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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
三章 神祇創生

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噂

世界が異変に包まれて、人々の生活は一変した。

これまで蔑んできた魔物化した人々と、同じ境遇になる者が後を絶たず、元の姿のままの者が少数になった時、立場が逆転した。


蔑まれる者から支配する者へと成り変わると、それまでの仕打ちによる恨みは、姿変わらぬ者へと向かった。


いくつもの、蛮行が繰り返された。


だが、混乱する人々の中にも、人類同士の争いが無益であることを知る者は多かった。


滅びを迎える世界で自暴自棄になる者。

静かに運命を受け入れる者。


この世界に希望が失われたと、人々は思い始める。


そんな時にある噂が流れた。


魔術師評議会と新たな魔王が、争いを始めようとしている。


こんな時に何をしているんだと、怒りと呆れの混じった声を上げる人々。


だが、それと同時に別の噂が流れる。


この戦いの趨勢によって世界の命運が決まる。


今の状況は魔族の千年前の復讐だ。

いや、魔術師共が大規模な魔術に失敗したんだ。


様々な憶測が飛び交い、不確かな噂が溢れかえる。


そして、誰かが言った。


「あの、金髪の少年は、俺たちを星炎竜から助けてくれたよな」


それに、人々が気付く。


「そうだ、俺も見た。赤い軌跡が北へ向かったのを確かに見た」

「その後、黄金の剣が現れたのよね。そして聖竜が去っていった。。。」


金髪の王が何とかしてくれる。


そう人々が考えるようになった時、彼を魔王と呼ぶ者はいなくなっていた。


対して、これまで人類を管理してきた魔術師評議会には、失望する声が多くなった。

評議会への評価が下がると、必然的に王への期待が上がる。


何時しか、魔族の王とされてきた少年王は、人類の救世主と呼ばれるようになっていた。

だが、これが、魔術師評議会の周到な情報認知操作だと知る者はいない。


。。。


「使者殿、具体的に、わが王に何をさせるというのですか?」

エラランが皆の疑問を代表して聞く。


「そちらでも、掴んでいると思うが、我らの魔導兵器と戦ってもらう。そして勝ってもらう」


「。。。」


一同が沈黙する。


『えぇぇぇぇぇぇえええええええ!!!!』


全員が、一瞬遅れて驚きの声を上げる。


「無理、無理、無理、無理!あんた正気か?!」

カイルが正直な感想を述べると、皆が頷く。


「。。。どうやって?何か策が有って言ってるんだよね?」

リタが聞くとジンライが答えた。


「特にない。王に頑張ってもらうとしか聞いてないな」

悪びれる素振りも見せず、とんでもないことを言う。


「だが、手立てが全く無い訳ではないんだろ?俺は、先の戦闘でその兆しを見させてもらった」

ジンライがニヤッと笑い、アインの顔を見る。


「?」

少年はぽかんとしている。

(。。。坊主、俺と変われ)


「白さんが、話したいって」


「?」

今度は、ジンライが怪訝な顔をする。


俺はアインと入れ替わって考えを話した。

「方法は、ある」


使者の一同が、急に口調の変わった少年を驚きの目で見る。


「そうか、こんな仕組みがあったのか。。。」

ジンライが何かを納得してつぶやいた。


「あんたの言う兆しとは、魔人化のことだな?」

俺は、ドールと合体した状態をそう呼び、確認した。


「ああ、だが、精霊との魔人化はだめだ。王の力、つまり、黄金律の力のみで魔人化する必要がある」


「。。。」

それを可能にする遺物(レリック・アイテム)も在る。

そして、俺の考えではその方法も存在する。


だが。。。


「これが最後になるってことでいいか?」

「ああ、それは確かだ。この戦いで人類は救われる」

ジンライが力強く保証してくれた。


「なら、全力を尽くそう」

そう言って、坊主と入れ替わった。


話は、いつどうやって接触するか。

実行段階に移った。


「ねえ、白さん?」

アインが、先ほどのやり取りが気になり俺に聞いてきた。

「何か心配事があるの?」


(俺が魔人化する方法なんだがな。。。俺を、坊主の使役人形(スレイブ・ドール)として契約する。それによって、俺の人格がどうなるかわからない。これまで通りか、ヴァルカがそうであったように自由意思を失うか。。。)

「!?」

(まあ、どっちにしろこれが最後だってことなら、もう俺が出る幕はないだろうしな。その後はよろしく頼むぜ、主人(マスター))

「うん、大丈夫だよ。僕が白さんを縛るようなことは絶対無いから」


そして、話の流れはあの巨大な魔導兵器の正体に向かう。


「あの兵器は、一体何なのですか?」

「あれは、正確には兵器じゃなく演算機だ」


ジンライが、その無謀とも思える壮大な計画を明らかにした。



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