捕食し続けた結果なんですか!?」

「結果というには早いと思うがね。まだまだ大きくなるはずだ」

予想外の回答に一同が驚く。


「まだ、デカくなるのか。。。」

だれかが、ため息とともにこぼす。


「しかし、あれはモノとして存在するには、大きすぎんか? 立って歩いていること自体が信じられん」

技術に明るい土穴族(ドワーフ)のゴージが、唸りながら疑問を口にする。


「専門ではないので、詳しくは知らんが捕食した精霊は、魔鉱という物質に変換され内部で部品に加工されるらしい。それは、物質と魔力の中間の性質を持つため、重量がほぼ無いということだ」

ジンライが、思い出しながら説明する。


それは、質量を持つ点以外は、光の性質に近いと言える。

見ることも出来て、質量もあるが重さが無いに等しい。

その性質故、自重で崩壊することもなく、歩くこともできる。


「では、あそこにあるのは幻影ということですか?」

「いや、あれは確かに物体としてあそこに存在している。実際に行って確かめてみればいい」

ジンライの冗談とも本気ともとれる発言に、皆がたじろいだ。


「それで、演算機の説明がまだだけど」

アインの鋭い指摘に、ジンライがニヤッと笑う。


「本来、魔術演算は魔法が発動し、その後、術者が無意識に行うものだが、あの魔法は演算を別の方法で行う」

「それは?」


「敵との戦闘だ」


「?」


「捕食した精霊は魔鋼になり、魔鋼はそのまま魔術として消費できる。魔術師は無制限に最大規模の魔術を発動することが可能だ。減った魔力は精霊を捕食して補う。これを繰り返し自らを維持させる」

敵との戦闘行為が魔術継続のカギになる。


知的解決を放棄して、自らの継続維持のために暴力を組み込んだ野蛮な魔術。


精霊を捕食し魔力に変換し、戦闘に消費する。

戦闘が続く限り、この流れは止まらない。


最後まで戦いを続け、打ち倒したとき精霊の存在は、この世界からいなくなる。


「これが、魔術師評議会の打ち出した答え。救世機:ルデラ・エクス・マキナ の正体だ」


聞き終わった全員が言葉を失う。


話を聞き終わった俺は、卒倒できない自分の体を憎んだ。


そいつを打ち倒す相手って、俺じゃねーか?!


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