リリーちゃんには彼氏がいる
昼休みに、あたしより背が高くて、茶髪で、細い体をした中性的にみえるアルくんがあたしの近くにきた。
「レインさん、リリーさんと仲がいいし、リリーさんの好きなタイプとか、わからないかな?」
「……アルくん、リリーちゃんが好きなの?」
「……うん」
リリーちゃん、モテモテだな。
「……リリーちゃんには彼氏がいるよ」
「そうなの!? リリーさんの彼氏って、誰!?」
アルくんが驚いた様子で、聞いた。
「……知らなかったんだね。クリスくんだよ」
「……クリスくん、おれより背が高くて、優秀でイケメンだしな。おれよりもリリーさんに相応しいよ。でも、ショックだな。立ち直れるかわからない」
アルくんは、落ち込んでるみたいだ。
「話を聞こうか? あたしも失恋したからね」
「そうなの? レインさん、好きな人に振られたの?」
「……直接、振られてはいない。あたしは、クリスくんが好きだったんだけど、リリーちゃんがいるからね」
「クリスくん、モテモテだな。やっぱり、ショック受けてるの?」
「……リリーちゃんが羨ましくも感じるけど、クリスくん、リリーちゃんとつき合ってて幸せそうなの。だから、ショックよりも幸せそうでよかったって、気持ちが大きい感じだよ」
「レインさんは、メンタルが強くて優しいな」
「……そうかな? アルくんがそう言ってくれるのは、嬉しいけど、あたしは、あんまり強さも優しさも無いと思う。あたしに強さと優しさがあったら、今より魅力的な気がする」
「おれはレインさんみたいに、強さも優しさも無いから、落ち込んだままだよ。レインさんなら、他にいい人とつき合えるよ」
アルくんがそう言ってくれて、あたしはちょっと元気になれた。
「アルくん、優しいね。ありがとう。アルくんだって、他にいい人とつき合えるよ」
「レインさんと話してたら、ちょっと元気になれた気がする。ありがとう。レインさんとまた、話したい」
「いいよ。アルくんがちょっとでも元気になれたなら、よかったよ。あたしもアルくんとまた、話したい。だから、今日、一緒に帰れないかな?」
「いいよ。一緒に帰ろう」
「じゃあ、また話そうね」
「うん」
アルくんと話せて、よかったな。
道具を使わず飛ぶ魔法の授業をする時間になった。
「先生が飛ぶから、よくみるんだぞ」
男らしい体をした先生がそう言って、飛んだ。
「お前らも飛んでみろ」
先生がそう言った後、一番最初に、優秀な銀髪のクリスくんが飛んでから、みんなが次々と飛んだ。
「飛べた」
あたしもやっと、飛べた。
帰る時間になり、あたしは、アルくんと一緒に魔法学校を出た。
「道具を使わず飛ぶ魔法って、ほうきで飛ぶ魔法より、魔力の消費が激しいよね」
あたしは飛ぶ魔法について、アルくんに話してみた。
「確かに」
「……何かな? 空を飛んでるあれ」
あたしは空を飛んでる何かをみつけて、アルくんにそう聞いた。
「……鳥かな?」
アルくんはそう言ったけど、違うかもしれない。
「……人食い竜かもしれない。逃げよう!」
あたしはそう言い、アルくんと走って逃げたけど、アルくんが人食い竜に、捕まってしまった。
「アルくん!」
人食い竜に捕まってるアルくんは、身動きがとれないみたいだし、魔力の消費が激しくなるけど、大きな力が出せる魔法の杖を使う必要がありそう。
「毒魔法」
あたしは自分の鞄から、魔法の杖を出して使い、毒魔法の攻撃を人食い竜のお腹にあてたけど、平気そうな人食い竜は、アルくんが着てる上半身の服を脱がした。
「うまそうだな」
人食い竜がアルくんをみながら、そう言った。
「ヒャアッ!」
人食い竜に上半身を舐められ、アルくんがそんな声を出した。
「上半身の味、うまいな。服が邪魔だ。全部、脱がしてやる」
人食い竜はそう言って、アルくんがはいてるズボンを脱がそうとする。
「やめて!」
「毒魔法」
あたしは魔法の杖を使い、毒魔法の攻撃を人食い竜の目にあてた。
