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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
二章 魔族領編 王の資質

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弐の部屋

アインは急に輝き出した召喚門の光で、世界が真っ白になったと感じた。

それは一瞬のことですぐに辺りを確認すると、今までいた場所とは景色が変わっていた。


地底湖だろうか、目の前には不思議な光を湛える水面が広がっていた。

「水が光ってる?」


アインが近づこうとすると、「おぉーい」という声と共にカイルたちが集まってきた。


「水辺には近づくなよ、何が居るか分からん」

アインはうかつに近づこうとした自分を恥ずかしく思った。


「ミリー、探査を」

「はい」


コォォォン

音ならざる波が周囲を露わにする。


「え?。。。気付かれた?!」

ミリーは慌てて、皆に警告した。

「水から離れて!」

皆それに従い、急いで水辺から距離を取った。


どどどぉおおお!


水柱が上がり、水面に巨大な魔物の体が浮いていた。


豪水竜トレンティドラコ

水の精霊を使役するその竜が、巨大な姿を現わした。


その姿は見るものに美しいと思わせる。

タツノオトシゴとリュウグウノツカイを混ぜ合わせた姿は、頭部から伸びた細長い触角や翼の代わりに生えたような透明なヒレがゆらゆらと揺れている。


どのような力が働いているか分からないが、10m程もある巨体が水面にふわふわと浮いていた。


「くるぞ!」


竜の喉が膨らみ、攻撃の前兆を示す。


全員が散開したところに、高圧縮された光線のような水が放射された。

かろうじて、飛びのいて避けた。離れたところにあった岩が、バターナイフで切ったように分断される。


その後、竜の周りに浮いていた水が塊になり、一行を襲う。

直径1mもある水弾が雨のように降り注ぐ。


「皆!こちらに!」

ナージャが力ある言葉を発した。

金剛殻ダイヤモンド・シェル


最硬度の地の結界を張る。


水弾は地面に穴を穿つも結界に弾かれ攻撃は阻まれた。

再び竜が高圧縮のブレスを使うも、結界はびくともせずに攻撃を防ぐ。


攻撃が通用しない事を悟った竜は静まってこちらを警戒している。


「ふぅ、危ないところじゃったわい」

「婆さん、助かったよ」

一行は一時の猶予を得た。


「どうやら、水からは離れられないようだな」

こちらに近づこうとしない竜を観察してカイルが言う。


「だがこちらからも手を出せない。どうしたもんか」


近づこうとすると水弾が飛んでくる。距離を取るとあのブレスだ。

攻撃を与える隙が無い。


(坊主、婆さんに聞いてみてくれるか)

俺は思いついたことをアインに話した。


「みんな、ちょといい?」

アインは俺が立てた作戦を皆に話す。


カイルがそれを聞いて納得する。

「うん、それなら、やってみる価値はありそうだな」

「なんとも突飛な方法じゃな」

老婆はあきれながら作戦に同意した。


。。。


そして、作戦は決行される。

大筋の流れは、前衛班と後衛班に別れ、前衛が竜の注意を惹き準備が出来たら後ろに控える後衛班が攻撃する。

その際、前衛班はブレスを誘発する動きをして攻撃を誘う。


前衛にカイル、リタ。後衛にナージャ、ミリーそしてアインの構成だ。


「それじゃあ。開始だ!」

カイルの号令で皆が持ち場に着く。


カイルとリタが前に出る。


豪水竜は小さな敵が向かってくるのを見て水弾を放つ。

どどどどどどぉぉぉ!


大量の水弾がカイルとリタを追う。


「うひぃぃぃ」

二人は一発でも食らえば、戦闘不能になる水の塊を避けながら注意を引いている。

息の合った回避行動が長年共にした経験を現わしている。


その内に後衛の準備が整った。


ピィィーーーー!


合図の指笛が聞こえ、前衛の二人が後ろに下がる。


豪水竜は攻撃を変えブレスを吐く準備をする。

パァァァン!ズガギャーーーン!


水面を打つ音に加え何かが割れる音。

豪水竜がブレスを吐くために喉に水を溜めている時に、アインの翠脚鞭が打たれる音が響く。


ごぉぉぉお!


という風切り音と共に、土色の球体が豪水竜がブレス放つまさにその瞬間、口の中めがけて突っ込んだ。


バリバリバリ


土色の表面が砕け、クリスタルガラスのような中身が現れた。

さらにその中には、ミリーが泣きそうな顔をして居る。


俺が考えた作戦はこうだ。


金剛殻に竜の攻撃が効かないのなら、金剛殻のまま竜の近くに行って攻撃すればいい。

結界はその位置を固定するために、地面など何らかの座標目標が必要だ。

それを外側に土で作った球体にすることで、サッカーボールのように移動できると考えた。

後は、坊主の翠脚鞭による衝撃で結界ごと弾き飛ばす。

不幸にも、その中に入って術を行使する役はミリーに決まった。


そして、ミリーは力ある言葉を唱える。


凍結せよ(フリーズ)より長く(エクステンション)!」


喉の奥と吹き出し口に圧縮された水を蓄えた状態からの冷却。

体内の氷により、豪水竜は呼吸を止められ、のたうち回る。


ミリーを閉じ込めた金剛殻が吐き出され水辺に落ちた。

少女は中で目を回しているが無事のようだ。


浮遊力がなくなり、水の中に戻って暴れたために大波が起こる。


徐々に動きを止めてゆく豪水竜。

そして、ついに動かなくなった体が水面に浮き上がってきた。


すると、最初の部屋と同じように水中の中にあった召喚門から光があふれた。





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