ベンよりアルくんがいい
宿題を始めた。
「おれ、魔力の計算、ちょっと苦手だな」
「そうなの? 魔力の計算は、あたし、得意だと思う」
「……おれ、この問題がわからないんだけど、レインさん、わかるかな?」
「この問題は、こうしたら解けるよ」
あたしは、アルくんがわからなかった問題をどうすれば解けるか教えた。
「ありがとう。この問題をどうすれば解けるかわからなかったから、助かった。レインさんと一緒に宿題して、よかった」
「役に立てて、よかったよ。魔力の計算で、わからない問題があったら、また教えてあげる」
「助かる。ありがとう。魔力の計算が得意な人って、数字に強そうだから、レインさんは数字に強そう」
「……あたし、数字に強いのかな?」
「少なくともおれより、レインさんは数字に強いと思う」
「……魔力の計算、あたしがアルくんより得意なのは、数字に強いかどうかが関係してるかもね」
「数字に強くなれば、魔力の計算やりやすくなると思う」
「じゃあ、数字に強くなれるといいよね」
「うん」
誰かいる時は、ひとりよりも宿題がやりやすい。
そろそろあたしの家に、帰ろう。
「あたし、そろそろ自分の家に帰るね」
「レインさん、帰り道、気をつけて」
「うん」
あたしは、自分の家に帰る準備をした。
「じゃあね」
あたしがそう言いながら手を振ると、アルくんも手を振った。
あたしは、歩いて自分の家に帰った。
昼休み、あたしの近くにきたベンと関わりたくなくて、離れようとした。
「レイン、オレ様とつき合えよ」
「……何、考えてるの?」
「リリーとつき合うのは無理そうだが、レインもいい体だし、オレ様とつき合おうぜ」
「つき合いたくない」
「……レインって、最近、アルと仲よくしてるし、アルとつき合ってるのか? だから、オレ様とつき合えねえのか? オレ様はアルより大きくて強いし、アルとわかれてオレ様とつき合えよ」
「あたしは、今、誰ともつき合ってないし、ベンとつき合いたくもない」
あたしがそう言うと、ベンは舌打ちした。
「ベンって、アルくんより魅力的だと思ってるの?」
「オレ様は、アルよりいいに決まってる」
「あたしは、そう思わない」
あたしはそう言ってベンから離れ、アルくんの近くにいった。
「アルくん、今日も一緒に宿題していいかな?」
「わかった。今日はおれが住んでる家かレインさんの家、どっちで宿題やろうか?」
「前、アルくんが住んでる家で宿題したし、あたしが住んでる家にするのはどうかな?」
「わかった。帰る時間になったら、レインさんが住んでる家へいこう」
「うん」
嫌なベンより、アルくんがいい。
帰る時間になり、あたしはアルくんと歩いていた。
「今日、ベンに『オレ様とつき合えよ』って、言われた」
「……それで、どうしたの?」
「『つき合いたくない』って、ベンに言った。ベンは、嫌がる女子の胸を触ろうとする酷い人だし、関わりたくない」
「おれ、ベンの上から目線な態度とか、ちょっと苦手」
「ベンって、確かに態度が上から目線かもね」
そんな話をしながら歩いてると、あたしが住んでる家に到着した。
「あたしが住んでる家に到着したよ」
あたしは、鞄から出した鍵でドアを開けて家に入り、履いてた靴を脱いだ。
「お邪魔します」
アルくんはそう言って、あたしが住んでる家に入り、履いてた靴を脱いだ。
「リビングで、一緒に宿題しよう。ついてきて」
あたしがそう言い、歩くとアルくんはついてきた。
「ここがリビング。椅子に座っていいよ」
あたしがそう言って椅子に座ると、アルくんも椅子に座り、大きな机に置いた宿題を一緒に始めた。
「アルくん、魔力の計算でわからない問題とか、あるかな?」
「……今は、大丈夫だと思う」
「わかった」
お菓子、食べたいな。
「あたし、チョコ食べようと思う」
あたしは、家にいくつかあるチョコを持ってきて、机の空いてるスペースに置き、袋から出し、食べた。
「アルくんもチョコ食べていいよ」
「ありがとう」
アルくんもチョコを食べた。
宿題を始めた頃より暗くなった外が窓からみえる。
