↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
三章 神祇創生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

142/212

痕跡

「ここのようだな」

カイルが調査隊の残していった目印を見つけ、岩の隙間のような洞窟の入口を見る。

大人がぎりぎり通れるほどの穴を、体を横にして入っていく。

中に入ると意外に広く先に続いていた。


「大丈夫だ。中はひらけている。入ってきていいぞ」

外にいる仲間に声をかける。


アインを先頭に全員が洞窟の中に入った。

ここからは、入口からの光は届かず奥は暗闇に包まれていた。


「ミリー頼む」

「はい。魔法の灯(ウィル・オ・ウィスプ)」

ミリーが明かりを灯す。


「あれは?」

先に立って進んでいたミリーが何かに気付く。

しばらく奥に進むと、岩を重ねた祭壇のようなものが見えた。


「ここか?他に何もないようだが」

カイルが周りを慎重に探索するが他には何もない。


「いや、ここで間違いないようじゃ」

「そうですね。これ魔法陣ですか?」

ミリーの言葉にうなずくナージャ。


「見事なものじゃな。これほど長きにわたり不可視の魔法陣を維持するとは。。。」

かつての天才魔術師の技術に舌を巻く。

「アインよこちらに来て手をかざすのじゃ。それが発動条件のようじゃ」


アインは前に出て祠に向かって手をかざしてみる。

すると、魔法陣が輝きだし、複雑な文様の球形の魔法陣が現れた。

その場にいる全員を包み込むと光がさらに輝きだす。


気付けば、真っ白な空間にいた。


「よく来た、王の系譜に連なるものとその仲間達」

いつのまにか目の前に老人がいた。


「あなたは?」

アインが尋ねる。


「魔術師ダネフと申す」

この老人が稀代の天才魔術師と言われた男か。


「そちらの御仁は当代の剣の主ですかな?」

老人は俺を見てそう聞く。


「あれ?白さん?」

この空間では、俺の白い靄のような人型の姿が見えているようだ。

「こいつが。。。」

カイルが俺の姿を舐るように見る。

「こやつの事は置いておいて、重要な話を聞きたい」

ナージャは俺に全く興味を示さず話を先に進める。

少し、寂しい。


「分かっておるよ。ここに魔術師が来るということは、評議会にもやっと話の分かる者が現れたということかな」

ダネフは期待を込めて尋ねた。


「。。。すまぬが、わしは評議会の者ではないんじゃ。すでに袂を分けておる」

その言葉に失意を露わにするダネフ。

「そうか。。。まだ己に課せられた使命を理解しておらぬか」


「ダネフよ、今一度問おう。お主の知りうる世界の危機とは。それを回避するための英知とは。すべてを聞かせてくれ」

「よかろう。。。」

ダネフがそう言うと、頭の中に直接イメージが流れてきた。


「王よ、お人払いを」。。。「この世界が滅びる?貴様正気か?」。。。「あなたの世界で言うところのエントロピーの崩壊ですよ」。。。


「王よ、準備は整っております」。。。「御身は魔術の核となり、元の姿には戻りませぬ。このような邪法を生み出した罪をお許しください」。。。


当時のやり取りが、映画の場面転換のように映し出される。

そして、大量の魔術式が頭に流れてきた。


それは、魔術師の二人以外には、何の影響も起こさなかった。

ただの古代文字の羅列であり、知識を持たない者には目の前で光がチカチカしただけだ。


見ると、ナージャとミリーの様子がおかしい、

瞳孔が開き、その光に魅入られたような恍惚とした表情をしている。

やがてそれも終わり、膝をつくように倒れこむ体を杖で支える。


「はぁ、はぁ。。。お師匠様、これって」

「ああ、魔術解除の術式じゃ。未完成ではあるが」

ナージャとミリーは顔を合わせて確認する。


「わしは、ここと同じ祠をあと二つ遺した。その場所は有翼人(シルフ)と土穴(ドワーフ)の長に託しておる。彼らの元を訪ねるがよかろう」


「そこに、残りの術式があると?」

「左様」

ダネフの幻影が答える。


目的は決まった。

これまで、何の手がかりも掴めなかったが光明が差した気がした。


「最後に、もう一つ。わしら以外に、これまでここにたどり着いたものはおるか?」

「。。。」

再びイメージが流れ込んできた。


4人の見知った顔が見える。

「こいつら、ここまで追ってきてたのかよ」

カイルが、しつこさに呆れる。


再び場面が変わり、若い女性の姿が映る。

「え?」

アインが声を上げ、ナージャの息を飲む音が聞こえる。


「キレイな人。知ってる人なの?」

アイシャが少年に尋ねる。


「母さん。。。」


そこに映っていたのは、紛れもなく若かりし日のアリーシャの姿だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。