↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
三章 神祇創生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

177/212

物語のように

「やるじゃない!あんな、でくの坊、やっつけちゃえぇー!」

炎の中から現れたヴァルカの姿を見て、アイシャはご満悦だ。


次の瞬間、ヴァルカがずっこける。

周囲に飛び散る土と衝撃に、アイシャが巻き込まれ吹っ飛ばされた。


「あほぉぉぉおおおおおおお!!!!」


衝撃に飛ばされながらも、罵倒することは忘れないアイシャが土煙の中に消えていく。


ミリーの救出へと行動を映していたカイル達が振り返る。

「大丈夫なのか、あいつら?」

「あっちゃぁー」

「しろさーん。。。。」


初めから締まらない展開に、不安を覚えつつミリーの元に急ぐ三人。


「あははははははははははは」


相変わらず狂ったように笑い続けるミリーの足元まで来た。

「でも、どうやって正気にするの?」

アインが少女を心配して顔を曇らせる。


「ん-まあ、姫を目覚めさせるなら、王子のキスってのが定番だよな」

カイルがもっともらしく語り、頷きながら口元をニヤッとさせた。


「へっ?」

アインが間抜けな声を出すと、カイルとリタに両脇を固められる。


腕を持たれ、体ごと振り子のように振り回された。

「そぉら!行ってこーい!」

「むちゃくちゃだぁ!」


思いっきり放り投げられたアインは、ミリーの元へ一直線に向かっていった。


。。。


巨人になったヴァルカと土の巨人が、お互いがっぷりと両手を合わせ、相手を抑え込もうと力勝負に出ていた。


「ぐぐぅ。。。」

徐々に押され始めるヴァルカ。

質量の違いからか、力勝負では分が悪いようだ。


(押されてるぞ!頑張れ!フレーフレー、ヴァ・ル・カ!)

(ふれぇ、ふれぇ)


「やかましい!気が散るわ!」

ヴァルカが怒声を上げる。


手持無沙汰な俺たちは、やることがないのでヴァルカを応援したが、なぜか怒られた。


「白いのとちっこいの!あんたたち後ろから炎を噴き出せる?」

(お、炎で後押しするんだな。やってみるか)

(コクコク)


「こっちは気が抜けないから、あんたたちに頼むわ」


そうして、俺たちは背中に集中する。


(せーの!)

俺が炎を吹き出すイメージを思い浮かべる。


(そい)

気のぬけた掛け声で力を込めるもう一人の精霊。


ばしゅっ!ごごごぉぉぉぉぉぉおおおおおお!


すると、炎の魔人の肩甲骨の辺りから、炎が吹き出し翼のように広がった。

排出される炎に助けられ、徐々に体勢が戻っていく。


(このまま、巨人を押さえておいてくれよ。後はあいつら次第だ)

「了解!」


。。。


二人に放り投げられたアインだが、ミリーに届く前に失速するかと思われた。

しかし、ミリーの周りに渦巻く風が上昇気流となり、少年の体を宙に浮かせ少女の元へと運んだ。


「ミリ姉ぇ!」

アインが呼んでも返事はなく笑い続ける少女。


ミリーの腰に掴まり、よじ登るようにして顔を見る。


瞳孔は隠れ、白目をむいている。

「どうしたらいいんだ?」


アインはこの状況にパニック寸前になっていた。

(姫を目覚めさせるなら、王子のキスが定番だよな)

カイルの言葉が頭の中でリフレインする。


「もう、どうにでもなれ!」


アインはやけになって、ミリーに顔を近づけ、そして。。。

ジッとその美しい顔を見つめる。


いまさらながら、胸がどきどきしている。

(ごめん、ミリ姉ぇ)


少年が少女の唇にそっと口づけをすると、突風が止んだ。

暴嵐は去り、雷の音は遠くへ消えていった。

吹きすさんでいた風は穏やかな涼風へと変わり、いくつもの花弁が舞う。


「あーーーーーー!!!!」

地上で空を見上げたアイシャが二人に気付いて声を上げた。


唇が離れると、アインの目の前に真っ赤な顔をして、目を潤ませるミリーの顔があった。


「気が付いた?ミリ姉ぇ」

「。。。うん」

アインの言葉に下を向いて恥ずかしそうに答える少女。


すぅーっと地上に降りて離れる二人にカイルとリタが駆け寄る。

「もう大丈夫みたいね」

「やったな、アイン」


「ごめんなさい。ここから仕切り直します」

ミリーが気を取り直して前を向く。


「大丈夫?」

「ごめんね。でも、これは私がやらなきゃいけないことだから。。。」

ミリーの決意に、誰も異を唱えることはなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。