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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
三章 神祇創生

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壊れかけの世界

その日から、何かが変わった。

何がとは、はっきりしたことは分からないが、昨日とは違う雰囲気を人々は感じ取っていた。


風の匂い、水の味、土の感触、火の色。


昨日まで当たり前のように感じていたそれらが、明らかに、より鮮明に感じられた。


畑仕事をしていた男がいつものように土を耕している。


「なんだか、今日はやけに仕事がはかどるな。まるで土に鍬が吸い込まれるようだ」

いつもなら、数歩も耕せば汗だくになるような、固く荒れた地面が、男の意思に従うようにサクサクと進む。


一息入れようと、手を見ると土がまとわりついていた。

「なんだこりゃ?」


「あんたぁ!」

家の方を見ると、嫁が手を振って騒いでいる。


「どうしたってんだ?おーい!どうしたぁ!?」

「あの子が。。大変なの!」


3か月前に生まれた息子に何かが起きたらしい。


どうせ、げっぷが出ないとか、そんなところだろう。

男は、嫁の大げさな性格に少し辟易していた。


「わかったぁ!すぐ行くから家に入ってろ!」

だが、嫁は一向に戻らない

言うことを聞かない嫁の様子に異変を感じる。


嫁の近くまで歩いていくと、顔が真っ青になっている。

「何があったんだ?」

「わからない、わからないのよぉ!」

錯乱している嫁の脇を過ぎて息子の元へと急ぐ。


赤ん坊の居たはずの場所に、鉱石があった。

「。。。な、なんだこれ」


近付くとうめき声が聞こえる。

「生き物なのか?いや、俺の息子はどこだ」


見まわしたが息子はいない。

その代わりに、子供と同じ大きさの鉱石がそこにあった。


微かに動いている。


「まさか。。。」

鉱石の隙間を覗くと、何時も仕事が終わるたびに覗いていた目と合った。


「ひぃ!」

思わず飛びのき尻もちをつく。


ざしゅあ


尻もちをついた床が土で汚れる。

払ってなかったか。

畑から持ってきてしまったかと慌てた。


「いやぁ!」


扉の外で嫁が恐怖で目を見開いている。


「え?」


嫁の姿が変わっていく。

皮膚が透けて透明な水へと色を変える。


男は自分の姿を見る。


体が土に変わっている。

手はぼろぼろと落ちて床に砂の山を作った。


先ほどまで、その家には3人の農夫の親子がいた。


今は誰もいなくなっていた。


。。。


人類圏の混乱が始まった。

空の色が変わり、世界の終焉が訪れた時でさえ、人類は自ら危機に直面しなければ無関心を装った。


これまで何も起こらなかった。これからもそうだろうと。


だが、それはコップの水が溢れる寸前のひと時に過ぎない。

ナージャとの戦いで、コップに一滴の水を落とした。


水は溢れだし、世界に最後の変革をもたらす。


後に大狂蝕と呼ばれる、世界規模での魔物化現象が起こる。

それは、静かに、平等に、普通人(ネィティ)達を蝕んでいった。


。。。


「時は満ちた」

魔術師評議会の総本部、学舎には数千の魔術師が集まっていた。


「我らが本来の道に戻る時が来た。この歪にゆがんだ秩序を破壊し、本道へと返り咲こうぞ!」


おーーーー!


魔術師がカシラの演説に呼応して鬨の声を上げる。


計画の最終段階が動き出そうとしていた。


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