溶鉱炉と鋳物
耐火煉瓦ができたので、溶鉱炉を作る
溶鉱炉の作り方は、、、全く分からない。
今まで扱ったことすらないのだから当然だ。
元の時代でも、簡単に入手することはできない。
だが、理想のイメージはある。
耐火レンガで作った器に鉄の素材を入れて、器ごと過熱するイメージだ。
この形なら、鉄を溶かした後にそのまま型に流し込めるので便利だ。
完成形のイメージを絵に描き、テツと認識を共有すると早速作り始めた。
炉の形状はシンプルな四角形。
内寸は40cm×40cm、高さは1m程。
一番下には火を入れるための口と、動力鞴との接続口がある。
耐火セメントが無いので、セメント無しでも炉が自立するよう、レンガを縦横組み合わせて製作した。
断熱性能が大切なので、炉の壁は厚い。
耐火レンガの長手寸法の1.5倍、約30cmだ。
隙間があると風や熱が逃げるので、焼成する前の耐火レンガの材料で埋めた。
炉に火を入れればレンガと同じになるだろうという考えだ。
耐火レンガの数をそろえるのは時間がかかったが、組み合わせて炉を作るのは1日で終わった。
早速試してみる。
まず、炉の底に着火用の乾燥した木の枝と木炭を敷き詰める。
木の枝に火をつけ、動力鞴から風を送ると、すぐに木炭に火が行き渡った。
火が行き渡ったのを確認した後、耐火レンガと同じ材料で作った器に鉄の素材を入れて、炉の上から入れる。
器は鉄製のトングで持って入れた。
木炭の上に置くと安定しないので、半ば木炭に埋めるような形で入れた。
この辺り、器の保持方法は工夫の余地がありそうだ。
木炭が崩れ落ちて器が傾くと、中身がこぼれてしまう。
1時間程火力を維持した後、動力鞴を止めて炉の上から覗いてみた。
動力鞴を動かしていると、炉の上からは熱風と炎が勢いよく出続けるので、そのまま覗くと普通に死んでしまう。
過熱しながら中の様子が見えないのもこの炉の欠点だな。
いずれ改良しよう。
器の中の鉄は、どうやら溶けているように見えるので、器をトングで掴んで取り出してみた。
鉄が液体状になっている。
成功だ。
グルグルと器をゆすってかき混ぜた後、用意していた砂型に流し込んでみた。
砂型は細かい砂と粘土を混ぜて木枠に入れた物だ。
その中央部分には、釣り針を押し付けて作ったくぼみができている。
そこへ溶かした鉄を流し込んだ。
型は3つ準備したが、全て釣り針の形状だ。
しばらく冷やした後取り出して余分なバリを除去すると、釣り針の形状になっている。
更にバリを取って磨き上げれば、釣り針として使えるだろう。
鉄工器具の量産に目途がついた瞬間だった。




