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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
三章 神祇創生

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隠された扉

「この辺です」

ミリーが迷宮の入口を指さす。

カーラの痕跡を追ってたどり着いたのは地下迷宮への入り口だった。


「まさか、こんなところに潜んでいたとはな」

エラランは苦々しく吐き出す。


早速、兵を集めましょうと言うエラランを止めてカイルが言う。

「カーラの無事を確かめてからのほうがいい。それに、中には信者だけとは限らない。捕らわれた人がいるなら人質にされる可能性もある」


アインもその考えに同意して、まずは少人数で様子を見ることになった。

「アイン様はお残りください。斥候は他のものにお任せを」

エラランが引き留めるが、アインは引かなかった。


世界の危機への情報があるなら自分が行かないわけにはいかない。

エラランもその強い意志と眼差しにうなずくしかなかった。


「姫。。。」

エラランに声を掛けられ、びくっとするアイシャ。


「もう、お止めはしません。アイン様をお守り下さい」

珍しく小言を聞かずに済んで、「任せなさい」と胸を張るアイシャ。


そして、一行は地下迷宮の入り口に入っていった。


「でもさぁ。ここで潜伏できるような場所なんてあったっかねぇ?」

リタは探索時のことを思い返すが、地下都市以外に隠れられそうな場所がない。


「隠れ通路があるのかもしれないな。まだすべてを調べたわけじゃないだろ?」

カイルがその可能性を示唆した時にミリーが何かを発見した。


「これ。。。水鏡の宝珠だ」

小さな浅葱色の石が落ちていた。


ミリーがそれを見て言う。

「カーラさんの残したものだと思います。。。追憶の水鏡よ、彼のものの記憶を示せ」

ミリーの呪文により球形の魔法陣が一行を包み込む。

ダネフの祠と同じ記憶継承の魔法だ。


全員の頭の中に、カーラが見たもののイメージが映り込む。

「あれは?」

ナージャが男の持つ魔術具に目を止める。


チリーン


鈴の音が聞こえると記憶が途切れた。


「あの鈴には見覚えがある。隠者の呼び鈴。特別な入口を開く魔術具じゃ。本来は招いたものしか入れんのじゃがな。。。あった」

ナージャは目を凝らし魔力の流れを追う。


なにも無い空間を指さした。

「この辺りの空間が歪んでおる。小僧の剣でこじ開けられるじゃろ」


アインはうなずき、剣を呼び出す。

「剣よ、在れ」

そして、俺に「白さん、お願い」と頼む。

俺は剣に乗り移り、坊主の言葉を待つ。


「王命(オーダー)、隠されし扉を開け!」

「了承。暴き出せ、裁定者(アービターズ)の黄金律(・ゴールデンオーダー)」


剣が輝きだし、少年が剣を振ると空間が切り裂かれる。

切り裂かれた空間の先に扉が現れた。


アインが扉を開くと周囲の景色が変わる。


そこは、アイン達が発見した地下都市に見紛うばかりの街が佇んでいた。

あたりに人はおらず、警戒されている様子がない。

それよりも人の気配がない。


すぐに、見つからないように近くの家の様子をうかがう。

誰もいないことに違和感を感じつつ、空き家に入る。


「罠ってことはないよな」

カイルが周囲を警戒する。


「あの鈴が無ければ入ってくることは出来んからな。侵入されるとは思っておらんのじゃろ。ミリーや、カーラ殿の反応はあるか?」

ナージャが先ほどから宝珠を握りこみ集中している弟子に聞く。


「。。。はい、あの一番高い建物の方向に反応があります」

ミリーが先のとがった屋根を持つ鐘楼の方角を指す。


「なら、手分けして情報を集めながら向かうか。ばあさんは俺と、リタとミリー、アインはアイシャ嬢ちゃんと向かってくれ」

カイルがメンバーを振り分ける。


全員がうなずき、行動を開始した。


。。。


アイシャと二人になったアインは少し緊張していた。

出会った頃から、彼女の直情的な性格に苦手意識があり、何を言われるかとびくびくしている。

そんな少年の様子を見て、はぁとため息をつくアイシャ。

「別に何も言わないわよ。これでも、あんたのこと認めてるんだから。。。」


出会ったばかりのころ、王候補として対抗心が強く、意識的に強く当たった。

その時の印象は大人の言うことをきくだけの、良い子にしか見えずイライラしたのを覚えている。

それが、仲間を信頼して託すことだと知ったのは、いくつかの冒険を一緒に過ごしてからだ。


王様に彼が決まった時も納得してしまった。

私は大人たちに反発するだけで、彼らと共に支えあってゆく気持ちがなかった。


諦めて城を去ろうとした。でも彼は引き留めてくれた。

その時、あたしも仲間になれるかもしれないと、そう思った。

それから数年、彼だけを見てきた気がする。

アイシャは思い出して、頬を赤く染める。


(だめだ、こんなのあたしのキャラじゃない)

気を取り直して、アイシャは先に進む。

少年に顔を見られないように。。。


「さあ、あたしについてきなさい!」

「おい、待っててばぁ」

相変わらず身勝手だなぁ、と勘違いして少年は少女の後を足早についていった。



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