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失恋した人同士  作者: 天白なつき


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4/6

誰にも言わないで

 昼休み、あたしはお手洗いを済ませたので、自分の教室にいこうとした。


「やめて」


 あたしは、アルくんの声が聞こえてきた教室のドアを開けた。


「何してるの?」


 ベンと全裸で怪我だらけの泣いてるアルくんに、駆け寄りながらあたしはそう聞いた。


「もしかして、ベンがアルくんをいじめてたの?」

「レインは、引っ込んでろ」

「アルくんをいじめないで」

「レインは、こんな奴を庇うのか?」

「どうして、アルくんをいじめたの?」

「気に入らねえからだ」

「気に入らないからって、いじめるのは駄目」


 あたしがそう言うと、ベンは舌打ちしてその場を去った。


「アルくんの怪我、あたしが回復魔法で治すよ」

「今、服着ている途中だから、ちょっと待って」

「わかった」


 あたしは、服を全部着たアルくんの怪我を回復魔法で、ある程度治した。


「ありがとう。もういいよ」

「もう回復魔法で、治さなくていいの?」

「うん」


 あたしは、回復魔法をやめた。


「ベンがアルくんをいじめたこと、先生に言おうよ」

「やめて! 誰にも言わないで」

「どうして?」

「……おれ、ベンに服を全部脱がされて、たくさん写真を撮られたんだ。おれがベンに、何をされたか誰にも知られたくないし、その写真をみられたくない」

「……じゃあ、どうすればいいかな?」

「どうすればいいかわからない」

「……何もできなくて、ごめん」

「レインさんは、悪くない」


 アルくんはそう言ったけど、ベンがまたいじめるかもしれないのに、何もできない自分が嫌だった。


 魔法学校から帰る時間になり、あたしはアルくんの近くへいった。


「アルくん、今日、一緒に帰ってもいいかな?」

「いいよ。一緒に帰ろう」


 あたしは、アルくんと一緒に魔法学校を出た。


「ベンにいじめられてたから、アルくんは調子悪かったんだよね?」

「……うん」

「ベンは、酷いね」

「カッコ悪いおれが嫌になる」

「あたしは、アルくんよりベンがカッコ悪いと思う」

「どうして?」

「いじめるのは、カッコ悪いもん。アルくんは、いじめられても魔法学校にいってるし、そんなにカッコ悪くない」

「魔法学校にいってたのは、休むと、ベンがあの写真を人にみせるからだ。おれは、カッコ悪い」

「それでもやっぱり、ベンよりアルくんは頑張ってるし、そんなにカッコ悪くないと思うよ」


 あたしがそう言うと、アルくんは泣いた。


「レインさんと話してたら、少し楽になれた気がする。ありがとう」


 アルくんが手で涙を拭い、そう言った。


「あたしは、全然アルくんの助けになれてないよ」

「レインさん、またおれと話して欲しいんだ。それだけでもいい」

「話すだけなら、またできるよ」


 もっとアルくんの助けになりたい。


 朝になり、あたしは準備をし、家を出て魔法学校へ歩いていく途中、アルくんをみつけた。


「おはよう」

「おはよう」


 あたしがアルくんに挨拶すると、アルくんはあたしに挨拶した。


「アルくん、まだ顔色悪いけど、調子よくないの?」

「ちょっと調子悪いけど、レインさんがいるなら頑張れると思う。少しでもいいから、レインさんといたいんだ」

「じゃあ、あたし、できる限りアルくんといる」

「ありがとう」

「アルくんの苦しみを和らげたいよ」

「レインさんがおれといて、話してくれるから、苦しみが少し和らいだ気がする」

「アルくんの苦しみが和らいだなら、少し嬉しい」


 またアルくんと話そう。


 昼休み、ベンがアルくんに、近づいてきた。


「アルくんに、何をする気?」

「レイン、邪魔するな」

「アルくんをいじめるのは、駄目だからね」


 ベンはアルくんの腕を掴み、引っ張った。


「いきたくない。やめて」


 アルくんがベンに抵抗しながら、そう言った。


「ベン、アルくんが嫌がってるから、やめなさいよ」

「オレ様に逆らったら、あの写真を他の奴にみせるぞ」

「逆らわないから、あの写真を誰にもみせないで」

