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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
三章 神祇創生

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ある少女の夢

ミリーは自らに石化の魔法を掛けた。

徐々に体の自由が利かなくなる事を自覚する。


「ミリ姉ぇ!なにを!」

「安心して、死ぬわけじゃない。いつかこの子たちの呪縛が無くなれば元に戻ることができる」

それがいつになるのか、少女は口にしない。


話しているうちに徐々に体が石に変わっていく。

「そんな。。。」

「アイン。あなたがこの世界を救い、皆が笑って過ごせる様になればきっと戻ってくる。。。」


石化がゆっくりと進行している。

「。。。私、本当は怖いみたい。。。勝手に魔力制御してる」

ミリーが声を震わせて告白する。


魔術師が自身でかけた魔術だ。その進みを無意識に遅らせてしまっていた。


ミリーが仲間に声をかける。

「カイルさん、リタ姉ぇと仲よくね。リタ姉ぇも喧嘩ばかりじゃ嫌われちゃうよ。ほどほどにね」

「ミリー。。。」

「ばかぁ。何であんたが、こんなことになるのよぉ」

リタが両手で顔を覆って泣いている。


「アイシャちゃん。アインを。。。私の大切な人をお願いね」

「ミリーさん。私、貴方に家族だって言われたのが嬉しかった。。。また会えるよね?」

アイシャの問いに、ミリーが「うん」と頷く。

それが気休めだと分かっていても、アイシャはそれを信じて笑顔で涙をこぼした。


足先から進んでいた石化が、胸まで進み白くなっている。

「アイン、ごめんね。お姉ちゃん最後まで一緒にいてあげられなくて」

「いやだよ。ミリ姉ぇ。もう会えないなんて言わないでよ!」

「言わないよ、きっと、また会える。だから、悲しむ必要なんてないの。いつか、また会えたら。。。きっと。。。」


ミリーの姿が白い石像へと変わっていた。


「ミリ姉ぇ?」


石化した少女の像の前に、黒く輝く水晶のイヤリングが落ちていた。


ミリーは最後の瞬間、夢を見ていた。


ナージャに助けてもらい、新しい名前をつけてもらったこと。

魔法の修行で、いつも失敗ばかりして、師匠に呆れられたこと。

アインと会った時のこと。

皆との冒険の日々。

アインとの口づけ。


それらが、暖かい陽だまりの中にいるような気持ちで思い出されていく。

(ああ。私は幸せだったんだなぁ。いつかまた、会いたいなぁ)


それを最後に、意識を失った。


「。。。ミリ姉ぇえええ。。。やだよぉ!剣よ!」

アインが剣を呼び出した。


「王命(オーダー)!、僕の愛した人を返して!」

「。。。」


俺はそれに答えなかった。


「白さん!」

アインが生まれて初めて、俺に険しい声を上げる。


「。。。だめだ」

俺は冷たく突き放した。


「白さん!了承して!」

坊主が怒りを込めて言う。


「だめなんだよ!この力は自分のために使っちゃいけないんだ!」

俺は、坊主に嫌われようとも、これだけは曲げることができなかった。


「なんでだよぉ!なんでぇ。。。うわぁあああああああ!」


少年の慟哭が山中にこだまする。

親代わりの恩人と、姉と慕い愛した少女を一度に失った。


その悲しみが、彼の誓いを鈍らせかねないと知りつつ、掛ける言葉が見つからない。

俺たちは、少年が泣き続ける姿を、ただ見つめることしかできなかった。


。。。


村の子供たちが、何人か集まって冒険と称して遊んでいた。


森の奥に入ってはいけないと大人たちに注意されたが、そんなことを守る子供はいない。


普段、近寄らないせいか、暗い森の中は不気味で薄気味悪かったが、誰も帰るとは言いださなかった。

森の奥に進んでいくと、石造りの立派な祠があった。


子供の一人が、これ知ってると自慢げに語る。

「この中に、女の子の石像があるんだって。昔の王様の恋人だったとか、呪いで封印されたとか。そんな話を聞いたよ。近くにいると良くないことが起こるんだって」


子供たちの顔が青くなる。

「行こうぜ」


子供たちは、我先にと村へ引き返していった。


小さな祠の奥で魔法使いの少女が眠っている。

その傍らには、翠の宝玉を冠した杖と、黒い水晶の耳飾りがそっと置かれていた。


少女は眠り続ける。

いつか、目覚めることを夢見て。。。



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