星を消す力
雨が収まり、風の勢いが弱くなる。
嵐が去ろうとしていることに気付く。
(お?同やらうまくいったみたいだぞ)
「なら、もうこいつを倒してもいいってことね?」
ヴァルカが声を弾ませる。
(アイシャ嬢ちゃんに安全なところに避難するように伝えられるか?)
俺の提案を素直に聞くヴァルカ。
「伝えたよ。思いっきりやれってさ」
(じゃあ、やっちまおうぜ!)
(うぃ)
炎魔人は、相手と組んでいた手を一瞬脱力させ、巨人の体勢を崩したところで背後に回る。
巨炎蹴:ギガスフレアシュート
炎を纏った足蹴りで、土巨人の腹部を蹴ると、その部分が炭化してぼろぼろと崩れた。
「(よし!)」
俺たちが手ごたえを感じていると、破損した箇所が見る見るうちに修復していく。
(まじか)
「なら火力を上げていくだけよ!」
さらに炎を纏った拳で顔面を砕く。
だが、これもすぐに修復されてしまう。
(きりがないな。。。)
「。。。あんたたち力を貸しな」
ヴァルカに何か考えがあるようだ。
(何をするつもりだ?)
「奴を倒すには、あたしだけの力で部位を破壊してたんじゃだめだ。一気にけりをつける。多分この体ならあれが使える」
普段は召喚者の能力に制限されているが、インフェルノ・ギガスになった今だから使える武器があるらしい。
(わかった。任せる)
(あぃー)
俺ともう一人が了承し、ヴァルカに力を送るように念じる。
ヴァルカが巨人から距離を取り力を掌に集中させた。
バチッ!
バチッ!バチッ!バチッ!
掌に火花が散る。
光が収束する。
土巨人に向けて手をかざし、ヴァルカが吠える。
「星炎・新星!」
その瞬間あたりが真っ白になった。
星の死に匹敵するエネルギーの奔流が巨人に浴びせかけられる。
一瞬のことで何が起こったかわからない。
視界が戻ると、目の前にいた巨人は跡形もなく消し飛んでいた。
「ふう、なんとかなった」
(。。。おい、今何やった?)
震える声でヴァルカに問い質す。
「ん?ああ、ちっと最大威力の技を出しただけさ。ちゃんと力を絞ったから、この星には影響ないはずだよ」
軽く放ったかのように言うヴァルカ。
その結果、巨人の背後の山がいくつか消し飛んでいた。
(。。。)
まだ何か言いたかったが、言葉が見つからない。
(ふぁぁあああ。ねむ)
魔眼の精霊が力を使ったせいか眠そうな声を上げる。
その声を聞いた後に魔人の体が消えて、俺たちは元に戻っていった。
。。。
突然の閃光の後に巨人が消失したことに、アイン達は度肝を抜かれていた。
「いったい、なにが。。。」
そこに戻ってきた俺。
「白さん、何やったの?」
(俺じゃねぇよ。とにかく障害は排除したんだ。後は婆さん達次第だな)
ミリーはナージャの元に向かった後だった。
未だ、土の兵隊は数を減らしてはいない。
しかし、ナージャももう一度巨人を出すことはできないだろう。
(がんばれよ。ミリー)
俺は、飛び去って行った少女にエールを送った。




