塩の作り方
刺身を食べた後、まだ時間があったので塩の製作現場を見せてもらった。
塩はカツ村でも作っているが、方法が海水を土器で煮詰めて水分を飛ばすという原始的なもので非常に効率が悪いので、なにか参考になる部分があれば取り入れたい。
カツ村での製塩作業には大きな課題が二つある。
1つ目は薪を大量に消費すること、2つ目は土器が使い捨てになることだ。
特に土器の方が問題だ。
製塩では海水の水分がなくなるまで火にかけるせいか、結構な確率で土器がひび割れてしまう。
運よく割れなかったものも、いつ割れるかわからないので次からは使えない。
よって事実上使い捨てになってしまうのだ。
土器は作るのに手間がかかるので、かなりもったいない。
ヤメ村の製塩所は村から少し離れた海岸近くにあった。
海水が原料なので当然だ。
ヤメ村での製塩方法は、基本的にはカツ村と同じ考え方だが違いもある。
まず、製塩の工程が大きく2工程に分かれていた。
1つ目の工程では、海水を平べったい底の浅い土器にいれ、日当たりのよい海岸に放置している。
太陽の熱で水分を蒸発させ、少しでも塩分濃度を上げようというのだろう。
カツ村では無い工程だ。
この工程の分だけ、薪の消費量は少なくて済む。
ちなみに、こうやって塩分濃度を上げた海水のことを「かん水」と呼ぶ。
2つ目の工程では、専用の土器にかん水を移して火にかけ、水分を蒸発させている。
水分を蒸発させて、残ったものが塩だ。
作業場では、たくさんの小型の土器が並べられ、火にかけられていた。
案内してくれた担当者によると、土器が小さいほうが熱が通りやすく早く水分が蒸発するという。
薪の消費量を減らす工夫になっているようだ。
土器の淵の部分は内側に丸められている。
吹きこぼれにくくするための工夫らしい。
この小型の土器は大量にストックしてあるという。
やはり土器は割れる前提ということだ。
このあたり、鉄製の鍋を拵えれば解決しそうだが、まだまだ鉄は生産量が少なく貴重なので、これだけの土器を鉄なべに置き換えることはできない。
まだ時期ではないという事だ。
ヤメ村の製塩方法は、大量に生産しているだけあって効率化が図られていた。
根本的な課題解決には至ってないが、カツ村より明らかに進んでいる。
この進んだ方法をカツ村に取り入れるのも良いが、かん水を作る作業も、水分を蒸発させて塩を取り出す作業も、ある程度の生産量がないと結局効率が悪そうだ。
なので、製塩はヤメ村に任せて物々交換で手に入れることにしよう。
ヤメ村にはカツ村にはない物がたくさんあるので、交易はメリットが大きそうだ。




