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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
三章 神祇創生

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交錯する思い

一瞬で音もなく真っ白に世界の色が塗り替えられた。


その後に、巨人が消失したことを知りミリーはつぶやく。

「ありがとう、みんな」


師匠の元へと急ぐミリー。

その行方には、未だ数千の土塊(ゴーレム)兵が立ちふさがる。


「出来るかな。。。」

ミリーは、ある魔術の詠唱を躊躇っていた。

その魔法は失敗すれば、術者の存在そのものを消し去ると言われていたからだ。


「それでも、これしかないなら。。。」

少女は詠唱の後、力ある言葉をつぶやく。


「無貌の一息《アネモ・エフェメラル 》」


すると、ミリーの体が小さな分身体に分散された。

分身がさらに分身を生み、微粒子サイズへと細かく分かれると、一陣の風となって吹いた。


如何な鉄壁の布陣をもってしても、風を止めることはできない。

土塊(ゴーレム)兵は、敵が通り過ぎたことに気付かず立ったままだ。


自らを粒子レベルまで拡散させ、風と一体となるこの魔法は理論として確立されていたが、余りにも危険なため使うものがいなかった。

魔力制御は精緻を極め、拡散する体は魔術を行使し続けるには曖昧で不確実過ぎた。

一度分散した体を元に戻すまで、意識を保てる保証がなかった。


少女の強い思いが奇跡を起こす。


風に乗り、師の前に来ることができたミリーは、元の体に戻り師匠の前に降り立つ。


ナージャがそれを見て称賛した。

「見事じゃ、ミリーよ」


この時点で、風の魔術に関しては師匠を越えたと言える。


「師匠!もう一度話を聞いてください!」

「言ったはずじゃ。言葉は無用と」

少女の訴えをナージャは再び退ける。

会話が終わると同時に土の杭を生み、カタパルトのようにして自らを上空へ跳ね上げた。


「もう、遅いのじゃ!大地の剣(アース・ソード)!」

足場にした土の杭から二振りの剣を生み出し手にすると、ミリーに斬りかかった。


「わからずや!」

瞬時に張った風の結界と剣が火花を散らす。

ミリーが張った風の結界には特殊な効果が加わっていた。


砂塵や鉄粉を混ぜ、高速で回転する疾風加速陣(ゲイル・アクセラレータ)を応用し、それを全面に展開した。


それにより、重量武器すらも弾く風の盾とした。


ナージャはすぐに獲物を手放し、距離をとった。

地上に降りると魔法を発動する。


「大地の壁(グランド・ウォール)」


巨大な壁がミリーとナージャの間を隔てる。


「こんなもの!」


ががががぎゃぎゃ


ミリーが風の結界で体当たりをすると、土の壁は脆く穴をあける。


しかし、穴を穿つまでのわずかな時間にナージャは詠唱を終えていた。


「無限・飛翔尖(スパイクミサイル)」


無数の土の槍が少女に襲い掛かる。

「きゃぁあああ!!!」

結界が威力の数割を削っているとは言え、その攻撃の全てを避けることはできない。


ナージャはミリーが壁を通過することを計算に入れ、その進路に攻撃を集中させていた。

結界が破られ、傷だらけになりながらも、ミリーは再び魔術を発動した。


「無貌の一息《アネモ・エフェメラル 》」


「なっ!?」

ナージャは、まさかこの場面で使うとは思っていなかったのだろう、驚きと怒りのこもった叫びを上げる。


「何をやっとる!消えてしまうぞ!」

ミリーはナージャの背後に実体化した。


ミリーがナージャの体に組み付く。

地面に倒れこみ、暴れるナージャの体を押さえつける。


「どうして私の言うこと聞いてくれないんですか!いつも!」

大粒の涙を流すミリー。


ナージャがその顔を見てハッとする。


「うぁあああああああああ!!!」


力を抜いてされるままにすると、少女が胸に顔を埋めて泣き出した。

ナージャがそっと少女の頭を撫で、つぶやく。


「儂の負けじゃ。泣く子には敵わんよ。。。」


土の精霊の力が解け、元の姿に戻る。

泣き続ける少女を胸に抱き、少女との穏やかな日々の記憶を思い出していた。


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