純潔なのになんで!?こんなハズじゃ…
美朱が働き始めてから数週間後。リリードラッグに妊娠検査薬を買いに来た若いカップル。「たーくん。妊娠検査薬で調べて赤ちゃん出来てればいいよねぇ。いっぱいセックスしてるし命中したかな。1日5回だもん(笑)」
「ダメだったらまたヤレばよくね?」
「たぁくんに赤ちゃん産んであげるの。幸せにしたいんだぁぁ」美朱は妊娠検査薬をレジで打ちカップルを見送った。(赤ちゃんか…そうだよね。産んであげなきゃダメなのにね。私はやっぱり璃音さんを幸せにできないのよ私は…)美朱は滴り落ちる涙を拭おうとした時…。璃音が美朱の涙を拭った。
「璃音さんなんでいるの?仕事は?」
「仕事の現場が美朱の働いている店の近くなんだよ。俺の仕事の使命は美朱を守る事なんだよ。美朱が働き始まった日から心配でずっと近くで仕事してたんだ」
「璃音さんごめ…」
「ごめんなんて言わないで。1番聞きたくない言葉だよ。美朱は笑顔でいてよ」
「分かったあり…」美朱は気を失い病院へ運ばれた。(美朱に何事も無くあって欲しい。)璃音が祈っていると医師から呼ばれた。
「星緒さん実は奥様は…」璃音は足下から崩れた。「本当ですか?そんな事があるのかよ」
診察が終わり美朱は涙を浮かべて出て来た。
「璃音さん私のお腹に赤ちゃんがいるみたいなの。何で妊娠したか分からないけど赤ちゃんが出来てますって言われたのよ」
「美朱無事でよかった。かなり心配したんだよ…」
「璃音さんとキスもしてないのに赤ちゃんができたなんて…妊娠4か月!璃音さん嬉しくないの?やっと璃音さんを幸せに出来るわ」
「嬉しいさ。当たり前だろ!だけど美朱の事が本当に心配だったんだ。本当に何事も無くて良かった」2人のやり取りを聞いていた妊婦の女性が美朱の事を小馬鹿にするような目つきで見ていた。(あざとい女ね。しおらしく振る舞ってさ。あんな女に限って男のカラダにガツンガツン跨がるのよね。ずっと控えてたセックスだけど。あーヤリたい。予期せぬ妊娠だったからセックスおあずけ…」
璃音と美朱は奇跡の命を授かり幸せに満ち溢れていた。2人は病院を後にし御石神社へ車で向かった。境内でお礼の参拝をし、森の精霊達にもお礼を言った。「私達を見守り頂きありがとうございます。赤ちゃんを授かりました」璃音と美朱は深々と頭を下げ感謝を伝えた。
「ねぇ璃音さん…キスもしてないのに何で赤ちゃん出来たんだろう?他に赤ちゃん出来る方法ってあるの?」窓辺に人影を感じ璃音が窓を開けると星空の彼方からゼウスがこちらを見つめ頷づいた。
「美朱…。俺達は誕生する前から互いを愛し現世に舞い降りた。互いに険しい道のりだったがまたこの世で再会し1つのヒカリになった。美朱のお腹にいる命は神様からの愛の贈り物なんだよ」
「そうなんだね!神様ありがとう!」結婚式にゼウスから贈られたアルテミスの純白の薔薇エディブルフラワーを璃音から唇に運ばれて口にした美朱。その瞬間に星の種として子宮へ届けられ授かった。月日は流れ慣れないマタニティライフを美朱は過ごしていた。12月25日のクリスマス。璃音と美朱は暖炉のあるホテルで炎の揺らめきを感じながら3人でのクリスマスを過ごした。「お腹にいる赤ちゃんにもチキン食べてもらわないとね!」とびっきりの笑顔の美朱。「merryXmas」美朱は璃音の腕の中で純真無垢のような顔で眠りについた。「まるで子供みたいだな。愛しい美朱」クリスマスが終わり年を超して新年を迎えた璃音と美朱。「明けましておめでとう美朱」「璃音さん明けましておめでとうございます」御石神社に初詣に向かい本殿に新年の挨拶をし安産の祈願をした。神社にいつ来ても安産の御守りが売り切れであった。安産の御守りが売り切れで落胆する美朱に「また近々来よう」と慰め神社を後にした。美朱は予期せぬ妊娠に戸惑い数ヶ月のマタニティブルーに陥っていた。(私は心の準備もなく赤ちゃんを授かった。ちゃんと産めるのかな…)璃音は美朱の心身の変化に気づいていた。
「美朱…俺はいつでも傍にいるからね」
「うんありがとうね…」
臨月のお腹を撫でながら子供の誕生を待ちわびた。お腹の赤ちゃんの事を考える度に美朱の生い立ちが蘇り出産する事母親になる事への恐怖が毎日襲ってきた。
