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ボクのレイヤー活動記  作者: 神崎馨
11/13

校門で

約束の日、今日に限ってHRが長かった。馨は急いで校門へ向かう。

噂が流れてから数ヶ月が経過し、途中夏休みも挟んだが、すれ違う生徒の視線は冷たい。

もぉほっといてくれよと馨は思う。


靴に履き替え、門へ目を向けると人集りが出来ていた。

何だろっと思いつつ人集りへ近づくと、他校の制服で背の高いイケメン、滝が立っていた。

西校の女子生徒と会話しており、こちらから声がかけづらい。


「あ、あの!彼女さんとか待ってるんですか?」

ちょっと目立つ、恐らく2年生?の女子生徒が滝に質問していた。

「いや、友達待ち」

素っ気なく答え、興味のカケラも思わせない態度に周りは困惑する

「そ、そうなんですね!あの、お名前を聞いても良いですか?」

めげない女子生徒は質問を続ける

「若宮。」

一言。目も合わせない。

「若宮くん!素敵な名前ですね!」

名前を知り、周りの女子生徒から黄色い声が出てくる。

彼女いるのかなー。ちょっと連絡先聞いてみなさいよ。

など、滝のテンションとは正反対な生徒達。


すると、滝と視線が合う。

滝は手を上げ、馨を呼ぶと、周りが騒然とする。

誰?え、あれ噂の奴?

は、なんであんな奴と?


「馨、いたなら声かけろよ。」 

「いや。何だかかけづらくてね。ごめん待った?」

「さっき来たとこ。さ行くぞ。」

「うん」


ここには用はないとばかりに、周りを気にせず滝は馨と校門を出る。

すると先程まで相手にされてなかった女子生徒が声を上げる


なんでそんな奴と友達なんですか!?


その声を聞き、滝が振り向く。

「そんな奴?」

声のトーンが先ほどより下がり、不機嫌になる。隣の馨を見ると、顔を伏せ、少し震えていた。

「あなたの様な素敵な方が、こんな強姦魔の友達なんてふさわしくありません!即刻離れるべきです!」

まくしたてる様に話す生徒達。滝は不快感わ露わにする。


「初対面の君が、俺の何を知って素敵と言っているか意味不明なのは置いといて、馨の事を何も知らない君達と話す事は何もない。強姦魔?それは確固たる証拠があっての事かな?もしくは言いふらしている片方だけの証言かな?」


口調を強め、冷たい目で見下しながら滝ははなす。

うっ、っと女子生徒は言葉につまり、しゃべらなくなる。

「滝。もおいいよ。」

馨は絞り出すように言う。

良くない。こんな事を言われて悔しくないのか!


しんと鎮まりかえった校門を2人は後にした。


ーーーーーーーーーーーーーー

2人は会話もなく歩く。

馨は滝に噂を知られてしまった事への恐怖と、怒ってくれて、それでも一緒にいてくれる事への嬉しさで、心がざわついていた。


「何も聞かないの?」

不安な顔で滝に問いかける。

「俺はお前の事をまだあまり知らない。でも、あの事は信じるに対しない事なのは分かる。聞いて欲しいのか?」


「ありがとう。」

ありがとう。信じてくれて。

「僕ね、入学してそうそうに先輩から告白されてね。舞い上がって付き合ったの。」

ぽつ、ぽつと馨は話しはじめた。

滝は静かにそれに耳を傾けた。

「付き合って2ヶ月だったかな?特にこれと言った恋人の様な事はしてなくてね。

そしたら先輩から、つまらない。他の人と遊びたい。真面目すぎって言われて別れたの。」


「自分から告白しといて他の人と遊びたいってどんなだよ」

おかしくないか?

「うん。何の目的で付き合ったかは分からない。でも別れて先輩が幸せならそれでいっかな?って思ったの」

お前はどんなお人好しだよ。滝はボソッと呟いた。

ごもっとも。本来なら粘るなり貶すなり何かリアクションすべきだったのかもしれない。

「おかしくなったのはその次の日。学校へ行くと僕が先輩に襲いかかり、動画で脅したって事になってた。」


「は?何それ?デマにも程があるじゃん。言い返さなかったのか?」

なんだそれは。

滝は怒りが込み上げる。

「言い返したさ。でも誰も信じてくれない。先生すらね。そんなのが夏休みまで続いて僕は帰宅部になり、クラスで孤立し、現実から逃げ出す様にアニメやラノベにハマって今って事」

あぁ、言っちゃった。

馨は泣きそうになる。悔しいに決まっている?誰からも信じてもらえず、でも両親に心配させまいと何事もない様に振る舞い、また学校へ。


「話してくれてありがとな。だが俺は馨の友達なのはこれからも変わらない」

余計な心配すんなよ?っと滝は言ってくれた。


「ほんと、ありがとう」

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