「ベンがアルくんを連れていくなら、あたしもいく」


 ベンがアルくんを連れていくので、あたしはついていった。


 ベンは誰もいない教室に入り、ドアを閉め、アルくんを押し倒した。


「アルくんに、何をするの!?」

「今から、服を全部脱がして写真を撮る」

「アルくんに、そんなことをしたら駄目!」

「レインが服を全部脱ぐなら、いじめはやめてもいい」

「レインさん、そんなことしなくていい」

「レイン、全裸が駄目なら上半身裸になれ。その状態で、胸をオレ様に触らせろ。それがいじめをやめる条件だ」

「……じゃあ、あたし、上半身裸になる。胸を触っていい。今回だけだよ。だから、アルくんをいじめるのはやめなさい。カメラと写真をアルくんに、渡しなさい。写真は、返さない。ベンが写真を持ってると、人にみせるかもしれないからね。アルくんのデータを消したいし、上半身裸のあたしをカメラで、撮られたら嫌だ」

「返さなくていいのは、写真だけだ。カメラは返せ。返すならカメラだけ今、渡してもいい。写真は、レインの胸を触ってから渡す」

「それでもいいから、アルくんをいじめるのはやめなさい」

「条件を達成したら、いじめはやめる。カメラを渡したら、レインは上半身裸になれ」

「わかった。ベンがカメラをアルくんに渡したら、あたしは上半身裸になる。今回だけだよ」

「それでいい」


 ベンがそう言って、カメラをアルくんに渡した。


「カメラをアルくんに渡したから、ベンに胸を触られる間だけ上半身裸でいる」


 そう言って上半身裸になったあたしの胸に、ベンの手が近づく。


 アルくんを助けられるなら、胸を触られても構わない。


 あたしは、服を着た。


「アルくんのデータは、消したかな?」

「消した」

「ベン、写真をアルくんに渡して」

「カメラを返せ」

「カメラはベンが写真をアルくんに、渡してから返す」


 あたしがそう言うと、ベンが写真をアルくんに渡してから、アルくんはカメラをベンに返した。


「アルくんをもういじめないで」

「わかってる」


 ベンはそう言って、その場を去った。


「レインさん、ごめんなさい」

「いいよ。アルくんを助けられてよかった」


 あたしはそう言ってから、アルくんと一緒に自分の教室へいった。


 魔法学校から帰る時間になった。


「レインさん、今日、一緒に帰ってもいいかな?」


 あたしに、近づいてきたアルくんがそう聞いた。


「いいよ。一緒に帰ろう」


 あたしはそう言って、アルくんと一緒に魔法学校を出た。


「レインさん、おれがおごるから、休日の昼にここから近いレストランで、食べるのはどう?」

「アルくんとレストランで、食べてみたいけど、あたしはお金出さなくていいの?」

「恩返しさせて欲しいから、レインさんと初めていく日はおれが奢る」

「ありがとう。どの休日にいくの?」

「レインさんは、どの休日にしたい?」


 毎週光の日、祝日の精霊せいれい感謝の日は、魔法学校が休みだ。


「もうすぐ精霊感謝の日だね。その前日、光の日だし、その光の日でもいいかな?」

「確かにもうすぐ精霊感謝の日だし、その前日は光の日だ。レインさんがその日を望んでることは、わかった。その日にレストランで食べよう。希望の時間はある?」

「その日の昼ならどの時間でもいいよ」

「じゃあ、その日の四の鐘が鳴る頃に、レストランで食べよう。おれが予約する。その日は四の鐘が鳴る前、レインさんの家へ迎えにいく」

「わかった。その日、家で待ってる」


 アルくんとレストランで、食べる日が楽しみだ。


 アルくんとレストランで、食べる予定の日の朝、あたしは服装をどうするか考えていた。


「今日はこの服でいこう」


 あたしは、茶色のパンスト、白いブラウス、紫色のスカートを身につけ、準備した。

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― 新着の感想 ―
主人公が恥ずかしめ受けるなんて、ちょっとショックでした。ベンは最低な人だと思いました。
レインがしずかちゃんで、アルがのびたくんで、ベンがジャインのような印象をうけました。 その後、どうなるのかとても気になります。
2026/07/13 22:10 どらちゃん
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