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織機作り(2)

織機の開発を開始した。


織機の発展は歴史に大きな影響を与えている重要な発明品だ。


イギリスの産業革命は言うに及ばず、豊田自動織機でのG型自動織機の大成功がなければトヨタ自動車は生まれず、日本の産業は俺の知っているものから大きくかけ離れたものになっていただろう。


俺が元いた時代、トヨタ自動車は時価総額1位だった。

旧来からの産業である自動車会社がいまだに1位というのは時代遅れな感もあるが、俺はトヨタ動車があって良かったと本気で思っている。


デジタル化の波に乗り遅れ、有力ベンチャーもほとんど生まれず、人口がどんどん減り続けており、高齢者の割合が増えて社会保障費が急増し、その捻出のために増税が繰り返され、大学や若者という未来へ投資が縮小され、もはや衰退するしかないと思われる日本において、旧来の産業ながら多くの雇用を守り、ものづくりという日本人の心の支えを守り、そして新しい時代に向けて変わろうとしているトヨタ自動車は俺にとって希望だった。


トヨタ自動車がなければ、日本の衰退はより早まっていたのではないかとすら、俺は考えている。


まぁ、これは個人的な見解なので異論は認める。


言いたいことは、織機の開発はその後の歴史へ大きな影響を与えるということだ。

なんとやりがいのある仕事だろうか。



さて、少しばかり熱くなってしまったが、気を取り直して、自分の担当箇所を地道に作り始める。


まずは、1つ目の縦糸を送り出す部分だ。

これは縦糸を巻いたローラーで、縦糸に張力を与える機構と、縦糸を等間隔に整列させた状態で固定する方法を備えている。


張力を与える方法は、おもりを使うことにした。

木を加工して円筒状のローラーを作り、その両端の外周に溝を掘った。

溝の一番深い部分から反対側まで穴を空け、そこに紐を通して固定してから、紐の両端におもりを固定した。


使い方は簡単で、紐を溝に巻いておもりをぶら下げておけば、おもりが下がろうとしてローラーが回転する仕組みだ。


作業が進む毎におもりを移動させる必要はあるが、紐を長くしておけば数時間は持つだろう。



続いて、縦糸を固定する部分を作る。

この部分、意外に苦労した。


糸の固定方法を考えるとき、このローラーのことだけを考えたのではダメだ。

織機全体の準備工程を考慮しなければならない。


縦糸をセッティングするとき、最初にどこに固定し、どこを通して、最終的にどこへ至るのか。

全部考えておく必要がある。

これは、全体設計を担当している俺の領分だ。


検討の末、縦糸は細い木板に穴を開け、そこに固定することにした。

糸と糸の間隔は3mm。

3mm毎に1列に1mmの穴を開けると強度が不足するので、2列に6mm毎に穴を開けた。

1列目と2列目は3mmズラした、いわゆる千鳥配置にしている。


糸を固定するときは、この穴に糸を通して、結び目を作ることで固定する。


糸を全部固定したら、木板をローラーに固定するという流れだ。


うん、まぁ、こんなものだろう。


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