表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ホテルN旧棟-A203号室の忘れ物  作者: ゴルゴンゾーラ三国


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
24/25

一階カフェ・コワーキングスペース内、スマホでの撮影映像

(スマホが、カメラを下にテーブルの上に置かれているのか、真っ暗)

(足音)


『あ、お疲れ様っす。仕事終わりですか? ……あ、アイスティーと日替わりケーキのセットです。こっちがアイスティーで、こっちがケーキ。今日はチーズケーキです』

『そうです、チェックイン時間、少し過ぎちゃったんですけど、ようやく終わりました。……ありがとうございます。あの、ちょっと聞きたいんですけど』

『なんですか?』

『コワーキングスペースにいる女性って……』

『あー、今日金曜日っすもんね。他の担当にも、噂行ってるんですか?』

『ええ、まあ……。軽くしか聞いてないんですけど』

『えっと……ほら、あそこの。端に座ってる、髪の長い……』

『あの人?』

『そうっす。あ、あんまり指ささない方がいいですよ。他の客に見られると困るので』

『あ、ごめんなさい』

『まあ自分はあんま気にしないんすけど。夜中とかに見るとめちゃくちゃ怖くはあるんすけど……』

『……あの、良かったら、今度、もう少しあの女性について話を聞いてもいいですか?』

『え、ナンパっすか。……すみません、冗談っす』

『……わたし、そろそろ、ここ辞めたくて』

『ああー、そういう。……あ、すみません。小野内さんが怖いので、戻りまーす。続きはまた今度。それじゃ、ごゆっくり』

『あ、無理に引き留めちゃってごめんなさい』


(パキ、という音。おそらくガムシロップを開けている)

(カラカラ、とコップと氷が当たる音)

(数分の沈黙)


『今なら大丈夫かな……』


(スマホが持ち上げられる)

(アイスティーとケーキを撮る風を装っているのか、奥のコワーキングスペースは一瞬しか映らないが、何度か映る)

(アイスティー越しに、女性が座っているのが見える)

(うつむいている女性。女性の座るテーブルには何もないが、両手がそろって置かれている)

(女性は微動だにしない)


『……? あれ、手、ある……? ――とと、危ない』


(足音)

(パッとスマホが再びカメラを下にテーブルの上に置かれ、画面が暗くなる)

(カチャカチャという音。おそらくケーキセットのフォークと皿が当たっている音)

(足音)

(沈黙)


『……よし』


(スマホが持ち上げられる)

(画面が九十度傾く。おそらく、横持ちの撮影から縦持ちの撮影に切り替わる)

(先ほどより、しっかりと固定されて撮影されている。ただし、若干下向き)

(コワーキングスペースにいる女性がはっきりと映っている)

(女性は髪が長く、白いワンピースを着ている。両手があること以外は共用日報に書かれている情報と一致)

(女性は微動だにしない)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