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脳内ヒーロー洋二  作者: 井田雷左
54/80

第六章 バカが義体でやってくる 4



    4



時刻は19:45。

大森に連れられた五人衆が校門をくぐる。

林田と桜木はピロティの下にエアガンやドローンをズラっと並べ、カメラの調整をしている。

兼崎は学校の最寄り駅の改札機を通過したところだ。

コクピットに座る洋二には、ディスプレイに総勢9名がロックオンされているのを見ている。

「さて、ぼちぼち行きますか」

既に洋二は複製生体に乗り込むパイロットとして、そうとう使いこなせると自信がついていた。

―あ、一つ忘れていた。

「クレゼンザ、何かかけてよ」

キーボード入力でなく、既に音声入力に切り替えてある。

【?】

「曲さ。BGMを頼むよ、元気になれるやつ」

【ご自身で決めて下さい】

そう機械声に云われた洋二はピンと浮かんだ曲名を告げることにした。

「ブラック★ロックシューター!」

コクピット内にその音と声が溢れる。


♪ブラックロックシューター~

何処へ行ったの?

聞こえますか?


「な、何だ、アレ! あのジャンプ、人のものじゃねーぞ!」

とデカゴン。

部室棟の三階から校舎のベランダを辿り、校門までひとっ飛び。


♪あとどれだけ叫べばいいのだろう

あとどれだけ泣けばいいのだろう

もうやめて わたしはもう走れない


洋二はデカゴンの前に現れる。

ブンブンとヌンチャクを振り回すデカゴン。

その攻撃は、森の住人めいた洋二の異様なコスチュームと唐突な出現で、窮鼠猫を嚙むのような妙なバカ力を彼ーデカゴンにもたらしていた。


♪いつか夢見た世界が閉じる

真っ暗で明かりもない

崩れかけたこの道で

あるはずもないあの時の

希望が見えた気がした


どうして?


「な、なんや~! ヤツのあの動きは!」

滅法、ブンブン振り回す動きを見ての大森の台詞だ。

強烈な一撃をデカゴンは喰らったのだが、それは自分のヌンチャクを自分の後頭部に激突させたからだ。

「こ、このやろう! よくもやってくれたな!」

とリーダーのデカゴンの代わりにウォーターミル。

「ウォーターミル! 例のヤツをやるしかねぇ!」

とタイム。

「おいおい、さすがにアレはヤバいだろう!」

「じゃあ、どうしろって言うんだ! こんなバケモノ相手に!」

「し、仕方ねー! オレがデカゴンとブラックキャットの代わりにリミッター解除を許可する! 二人の封印を解け! タイム!」

タイムがピグマリオンのミルク飲み人形を奪う!

直ぐに憤怒するピグマリオン!

「おまえ、第八次元に送るとかウソついてんじゃねーよ、ラビリンス!」

「な、なんだと~! もう一度言ってみろ!」

タイムの台詞ぬ烈火の如くキレるラビリンス!

「その怒りを二人がかりでアイツにぶつけろ!」

と云うウォーターミルの台詞に、なんでだろうラビリンスとピグマリオンは従い、洋二を挟み撃ちにするよう襲い掛かる!

二人の身長を軽く超える程のジャンプ、それも素早い。

「グワァ~!」

「ひぎぃ~!」

額をぶつけ合い、悲鳴を上げるラビリンスとピグマリオンは、あまりの痛みにその場に崩れ折れて、失神してしまった。

「時間差攻撃!」

タイムはジグザグに走った。

つまり逃げたのだった。

「バンダルチャギ!」

ウォーターミルがタイムに蹴りを喰らわす。

仲間割れだ!

その二人の前に立ちはだかる洋二。

「失神している二人を連れて、消えてくれ」

ウォーターミルはピグマリオンを、タイムはラビリンスを背負って校門を後にした。

よろよろと立ち上がるデカゴンは四人の後をもたもたとついていく。


♪ブラックロックシューター

懐かしい記憶

ただ懐かしかったあの頃を

ブラックロックシューター

でも動けないよ

闇を駆ける星に願いを

もう一度だけ走るから


「あ、ああ、うわぁ、けぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

大森の叫び声が校庭にこだまする。

しかし大森は記憶の片隅にまだ仲間がいることが自分の保険になっていることがあることを想起した。

だから、ピロティの方角に走った。

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