「おれ、そろそろ自分の家に帰る」
アルくんはそう言って、帰る準備をした。
「アルくん、気をつけてね」
「うん」
あたしが手を振ると、手を振ったアルくんが家を出た。
今日は、魔法学校が休みだ。
「水の魔法石、みつけられるといいな」
水の魔法石は、高値で売れるし、魔法の杖につければ水中で、魔法が使いやすくなる。
「準備しなきゃ」
あたしは準備をし、家を出て、水の魔法石をさがしに、近くの湖へ向かった。
湖に到着してから、水中で苦しくならない水中魔法を使い、水中に潜り、水の魔法石をさがした。
あたしはちょっと休憩しようと思い、湖から出ると、アルくんがいた。
「アルくんも水の魔法石をさがしにきたの? あたし、水の魔法石をさがしてたんだ」
「おれも水の魔法石をさがしにきたんだ。レインさんは、水の魔法石をみつけたの?」
「みつけてない。あたし、ちょっと休憩しようと思ってる」
「おれは水中で、水の魔法石をさがそうと思う」
アルくんはそう言うと、水中魔法を使い、湖に飛び込んだ。
あたしが休憩してる間に、アルくんが湖から出てきた。
「アルくん、水の魔法石、みつけたの?」
「みつけた」
アルくんは、青い水の魔法石を持ってた。
「いいな」
「レインさんに、譲ろうか?」
「いいの? いくらお金出せばいいかな?」
「……銀貨一枚で、どうかな?」
「それだけで、いいの?」
「うん」
「今、お金持ってないんだ。あたしが住んでる家にならあるから、くる?」
「じゃあ、いく」
あたしはアルくんと一緒に、自分が住んでる家へ向かった。
家に到着し、あたしは鍵を開け、家に入り、はいてた靴を脱いだ。
「お邪魔します」
アルくんはそう言って、あたしの家に入り、はいてた靴を脱いだ。
「ちょっと待ってて」
あたしはアルくんにそう言ってから、銀貨を一枚持ってきて、渡した。
「レインさん、ありがとう」
アルくんは銀貨を一枚受け取って、そう言い、あたしに水の魔法石をくれた。
「アルくん、ありがとう」
銀貨一枚だけで、アルくんが水の魔法石を譲ってくれて、ありがたいな。
「おれ、そろそろ自分の家に帰る」
「わかった。じゃあね」
あたしが手を振ると、アルくんは手を振り、家を出た。
魔法学校の休みが終わって、朝になり、あたしは準備をし、家を出た。
魔法学校へ歩いていく途中、アルくんをみつけた。
「おはよう」
「おはよう」
あたしがアルくんに挨拶すると、アルくんはあたしに挨拶した。
「実は、魔法学校にいくのがちょっと嫌だと思ってたんだ」
「どうして?」
「ベンと関わりたくないんだ。『オレ様とつき合えよ』って、言われたし、不安」
「ベンに何かされそうなら、おれがレインさんを助ける」
「ありがとう。アルくんは、優しいね」
「おれはレインさんが困ってたら、助けになりたいんだ」
「アルくんは、どうしてそんなに優しくしてくれるの?」
「……レインさんは、人食い竜に、食べられそうだったおれを助けてくれたから、恩返しがしたいんだ」
「アルくんが人食い竜に、食べられるのが嫌だったから、助けただけなのに、ありがとう」
そんな話をしてる間に、あたしとアルくんは魔法学校に到着し、教室に入った。
「レイン」
あたしを呼んだのは、ベンだった。
「……何?」
「またアルと一緒かよ。本当に、つき合ってないのか?」
「前、言ったけど、あたしはアルくんとつき合ってない」
「アル、本当か?」
「おれとレインさんは、つき合ってない」
「つき合ってないのに、よく一緒にいるのか?」
「あたしは今、誰ともつき合ってないし、誰と一緒にいるかは、あたしの自由だから」
「レイン、オレ様とつき合えよ」
「前、言ったけど、つき合いたくない」
「……アルとは仲よくするのに、オレ様は駄目なのか?」
「あたしは、ベンよりアルくんがいいの」
「アルの何がいいのか意味わからねえ」
「アルくんは、ベンより優しいの」
「オレ様は、アルより大きくて強いのに」
「ベンは優しくないから、嫌なの」
あたしがそう言うと、ベンは舌打ちした。




