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脳内ヒーロー洋二  作者: 井田雷左
55/80

第六章 バカが義体でやってくる 5



    5



「遅いな」

「ああ、遅い」

桜井と林田だ。

「うわぁぁぁぁぁぁぁ! うわぁぁぁぁぁぁぁ! うわぁぁぁぁぁぁぁ!」

大森だ。

「ど、どうしたんだよ、大森、か?」と桜井。

「他校の五人衆はどうした?」と林田。

「ぜ、全滅だ!」

「ちょっと待て! 拳法の使い手にサイコな催眠術師で構成される最強部隊だゾ!」

と桜木。

「い、今何時だ!?」と大森。

「19:48だ」

と林田が腕時計を見せながら云う。

「たった三分で、五人のツワモノが、たった三分で、ぜ、全滅したのかよ!」

と云った大森の目の焦点は既に合っていない。


三人がそんなやり取りをしている時、ゆっくりとその三人に向けて洋二は歩いて来ている。

次にやることは決まっていて、その〈やること〉にあまり関係なかったが、一度どこまでできるか試してみたかったのでやることにした。

「クレゼンザ、この場所を起点として奪える全ての無線LANネットワークを乗っ取れ!」

【イグザクトリー】

頭部にある複製生体のAIがフル回転を始めると近隣半径800Mの全てのWi-Fiに洋二は瞬時で接続を果たした。

その無線LANの数、約四千個。

勿論、事実上のオーナーは接続したまま、洋二も接続したワケだが、ネット環境を洋二はやろうと思えば、約二キロを独り占めできることの証明であった。

洋二の能力の一つ、オーバーラン!


「あ、アレ?」

「どうした? 林田?」

「さ、桜木。な、なんか、おかしいんだ。スマホが! iPadが! ノートPCが!」

「た、試しにド、ドローンをう、動かしてみよう!」

と云った桜木に応じて、大森と林田がドローンのリモコンを握る。

10台中、3台は三人で動かし、残り七台はPC内にプログラムした自動操縦システムにより稼働している。

「ほ、ほら! ほら! オレらは、こんな高価なもんを好き勝手に使える陽キャ・リア充・ネアカ高校生だ! 何も恐れる必要はね~!」

と大森は夜空に吠えた。

「あ、アレ、誰だ!?」

ギリースーツのような姿をした洋二が歩いてくる。

「あ、アイツだよ! 五人衆を全滅に追い込んだ張本人は!」

大森は瞬時に自信を喪失していたのだ。

「お、オレは、プログラミングのて、天才だ! だから兼崎さんからも重宝されてきた! オレのドローン操作術を! ドローン自動操縦システムを思い知るがいい!」

退場直前に特技が明かされた林田だ。

鴉が巣に近づくニンゲンを威嚇するように、洋二の頭の上を、激突すれすれで周回させる林田。

林田に続き、桜木と大森もドローンのコントローラーを使い、彼に追従し、洋二を威嚇する。

「こ、コイツは江野と違って、反応無くてつまらね~よ!」と桜木。

「ああ、アイツはいいリアクション取るからな!」と大森。

「オレはこの10台に実は出し入れできる針を仕込んであるんだ! 針に毒は付き物で、海洋生物でなく植物から抽出したもの! 死ななかったとしてもシビれは七転八倒ものだゼ!」

と意外に仕込んでいたのは林田だった。

そして林田の操作で、ドローンの尾部が開閉し、金属製の針が出てくる。

10台のドローンが攻撃態勢のまま洋二を囲む!

「ひひっっっっっっ~! 怖くて声も出ないかぁぁぁぁぁ~!?」と大森。

「しゃっ! かかれ!」

ところが林田のその命令を10台のドローンは利かなかった。

それどころではない。

ドローンの羽音は、三人の男子高校生から遠ざかり、洋二の背後に着いたのだ。

洋二の背後には、ドローンが10台、彼が背負うようにしてその空中でホバリングしている。

「ど、どうしたんだ!? 何故だ! オレのプログラミングは完璧なハズ!」

「お、おい、林田! その完璧はどこいっちゃんだよ!」

「さ、桜木と大森、これは考えたくもないことなんだが! こ、これは!」

林田が、まるで痙攣するかの如く震え出した。

「お、オレの10台のドローンが全部、アイツに乗っ取られているぅぅぅぅっ!」

洋二はドローンだけではない、PCやAIで動くものはたいていを制御下に抑えることが可能なのだ。

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