「美朱。大丈夫か?何かあったら俺に言ってね。俺が傍にいるからさ」
「何でも言って?毎日怖いのよ。1人の命が誕生するの。私は璃音さんと出逢うまでは産まれてこなければ良かったと思うような人生だった。もしかしからお腹にいる子供が幸せになれなかったらと思うと苦しいの。怖いの」
「美朱…。俺がサポートするよ」
「産むときに傍にいてくれるの?いつ産まれるか分からないのよ!璃音さんがいない時に陣痛がくるかもしれないの!産めるか不安で怖いのよ。気持ち分かる?」
声を荒げ涙を滲ませる美朱を抱き寄せ璃音はキスをした。「きゃっ…何するのよっ…璃音さんとのファーストキス!?やだ…何で今日いきなりするのよ!?」美朱の心臓が高鳴り全身に喜びがほとばしり、その喜びは子宮を刺激した。「ウウヴッ…子宮が痛い…陣痛かもしれない…どうし、よう痛いぃ…」
「大丈夫だよ!俺がついている。速く病院へ行こう」璃音は車を走らせた。病院へ行く途中で事故の渋滞にハマり2時間立ち往生していた。「こんな日に限って事故かよ…」1時間20分後に車は動き出した。病院までの道のりは山を越えて行かなければならない。
「ぎゃあっ…お腹破水しちゃった」
錯乱する美朱と気が動転する璃音。陣痛の間隔が速くなり産まれる寸前だった。
「病院には間に合わないから途中で御石神社へ行こう」璃音は高ぶる気持ちを抑え御石神社へ車を走らせた。
「璃音さん…子宮口まで赤ちゃんが来てる…早く産みたい…苦しすぎる…」
御石神社へ向かう道のりは美朱が心理的虐待を受け、貧困の為に家族で夜逃げをした日に車で遠った道のりであった。そして数十年が経過し社会人になり星緒造園に入社し璃音と出逢った…いや出逢ったのではない現世で再会したのである。璃音にとっても感慨深い道だった。社用車が故障し従業員の美朱と御石神社で夜を越し朝を迎え2人で朝焼けを見ながら車で会社へ戻った日の事を。2人は想いを噛みしめながら御石神社へ到着した。
「あーっ産まれそう…赤ちゃんが子宮口まできてる…早く産みたい」璃音は病院へ電話した。「病院へ間に合わなく産まれそうな場合は救急車を呼んで下さい」との指示があった。救急車を手配した璃音。(どうか救急車が来るまで間に合ってくれ…)
「璃音さん…イキみたい…頭が子宮口で止まって…る。どう、しよ、う」ハァハァ…呼吸が荒くなり苦しそうな美朱。
「俺がついているから安心して」後部座席で苦しそうにしている美朱のスカートをまくり上げ両足を開かせた。「きゃあっっ…やだ恥ずかしいから見ないで…」(やだ…初めて見られた…こんな事なら前もって慣れておけば良かったのよ。変な気分…もう訳分かんないっっ…)璃音も気恥ずかしい気分だった。
「美朱!(ミイス)。呼吸をしっかり!息を吸って吐いて…吸って…よしイイゾ」
「ああっあーっん。もうダメ早くしてぇ」
「イケっ!美朱っっ」
美朱は産む痛みよりも興奮を覚えていた。(やだ…璃音さん、そんなに見ないで息が感じるのよ…。こんな時にやだHな事を考えて…)
「美朱さぁ一緒にいこう」
「うん。はぁぁっ!!産まれるぅぅ」
「よしいいぞ…あと少しだ」一気にイキんだ美朱。「おぎゃあおぎゃあ…」元気な産声を高らかに上げた。救急車が到着し美朱と赤ちゃんは処置をして貰い母子ともに健康だった。
「産まれてきてくれてありがとうね」美朱は我が子を胸に抱いた」(だけど…璃音さんとエッチしたらやっぱり痛くて血が出たのかな…赤ちゃんが璃音さんより先に私の子宮を…って事よね…もぅぅぅ…訳分からないっ」
(だけど安産の御守りが無くても産めた。璃音さんが私を守ってくれた。片足に着けていたアンクレットはまた赤くなってしまったけどね)
後日…産婦人科の先生から母乳の指導があった。「母乳をなるべく与えてくださいね。乳管が詰まっている時は母乳が出にくいのでマッサージや吸ってもらうのが1番ですよ」
(吸ってもらう?誰にっっ?なんて大胆な事を恥ずかしくも無く言えるのよっ)
璃音と美朱は更に意識し合い…。
「おぎゃあおぎゃあ…」(おっぱい飲ませないと…)




