水車計画
長さと重さの基準を作るのに夢中になってしまったが、水車作りを再開する。
計画では直径2mの水車を作る予定だが、まずは10分の1サイズの模型を作った。
ひたすら木を削って試行錯誤するのは、大変だが楽しい。
数日夢中になって作業していたら、何となく形になった。
作った模型を川に持って行って実験してみる。
羽根の角度や枚数を何度か変えて、いい感じに回る条件を導き出した。
だが課題も見えた。
川の水深が足りないのだ。
水車がいい感じに回転するには、動輪の4分の1くらいを川に浸ける必要があるので最低でも50cmの水深が必要だ。
水車が川底に擦らないように、70cmくらいは確保しておきたい。
だが、川の水深は一番深いところでも40cmくらいだ。
川を掘って水深を確保する必要がある。
更に、水車の土台となる部分と川底には大き目な石を敷き詰めて土台を固める必要がある。
土のままだと川の水に侵食されてすぐに崩れてしまうからだ。
大がかりな土木工事が必要だ。
「結構大変だな。」
村人総出の作業になるので、長老とリーダーに話を通しておく必要がある。
長老ならきっと賛成してくれるだろう。
ところが、いつもなら新しい取り組みを歓迎する長老が、今回はめずらしく乗り気ではない。
どうやら自然に手を入れることに不安を感じているようだ。
今まで、食料や動物などを自然から頂くことはあっても、自然を変えてしまうようなことはなかったから、そのあたりが不安なようだ。
まあ、気持ちは分からなくもない。
川に手を加え影響がないとは俺も言えない。
川への影響を最小限にすべく色々検討した結果、川を分岐させて水路を作ることにした。
分岐させて作った水路に水車を設置し、その後また川に合流させる。
こうすれば川自体には手を入れなくて済む、という考えだ。
作業量としては増えてしまうが、これはこれでメリットがある。
分岐点に堰を作れば、支流に流す水量をコントロールできるのだ。
水車を使わない場合はもちろん、雨で川が増水した場合に水路に流す水を止めれば、水車へのダメージを避けられる。
元時代でも、水車を使わない時期は水の流れを変えているのを見たことがある。
大変な工事になるが、長期間使うための初期投資だ。
妥当な計画に落ち着いたと言えるだろう。