「ギャアッ!」
人食い竜が苦しそうに叫んで、アルくんを放し、落ちそうになったアルくんは、魔法で飛び、急いで服を着ながら、あたしと一緒に人食い竜から逃げていく。
アルくんと一緒にあたしは人食い竜からかなり逃げ、近くにいないか確認しても人食い竜はいなかった。
「人食い竜から、逃げられたね。アルくんの鞄、返しておくよ」
あたしはそう言って、持ってたアルくんの鞄を返した。
「レインさん、負担をかけてごめん。おれを助けて、レインさんの鞄もあるのに、おれの鞄も持ってくれてありがとう」
「いいよ。無事みたいで、よかった」
あたしはアルくんとわかれ、自分の家に帰った。
朝になり、あたしは黒髪を結い、準備をして自分の家を出て、魔法学校へ歩いていく途中、アルくんをみつけた。
「おはよう」
「おはよう」
あたしがアルくんに挨拶すると、アルくんはあたしに挨拶した。
「レインさんは、やっぱり優しいよね」
「……どうして?」
「ひとりで逃げず、おれを助けて一緒に逃げてくれた。レインさんが助けてくれなかったら、おれは人食い竜に食べられてた」
「あたしはアルくんが人食い竜に、食べられるのが嫌だっただけだよ」
アルくんとそんな話をしながら、歩いてると、魔法学校に到着した。
昼休みになり、あたしはお手洗いを済ませたので、自分の教室にいこうとした。
「嫌!」
リリーちゃんの声が聞こえて、あたしはリリーちゃんをさがした。
「ちょっと胸を触るだけなら、いいじゃねえか」
廊下で、髪がピンク色でボブヘアの可愛いリリーちゃんの腕を赤髪で背の高いベンが掴んだまま、そう言ってる姿がみえた。
「何してるの!? やめなさい!」
大声でベンにそう言った。
「邪魔するなよ」
「リリーちゃんが嫌がってるのに胸、触ろうとしてたよね? あたし、怒ってるからね。クリスくんも怒ると思う」
「クリスが出てくる意味がわからねえよ」
「リリーちゃんとクリスくんは、つき合ってるからだよ」
「……嘘だろ?」
「何してるの?」
そう聞いたのは、クリスくんだった。
「クリス、リリーとつき合ってるのか?」
「そうだよ。僕のリリーさんを傷つけないで」
クリスくんがベンを睨みながらそう言うと、ベンはその場から逃げるみたいに去っていった。
「リリーさん、大丈夫?」
「大丈夫だよ。クリスくん、レインちゃん、ありがとう」
リリーちゃんが大丈夫そうで、よかった。
今日、一緒に宿題してもいいかアルくんに、聞いてみよう。
「アルくん、今日、あたしが住んでる家かアルくんの家で、一緒に宿題してもいいかな?」
「わかった。一緒に宿題しよう」
「あたしが住んでる家かアルくんの家、どっちで宿題やろうか?」
「じゃあ、おれが住んでる家で宿題するのは、どうかな?」
「わかった。アルくんが住んでる家で、一緒に宿題やろう」
アルくんが住んでる家にいくのは初めてだし、ちょっと緊張するかもしれない。
魔法学校から帰る時間になり、あたしはアルくんと一緒に、アルくんが住んでる家へ歩いていった。
「あたし、アルくんが住んでる家にいくのは初めてだし、ちょっと緊張してるんだ」
「レインさんと一緒におれが住んでる家で、宿題するのは初めてだし、おれもちょっと緊張してる。おれが住んでる家に到着だよ」
アルくんが住んでる家に、到着したらしい。
「鞄に入ってる鍵でドアを開けるから、ちょっと待って」
そう言ったアルくんが鞄から出した鍵で、ドアを開け、家の中に入ると、履いていた靴を脱いだ。
「お邪魔します」
あたしはそう言って、アルくんの家の中に入り、履いていた靴を脱いだ。
「おれに、ついてきて」
あたしは、アルくんについていった。
「ここがリビング」
アルくんからそう聞いて、リビングにきたら、椅子が二脚と大きな机が一脚あった。
「椅子に座っていいよ」
アルくんがそう言ったので、あたしは椅子に座った。
「あたしの鞄、置こうかな」
あたしの近くに、鞄を置いた。




