作戦
どうすればリーダーの役に立てるか、作戦を練らなければならない。
何で役立つのが良いかと言えば、まずは食料調達だろう。
村の喫緊の課題だ。
先日長老が言っていたように、村ではここ何日も狩りの成果がない。
木の実や野菜だけで食いつないでいる状況だ。
木の実や野菜でも腹は膨れるが、栄養バランスが悪いと病気にかかりやすくなる懸念がある。
先日長老も心配いていた。
栄養バランスなんて概念はこの時代にはないだろうが、いろいろな物を食べないと健康が維持できないことは経験的に知っているのかもしれない。
このまま何も考えずに狩りのメンバーとして頑張るのもいいが、それでは突出した活躍が期待できないのは明らかだ。
なんといっても、俺は他の男連中に比べて体力も俊敏さも劣っている。
「なにか工夫が必要だな。」
道具を進化させるのはどうだろうか?
例えば、強力な弓矢を自作することが考えられる。
この時代にも弓矢はあるが、小型で威力が低く、飛距離も短い。
しっかり力を入れて突ける分だけ、槍の方がマシだろう。
弓は木の枝を切って弦を掛けただけの単純な構造をしている。
これを和弓のように大きくしたり、いろいろな材料を組み合わせてることで威力を増せるはずだ。
木の枝だけではなく、竹や動物の骨をうまく組み合わせれば威力が増すだろう。
複数の材料で作られた弓は、たしかコンポジットボウとか呼ばれていたはずだ。
ゲームなどでたびたび見かけた。
実際の歴史でも登場し、モンゴル帝国の拡大にも貢献したとかなんとか聞いたことがある。
弓矢を強化することは良いアイディアに思えたが、これでは問題は解決しない可能性があった。
「そもそも獲物が見つけられないんだよな。」
そう、狩りで獲物を得られないのは、見つけた獲物を捕らえられないのではなく、そもそも獲物を
見つけられないのだ。
いかにも動物がたくさんいそうな森なのに、全く出会えない。
既に狩りつくしてしまったのだろうか。
獲物に出会えないのでは、いくら良い道具を作ったところで役には立たない。
何か別のアイディアが必要だ。
「そうだ、罠を作るのはどうだろうか?」
簡単なところでは落とし穴がある。
罠は一度作ってしまえば常に獲物を得られる可能性があるのが利点だ。
狩りは昼間しか行けないが、大抵の動物は夜行性だ。
罠ならば夜行性の動物が獲れる可能性もある。
穴の形を工夫して、一度落ちたら這いあがれないようにしよう。
下に行くほど広く、上に行くほど狭くなるような形状にすれば、一度落ちた獲物は出られないはずだ。
これはとても良いアイディアに思えた。
早速、明日、リーダーに提案してみよう。




