成果
翌日、俺は日が昇る前に目を覚まし、罠を見に行った。
一晩で獲物が得られると期待していたわけではないが、なんとなく気になってしまったのだ。
はたして、落とし穴の中には猪が入っていた。
「おう、ラッキーだな。」
たった1個の罠で、それも一晩で捕れるとは思っていなかった。
猪は穴の中で暴れまわったらしく泥だらけだったが、穴からは抜け出していない。
壁を斜めにした工夫が活きているようだ。
俺は一度村に戻りリーダーに助力を求めた。
その後、狩り部隊全員で罠のところまで行き、とどめを刺して、穴から引き揚げた。
落とし穴から引き上げるのは重労働だったが、8人の力を合わせて何とかなった。
引き上げた猪はその場で解体し、部位ごと分担して村に持ち帰った。
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その日、村は真昼間から大宴会だった。
肉が捕れたから宴会というのは少々大げさな気もしたが、実に数か月ぶりの肉というから、宴会を開きたい気持ちもわからなくはない。
宴会では今日捕った猪の肉を中心に少量ながら酒も振舞われた。
蜂蜜を使ったお酒のようで、甘い良い香りがした。
宴会中、リーダーはしきりに俺のことをほめたたえてくれた。
曰く、今回の成果は俺のおかげだと、こそばゆく感じるくらいに持ち上げてくれた。
実際は皆の協力なしにはできなかったことだが、感謝されるというのはなんとも心地よい。
俺としてはリーダーに対する恩義を少しでも返せたようで、ほっとした。
リーダー以外の村人も俺のことをほめちぎってくれた。
新参者の俺を本当の仲間と認めてくれた瞬間かもしれない。
今回の件で、俺はこの村での役割と強みが分かった気がする。
俺の強みは、知識だ。
特殊能力が何もなくても、元の時代の知識を持っているのはかなりのアドバンテージだ。
チートと言っても良いくらいだ。
これからの3千年分の歴史、科学、物理、数学、学校の勉強は得意だったから結構頭に入ってる。
そして、俺は技術者だ。
この時代にはない知識を活用して、便利な道具や制度を作り出すことで、かなり役立てる気がする。
「役に立つものをたくさん作って、生活の質を向上させよう!」
そしていつか、ノンストレスなスローライフを手に入れるのだ。
「さあ、明日からもバリバリ働くぞ!」
俺に目標ができた。




