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第五十一話 森の神殿

ここから新章です!


森の神殿攻略編!

( ̄Д ̄)ノ

第五十一話 森の神殿



「あれが森の神殿とそのキャンプか」


『そうです☆ 既に百組近いパーティが入り込んでいますよ!』


 小高い丘の上──森の切れ間からサトウとアルマはその様子を伺っている。


 だが目の前に広がるそれは、とてもキャンプなどと呼べるレベルでは無かった。


「まるで砦だな」


 元々モンスターの多い場所であり、魔境にも接している為、警戒は厳重を極めている。


 周囲には簡易とは言え高い鉄柵が据えられており、魔法による結界が施されている。そして警備の冒険者も多数を配備されていた。恐ろしく費用が掛かっているのは間違い無い。


 だが、それはつまりそれに見合うだけの報酬が有ると言う事でもある。

 恐ろしく危険度も高いが、一攫千金も狙える大魔宮として大陸全土から腕に自信のある冒険者が集まってくる上に

「さらにギルドが依頼を掛ければ、それは人も集まるじゃろうの」

 オウングスの言う通り、その上森の神殿で見つかる【翡翠】の依頼が出た所為で、このキャンプは半ば恐慌状態となっている。


 そして、俺達もその中に飛び込む事になる。


「で、アルマ、このキャンプはどんな感じなんだ?」


『はい、先行している三人は既にキャンプインしています。商業ギルドが用意している仮設テントに入り込んでサトウを待ってますね』


「……アサシンギルドは入り込んでるのか?」


『その確認はやはり不可能でした。アサシンギルドのメンバーは犯罪を犯しても見付かった訳では無いので、手配されていませんから、身分を偽っても確かめる術は有りません』


「……ただ、基本的に不干渉なので事を荒立てるのは避ける可能性が高いって事だったよな?」


『はい、一応はアサシンギルドへの依頼の要件、姫巫女の暗殺は失敗しましたが、燃え盛る炎の中で行方不明になれば、少なくとも敵国の手に落ちる事は無いんですから』


「そうじゃな。そして奪い去った男が見事に姫巫女と五人の従者を、まるで助け出したかの如く連れ去り、それを見事に喧伝して回ったんじゃから、この先迂闊に姫巫女を暗殺するのは難しいじゃろうの」


 とは言え、迷宮の中でなら分から無い。何故なら森の神殿は大魔宮なのだ。幾らでも死人はでるのだから。そこまでは冒険者ギルドも手は出せない。


「……なら迷宮の中で人知れず後ろから狙われるって事なんだな?」


「そうじゃの、それが一番当たり障り無いじゃろうて」


 話がややこしくなら無い様に全員で乗り込むのはやめた方が良いだろうな。


「では皆に準備させろ」


「分かった。では振り分けは主様の言う通りするからの」


 そう言ってオウングスは影の中から現れるとそのまま森の中にあるマジックテントに向かった。


『何気にオウングスさんは大番頭的ポジションに馴染んじゃってますね〜まあ、恐らく一番の年長者ですからね☆』


「まあな、スキルも秀逸だしな」


 オウングスの操る影術、闇術、霧術は情報戦に大変有利なのは間違い無い。


「で、アルマ、【魂の器5/100】の続報はどうなった?」


『はい、どうやら世界中に拡散しているのだと思われますね☆ そして、魔石と同じくモンスターに吸収されている様です。この森の神殿にも確認は出来ましたよ〜』


 サトウはジッと森の神殿を見ながら、アルマに命じる。


「よし、ではこの神殿で【魂の雫】と【魂の欠片】の回収を目指す」


『それは良いのですが、この森の神殿が地下百階層にも及ぶ大魔宮なのはご存知なのですよね?』


「!!! そうだったっけ! それやばいな!」


 いや、それ以前にサトウは迷宮など潜った事すら無い。初めてでこの大陸でも最難関の迷宮に挑もうとしているのだ。

 しかもアサシンギルドに神殿騎士団まで敵に回してである。

 だが、サトウは何も気にしてはい無い。それは見栄でも虚飾でも無かった。【災禍の渦】を持つ事を知ってから、サトウは何も考え無いかの様に振る舞うのが常だ。良かろうが悪かろうが先ずは受け入れる。それがサトウのポリシーになっていた。

 そして先ず行動する。

 アルマは呆れながらも、それでも此処まで生き残って来たサトウの意思を尊重する事にした。


『……【災禍の渦】が好き勝手に振る舞うと必ず何かが起こる。それだけで十分過ぎますからね』


「それ褒めてんのかよ?」


『いえ、けなしてます』


「よし、表に出ろ! その喧嘩買うからな」


『ええっ! 受けて立ちますよ!』

「お主らやめんか! 全く何を子供のような」


「おおっ! 準備は出来たのか?」


「あれ程命じておいて何を言うか!」


 其処には

 奴隷オークションよりもさらに扇情的な衣装に身を包んだ五人の従者達がいた。

 皆顔を真っ赤に染めているが、これしか潜り込む方法が無いと言われれば逆らう事は出来ない。

 当然ゼシカはサトウ専属のご奉仕メイドである。

 そして姫騎士エアリスがその穴を埋めていた。


「まあ、仕方無いじゃろうの。あの五人がキャンプに潜り込むのはそれ位しか無いじゃろうて」


 そう、そのまま冒険者ギルドに入るのは悪目立ちし過ぎる。あの五人をサトウは娼婦として潜り込ませる事にしたのだ。

 そして自らは奴隷の主人として乗り込む。これなら冒険者ギルドに登録していなくても潜り込む事が出来る。

 既に奴隷契約もオウングスの手により書き換え済みだった。

 姫巫女はジル、クリスと供に従者として入り込む事にしている。そして冒険者として登録してしまうつもりだった。その方が安全だの判断しての事である。


(姫巫女である真奈美と預言者オウングスのスキルは必ずこの森の神殿攻略の鍵になる。それなら冒険者ギルドも余計な手出しをさせる事は無いだろう)


「まあ、驚くとは思うけどな」

「ありがた迷惑じゃろうて」


 そう、二人のスキルは必ず役に立つ。

 サトウはそう確信していた。



「あの〜、本当にこれで良いの?」

「うん、あたし達は別に構わ無いんだけど」


 普段と変わら無いジルとクリス、それと真奈美は疑いの眼でサトウを見ていた。

 その眼には「本当にこんな必要があるの?」と疑念が渦巻いている。


 実際には必要無いのかも知れないが、それがサトウなのだろうか、何故か根拠の無い自信に溢れている所為で誰も反論出来ないでいた。

 皆、諦めた顔でサトウのいやらしい視線に晒されている。


「よし! では行こうか!」


 本来なら見つからぬ様に隠れて入り込むのだろうが、サトウはそんな奴では無かった。

 ワザと目立つ部分と目立たないよう配慮する部分を創り出しているのだが、それを理解出来る者は少ないのだろう。

 ただ、真奈美だけは違う。

 さも当たり前の様に冒険者の装備を身に付け、ジルとクリスにしきりと迷宮に関して質問を繰り返している。


 真奈美は理解している。

 神の側に寄り添う姫巫女の役割を。

 そしてこの森の神殿とそこに眠る【翡翠】の意味を。


 そしてこの森の神殿において、真奈美、オウングスそしてエアリスにはなすべき事がある。


 その全てを飲み込み、サトウは混乱している森の神殿仮設キャンプに乗り込んで行く。

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