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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
三章 神祇創生

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切り札

久しぶりに顔を見せたアインを、エラランが出迎えた。

「お戻りになりましたか、王よ」


「心配かけてごめん。状況を教えて」

立ち直ったアインだが、憔悴した体をアイシャに支えられていた。


それを、気づかぬよう努める一同。

「はい、魔術師共が動き出しました。これをご覧ください」


見せられた一枚の絵には鎧のようなものが描かれていた。


「ファラ殿が、天眼で遠見したものを書き写したものです。ここをご覧ください」

エラランが指さしたもの、それは地面に散乱した瓦礫の跡だった。


「これって。。。」

「そうです、何処かの村の残骸です。家の大きさと見比べると、この鎧の大きさはあの星炎竜と同じか、それ以上と推察されます」


千年前、前王がその身と同化した鎧よりも、はるかに大きい。


「この鎧は、レッド・リバーを越え、荒野砂漠に向かっています」

昔、アイン達が立ち寄ったオアシスのある場所だ。


「これは、何なの?」

「分かりません。分かりませんが、その件で魔術師評議会から使節が来ております。お戻りになられたのが、今でよかった。お会いになられますか?」


「うん、会うよ」

アインが了承し、エラランが謁見の間へと案内する。


謁見の間へ連れられて行くと、そこには4人のローブ姿の男女がいた。


「!」


見覚えのある顔を見たアインが警戒する。


「この人たちって。。。」


「お初にお目にかかる。と言っても、こちらからは初めてではないし、あの者の顔は見知っていると思いますが」

きれいに髪を後ろに流した、大柄な男が挨拶をする。

何処か見覚えのある風貌に、アインが警戒心を強める。


隣で、「よっ」と気軽に片手を上げるザジを、カイルが忌々し気に睨む。

「ぬけぬけと」


「私はジンライ。こちらからサーニャ、ザジ、アルフレッドです。我々は、貴方方を監視していた諜報部の者です」


「監視?それだけじゃないよね?」

リタがイライラして口をはさむ。


「白磁の門(ホワイト・ゲート)の事、忘れてないんだけど」

リタの一言で、その場が険悪な雰囲気になる。


あの襲撃事件で、何人もの人が犠牲になった。

アインの祖父母も、その時、命を落としている。


それを意に介さず、ジンライと名乗るリーダー格の男が話を続ける。

「我々も、任務だったのでね。それよりも、有用な情報を携えた使節だということを忘れないでいただこう」


「。。。皆、まずは話を聞こう」

アインが、皆を取り成しその場を収めた。


「。。。」

ジンライは、監視という形ではあるが、数年を見守ってきた少年の成長ぶりに感心していた。


「早速だが、この世界の崩壊について、そちらもすでに承知の上で話を進めさせてもらうが、よろしいか?」

「ええ、それで構いません」

エラランが話を促す。


ジンライが頷き、続きを話し出す。

「我々、魔術師評議会もその事実を掴み、以前から対策を研究していた。我々には世界を救う手立てがある。本日はそれを共有するためにこちらに参った」


「それは、ナージャ。。。先生からも聞いた。しかし、そのやり方については未知数だと。方法が見つかったというの?」

アインが、ナージャの話した内容を、一言一句正確に伝えた。


「方向性は今言われた通りだ。その方法についてだが。。。王に協力してもらう」


皆の視線が、アインに集まった。


。。。


「ありゃぁ?なんか、踏み潰してしもうたかのぉ?」

「こいつは、下方の視界が悪すぎじゃ」

「まったくじゃ、設計班に文句を言ってやらねば」


村々を踏み潰しながら、まっすぐに巨大な鎧が歩き続ける。

すでに、住民の避難が完了しているとは言え、その暴挙には目に余るものがあった。


それに乗り込んだ三賢者が、口々にここが甘い、ここが使いにくいと、ダメ出しを口にする。

巨大な鎧が歩く度に、製造精度の問題で、体の一部が剥離している。


人類が手にしたその巨大な兵器が、世界を救うための最後の切り札だった。


異邦なる機械(エクス・ゼノ・マキナ)


かつて世界を救った、その機械を模して完成したその鎧の名は。。。


遺瓦礫(ルデラ)の機械鎧(・エクス・マキナ)


世界を救うガラクタが、戦いの地へ向けて、はた迷惑な歩みを続けていた 。


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