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失恋した人同士  作者: 天白なつき


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1/6

リリーちゃんには彼氏がいる

 昼休みに、あたしより背が高くて、茶髪で、細い体をした中性的にみえるアルくんがあたしの近くにきた。


「レインさん、リリーさんと仲がいいし、リリーさんの好きなタイプとか、わからないかな?」

「……アルくん、リリーちゃんが好きなの?」

「……うん」


 リリーちゃん、モテモテだな。


「……リリーちゃんには彼氏がいるよ」

「そうなの!? リリーさんの彼氏って、誰!?」


 アルくんが驚いた様子で、聞いた。


「……知らなかったんだね。クリスくんだよ」

「……クリスくん、おれより背が高くて、優秀でイケメンだしな。おれよりもリリーさんに相応しいよ。でも、ショックだな。立ち直れるかわからない」


 アルくんは、落ち込んでるみたいだ。


「話を聞こうか? あたしも失恋したからね」

「そうなの? レインさん、好きな人に振られたの?」

「……直接、振られてはいない。あたしは、クリスくんが好きだったんだけど、リリーちゃんがいるからね」

「クリスくん、モテモテだな。やっぱり、ショック受けてるの?」

「……リリーちゃんが羨ましくも感じるけど、クリスくん、リリーちゃんとつき合ってて幸せそうなの。だから、ショックよりも幸せそうでよかったって、気持ちが大きい感じだよ」

「レインさんは、メンタルが強くて優しいな」

「……そうかな? アルくんがそう言ってくれるのは、嬉しいけど、あたしは、あんまり強さも優しさも無いと思う。あたしに強さと優しさがあったら、今より魅力的な気がする」

