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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
三章 神祇創生

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土と風と

「土傀錬成(ゴーレムクリエート) 千の挙兵《サウザンド・リージョン》 無限陣(:アンリミテッド)」

ナージャが最も得意とするゴーレム錬成による物量戦術に切り替えた。


ぼごっ ぼごっ ぼごっ

ぼごっ ぼごっ ぼごっ ぼごっ ぼごっ


錬成された土の兵士が、地面から無尽蔵に溢れだした。


「やはりそう来ますか」

ミリーが予想した通り、圧倒的な物量で押し切る作戦だ。

押し切られれば魔術を行使する余裕はないだろう。


だが、彼女は対策を考えていた。


「我、風精の主が命ず。大気に潜む精霊よ。水気、風気、雷気を司るもの共よ。集いて舞い踊り、その力を解き放て!」


「来たれ暴嵐(コール・テンペスト)!」


黒雲が集まり渦を巻く。

雨が大地を叩く。

雷鳴が鳴り響く。

突風が吹き荒ぶ。


「さあ、みんな!宴の始まりよ!」

ミリーが魔力に感化され高揚した声を上げる。


少女が呼んだ嵐が、土人形を吹き飛ばす。

雨で脆くなった体に稲妻が浴びせられる。

無限に生み出される兵士は、土塊になり空の彼方へ吹き飛ばされた。


「あはははははは!もっと、もっとよ!塵に還りなさい!」

少女の常ならぬ言動に不穏なものを感じる。


極大魔法:来たれ暴嵐(コール・テンペスト)


その魔力制御は精緻を極め、成功したとしても精霊からのキックバックにより精神を侵される。

今、彼女は精霊たちが自由を謳歌する歓喜に触れ、その力に酔いしれている。


「何かミリーの様子がおかしくない?」

リタは少女が理性を失っている事に気付く。


「婆さんが何か始めるぞ」

カイルの声に、皆がナージャに注目する。


兵士を前衛と後衛に分け、前衛部隊が全体を守るよう陣形を組みなおした。

風に吹き飛ばされないように一人一人が繋がりフォローする。


後衛は生み出される新たな兵士を守るように盾で強風をしのぐ。

兵団の数が元に戻りつつあり、次の変化が起こった。


「集結し組みあがれ!我、土の精霊の主が命ず。錬成し形を成せ!巨人よこの地に現れよ!」


「土傀錬成(ゴーレムクリエート):大巨人(モンテス・ギガス )!」


土塊の兵士が折り重なり、巨大な土の塊となる。

土の塊にさらに兵士が加わり、徐々に形を取り始める。

人を模したそのゴーレムの全長は100mに達した。


零落の花姫《フローラ・デプロラタ 》とほぼ同じ大きさだが、それは圧倒的な質量を有していた。


2つほど山向こうにいた旅人は、急な嵐と雷鳴にもかかわらず、なぜかこちらに被害がない事に困惑していた。

嵐の中心地である、かつての村の跡がある方向を見ると、巨大な影を目にする。


「。。。山が、動く?」


ごごごごごごごぉぉぉぉぉ


その巨大な人形は、嵐をものともせずにそこに立ち続けた。


ナージャはここまでの流れを読み切っていた。

物量を向かわせればミリーはそれに対処するであろうことを。


そして、それにより魔法による精神侵害が起こる事を予想し、そのタイミングで超質量兵器を顕現させた。

どんな嵐でも山を持ち上げることができないように、この巨人も破壊されることはない。

術者は正気を失っており次の対処をすぐに行う余裕はない。


「勝たせてもらうぞ。バカ弟子。。。」

ナージャが勝利を宣言し、ミリーに巨人を差し向けた。


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