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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
二章 魔族領編 王の資質

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竜の呪い

「勝った?」

「勝てたのか?」

カイルとリタが信じられないものを見たようにつぶやく。

息も絶え絶えのアインは膝をつきようやく顔を上げる。


『うーむ』

そこに念話の声が届く。


全員に緊張が走る。


斬り飛ばされた竜の首がこちらに視線を向ける。

『なに、驚くことはない、小さき者。我はもう滅びる』

その言葉通り、体が形を維持できなくなり徐々に骨がむき出しになっている。

魔力により、種の寿命を超えて存在しつづけていたのだろう。


『そこの小僧はあの男に連なる者か?』

王のことを知っているのか、その目は懐かしそうだ。


「わからないけど、そうらしい」

『ふふふ、そうか。わからんか。しかしお主が見せた力はあの男のものだった。千年前も敵わなかった。強いな、お前たちは。。。』


『これから、あの男に会いに行くのだろう?ならば伝えてくれ、邪竜は満足して逝ったと」

「うん、分かった。伝えるよ」


長く恐怖の象徴だった紅い竜は満足そうに目を閉じた。

『ふふふ、呉井くれいよ我の勝ちだ。。。』


竜燐が崩れ、肉が解け、頭蓋がむき出しになる。

額にあった紅い精霊核が崩れ粉になって消えた。


「がぁぁぁっつ!」

アインが急に左目を押さえて苦しみだした。

「っ!」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」


「アイン!」

ミリーが近づいてアインの目を診ようとする。


「いかん!下がるんじゃ」

ナージャがミリーの肩をつかんで引き剝がす。

上を向いたアインの左目から火線が上空に向けて吹きあがる。


「な!?」

「どういうこと!?」


「。。。これは、竜の呪いじゃ。魔眼を受け継いでしもうたんじゃ」

「っ!?」

「婆さん、どうにかならないのか!?」

「。。。わしらには手に負えん。魔眼の存在自体が伝説級で過去に研究された事がないんじゃ。とにかく、小僧!目を閉じて何も見るな!」


アインは涙を流して痛みに抗おうとしている。

「。。。そう言われても。。。」


徐々に火線が収まりつつあり、目を閉じることが出来た。


ナージャが布を取り出してアインの左目を隠すようにきつく縛る。

「気休めじゃが、何もないよりはましじゃろう」


絶対に目を開けないようにと厳しく言われた。


そして、また部屋が光に包まれる。


。。。


「まだ、あるのかよ。。。」

新たに飛ばされた部屋は、広いには広いが迷宮の中に見えた。

自然物は無く、石造りの床や壁が均等に敷き詰められた空間。

どこにも出入口は無く、空気穴さえあるのか分からない。

全体を把握するには広すぎて、反対側の壁は暗くて見えなかった。


全員が満身創痍で満足に動ける者はいなかった。

魔術師の二人は魔術を扱うための精神力が回復していない。


それでも、この迷宮は戦いを求めた。


一行の正面に、何かの人工物がある。

人型のそれは、鎧のように見える。


「。。。!」

ナージャがその正体に気づいたようだ。

「こんな所にあったとはな。。。」

「婆さん、あれは何なんだ?」

「?」


「千年前の人魔戦争。それを終わらせた兵器じゃよ」

「え?!じゃあ。。。あれが」


「そうじゃ、異邦なる機械(エクス・ゼノ・マキナ)、その試作品じゃ」

当時の魔術師の技術の粋を集めた究極の兵器。

大きさは山よりも大きいと聞いていたが、目の前のものは3m程度のようだ。

「試作品じゃからな。大きくする意味がない。だが、性能のほうはオリジナルと同じじゃ」


それって、体は小さいが中身は化け物ってことじゃ。。。

サイズダウンした分、力の大きさがアンバランスすぎじゃないか?


魔術師評議会も当時の技術を知る上で、貴重な資料になるため長年探し求めていたそうだ。

こんな迷宮の奥にあっては見つかるはずもない。


「だけど、あれって誰かが乗らないと動かないんだよね?」

リタが、ナージャに確認する。

「ああ、そうじゃ。操者が操らなければただの魔鉱の塊にすぎん」


「じゃあ、あんし。。。ん?」

そう言おうとしたリタが目をむく。


「。。。動いてない? あれ」


キィィィイイイン。

モーター音のような甲高い音を響かせその黒い鎧が立ち上がった。

黒く磨き上げられたその表面がきらりと光る。

淵には精巧な細工が施されている。

それは古代ルーン文字で、魔術による強化がされていることが見てわかる。


「馬鹿な?!操者がおらんのだぞ、勝手に動くわけが。。。」


『なになになに?!ここどこよ、なんで、あたしこんな事になってんの?!」

くぐもっているが聞き覚えのある声が、鎧の方向から聞こえる。


「。。。」

「。。。この声は」

「まさか。。。」

「あの姫さんか。。。」

「アイシャ?!」


全員あきれたり、途方にくれたり、頭を抱えたりしている。


「ん?誰?」

こちらに気づいたようだ。


「おぉぉい、アイシャ見える?僕たちだよ」

「何かいるわね、あたしをこんな姿にしたのあんた達?!早く戻しなさいよ!」


こちらの姿が見えているわけではないらしい。

「うぅぅ、頭がぼぉっとしてきたぁ。体があついぃぃ」

何やら中では大変なことになってるようだ。


「あんたたちを倒せば解放されるのね?!きっとそうよ!」

熱に浮かされた頭で、勝手に思いつき勝手に納得した。


鎧の影響か、普段からぽんこつな思考が更にぐらついているようだ。

黒い鎧騎士姿のアイシャが腰の剣を抜く。

抜刀の勢いで剣を振ると、そこから剣圧となって空気を切り裂く。


ごぉおお


ただそれだけの行為が、突風となってアイン達の体をさらう 。


「ねぇ、あれと戦うの?」

リタが表情を固めて尋ね、皆が深いため息をついた。



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