追記:乙女の会話?
「ふっふふぅん♪」
リタが鼻歌交じりに上機嫌で武器の手入れをしている。
迷宮初日、今日1日の探索が終わり休憩中だ。
それを見ながらミリーがうらやましそうに、螺旋の尖針を見る。
「それにしても、リタ姉ぇの新しい武器はすごいですねぇ」
「でっしょぉ。鍛冶の師匠からもらったんだ。この子がライアーで、この子がロシュネー、そしてレイア」
リタが嬉しそうに教えてくれる。
「あ、名前つけてるんですね」
ミリーが困り顔で少し引く。
「あんただってつけてるじゃないさ」
反応が不満だったのか、いじけるリタ。
「魔法使いが杖に名前をつけるのには訳があるんですよ。杖はパートナーで、生きてるので、名付けをして主として認めてもらうんです。リタ姉ぇはどうしてつけてるんですか?」
「。。。かわいいから」
照れて横を向くリタ。
「あぁもう。それだけじゃなくて。冒険者の間でも気に入った武器に名前をつけることをするんだ。誰が始めたか知らないけど、魔法使いの真似をした奴がいてさ。それで流行ったってことらしいよ」
ミリーが納得したようにうなずく。
「そうなんですね。でも、その武器に関しては良いかもしれませんね」
「え?なんで?」
「それって、魔術具のようなものなので、名付けが役立ちます。たとえば。。。」
ミリーが、てててっと杖を持って歩き出し少し遠くへ杖を置いた。
そしてまた元の位置に戻る。
「翠風の杖よ、我が手に」
ミリーが声をかけると、杖が手元に戻った。
「っ?!」
「魔術師が召喚魔法で最初に覚えるのが、自分の杖を呼び出すことです。杖があるのとないのでは使える術が限られますから」
「それって、あたしにも使える?!」
リタが身を乗り出して聞く。
「ええ、初歩の初歩なので。ただ、魔術師の杖のような特別なものでなければ呼び出せないんですけど」
リタの武器、螺旋の尖針なら大丈夫だろうと言う。
「投擲だと手元に残らないから、こういう特別なのだといちいち拾うのが面倒でね。手元に戻せるなら組み合わせ次第で戦い方も変えられそう」
「それに、一本だけじゃなくて組み合わせたり、魔法と連携したり。すごく汎用性がありそうですよね。あたしも欲しいなぁ」
ミリーがぼやく。
「あんたじゃ、まともに投げることも出来ないって」
ミスリルは軽い金属だが、それでも投擲に慣れている者が使う方が優利だろう。
その後も、二人で魔法との組み合わせを相談したりして、きゃっきゃとはしゃいでいた。
女の子二人の楽しそうな会話に癒される。
話の中身は物騒この上ないが。。。。
この二人の試みは、後の戦いでその有用性と威力を知ることになる。
この武器が、魔術師の副武装として広く用いられるようになるのは、この時からずっと後の話だ。