「おれはレインさんみたいに、強さも優しさも無いから、落ち込んだままだよ。レインさんなら、他にいい人とつき合えるよ」


 アルくんがそう言ってくれて、あたしはちょっと元気になれた。


「アルくん、優しいね。ありがとう。アルくんだって、他にいい人とつき合えるよ」

「レインさんと話してたら、ちょっと元気になれた気がする。ありがとう。レインさんとまた、話したい」

「いいよ。アルくんがちょっとでも元気になれたなら、よかったよ。あたしもアルくんとまた、話したい。だから、今日、一緒に帰れないかな?」

「いいよ。一緒に帰ろう」

「じゃあ、また話そうね」

「うん」


 アルくんと話せて、よかったな。


 道具を使わず飛ぶ魔法の授業をする時間になった。


「先生が飛ぶから、よくみるんだぞ」


 男らしい体をした先生がそう言って、飛んだ。


「お前らも飛んでみろ」


 先生がそう言った後、一番最初に、優秀な銀髪のクリスくんが飛んでから、みんなが次々と飛んだ。


「飛べた」


 あたしもやっと、飛べた。


 帰る時間になり、あたしは、アルくんと一緒に魔法学校を出た。


「道具を使わず飛ぶ魔法って、ほうきで飛ぶ魔法より、魔力の消費が激しいよね」


 あたしは飛ぶ魔法について、アルくんに話してみた。


「確かに」

「……何かな? 空を飛んでるあれ」


 あたしは空を飛んでる何かをみつけて、アルくんにそう聞いた。


「……鳥かな?」


 アルくんはそう言ったけど、違うかもしれない。


「……人食い竜かもしれない。逃げよう!」


 あたしはそう言い、アルくんと走って逃げたけど、アルくんが人食い竜に、捕まってしまった。


「アルくん!」


 人食い竜に捕まってるアルくんは、身動きがとれないみたいだし、魔力の消費が激しくなるけど、大きな力が出せる魔法の杖を使う必要がありそう。


「毒魔法」


 あたしは自分のかばんから、魔法の杖を出して使い、毒魔法の攻撃を人食い竜のお腹にあてたけど、平気そうな人食い竜は、アルくんが着てる上半身の服を脱がした。


「うまそうだな」


 人食い竜がアルくんをみながら、そう言った。


「ヒャアッ!」


 人食い竜に上半身を舐められ、アルくんがそんな声を出した。


「上半身の味、うまいな。服が邪魔だ。全部、脱がしてやる」


 人食い竜はそう言って、アルくんがはいてるズボンを脱がそうとする。


「やめて!」

「毒魔法」


 あたしは魔法の杖を使い、毒魔法の攻撃を人食い竜の目にあてた。


「ギャアッ!」


 人食い竜が苦しそうに叫んで、アルくんを放し、落ちそうになったアルくんは、魔法で飛び、急いで服を着ながら、あたしと一緒に人食い竜から逃げていく。


 アルくんと一緒にあたしは人食い竜からかなり逃げ、近くにいないか確認しても人食い竜はいなかった。


「人食い竜から、逃げられたね。アルくんの鞄、返しておくよ」


 あたしはそう言って、持ってたアルくんの鞄を返した。


「レインさん、負担をかけてごめん。おれを助けて、レインさんの鞄もあるのに、おれの鞄も持ってくれてありがとう」

「いいよ。無事みたいで、よかった」


 あたしはアルくんとわかれ、自分の家に帰った。


 朝になり、あたしは黒髪を結い、準備をして自分の家を出て、魔法学校へ歩いていく途中、アルくんをみつけた。


「おはよう」

「おはよう」


 あたしがアルくんに挨拶すると、アルくんはあたしに挨拶した。


「レインさんは、やっぱり優しいよね」

「……どうして?」

「ひとりで逃げず、おれを助けて一緒に逃げてくれた。レインさんが助けてくれなかったら、おれは人食い竜に食べられてた」

「あたしはアルくんが人食い竜に、食べられるのが嫌だっただけだよ」


 アルくんとそんな話をしながら、歩いてると、魔法学校に到着した。


 昼休みになり、あたしはお手洗いを済ませたので、自分の教室にいこうとした。


「嫌!」


 リリーちゃんの声が聞こえて、あたしはリリーちゃんをさがした。


「ちょっと胸を触るだけなら、いいじゃねえか」


 廊下で、髪がピンク色でボブヘアの可愛いリリーちゃんの腕を赤髪で背の高いベンが掴んだまま、そう言ってる姿がみえた。


「何してるの!? やめなさい!」


 大声でベンにそう言った。


「邪魔するなよ」

「リリーちゃんが嫌がってるのに胸、触ろうとしてたよね? あたし、怒ってるからね。クリスくんも怒ると思う」

「クリスが出てくる意味がわからねえよ」

「リリーちゃんとクリスくんは、つき合ってるからだよ」

「……嘘だろ?」

「何してるの?」


 そう聞いたのは、クリスくんだった。


「クリス、リリーとつき合ってるのか?」

「そうだよ。僕のリリーさんを傷つけないで」


 クリスくんがベンをにらみながらそう言うと、ベンはその場から逃げるみたいに去っていった。


「リリーさん、大丈夫?」

「大丈夫だよ。クリスくん、レインちゃん、ありがとう」


 リリーちゃんが大丈夫そうで、よかった。


 今日、一緒に宿題してもいいかアルくんに、聞いてみよう。


「アルくん、今日、あたしが住んでる家かアルくんの家で、一緒に宿題してもいいかな?」

「わかった。一緒に宿題しよう」

「あたしが住んでる家かアルくんの家、どっちで宿題やろうか?」

「じゃあ、おれが住んでる家で宿題するのは、どうかな?」

「わかった。アルくんが住んでる家で、一緒に宿題やろう」


 アルくんが住んでる家にいくのは初めてだし、ちょっと緊張するかもしれない。


 魔法学校から帰る時間になり、あたしはアルくんと一緒に、アルくんが住んでる家へ歩いていった。


「あたし、アルくんが住んでる家にいくのは初めてだし、ちょっと緊張してるんだ」

「レインさんと一緒におれが住んでる家で、宿題するのは初めてだし、おれもちょっと緊張してる。おれが住んでる家に到着だよ」


 アルくんが住んでる家に、到着したらしい。


「鞄に入ってる鍵でドアを開けるから、ちょっと待って」


 そう言ったアルくんが鞄から出した鍵で、ドアを開け、家の中に入ると、いていたくつを脱いだ。


「お邪魔します」


 あたしはそう言って、アルくんの家の中に入り、履いていた靴を脱いだ。


「おれに、ついてきて」


 あたしは、アルくんについていった。


「ここがリビング」


 アルくんからそう聞いて、リビングにきたら、椅子が二脚と大きな机が一脚あった。


「椅子に座っていいよ」


 アルくんがそう言ったので、あたしは椅子に座った。


「あたしの鞄、置こうかな」


 あたしの近くに、鞄を置いた。

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― 新着の感想 ―
レインちゃんは正義感があってすごい大人な感じがしました。次の転回が楽しみですm(__)m
レインちゃんとアルくん気が合ってるね。その後どういう展開があるのか楽しみ!
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