210話 買い物に誘いたい(雨宮 静編)
今回は雨宮 静の視点です
時は少し遡り···
志希が車のカスタム案を出していた頃
雨宮家の自室で悩んでいる静の姿があった
「どうしましょう···。何とか志希さんを誘わなくては···」
静が悩んでいる理由は夕食時の会話からだった
土曜日 夜
雨宮家では1日の報告も交えて夕食を食べていた
「それで、志希君が『誘う相手もいない』と言っていたんだよ。これはチャンスではないか?」
「そうね。『車の購入』という新たな行動力を手に入れた。それはつまり···」
『デートに誘う(誘ってもらう)チャンス!!だね(よね)!?』
(お父様もお母様も仲がよろしいですね···)
一人夕食を食べていく静は『我、関せず』でいた
そんな静を見た2人はため息を吐く
「なにを『私は関係ありません。』みたいに夕食食べてるのかな?我が娘は···」
「そうね···。このままだと『誰かに先を越される』わよ?志希さんは年上に好かれるタイプだから、のんびりしていると『あっという間』よ?」
「何を言っているんですか?志希さんはそんな事になりませんよ?あの人は『人に優しいけど、友達以上になろうとしない人』です」
その証拠に『異性に何かを贈る事などしない人』です
あぁいうタイプは陰日向に支えるぐらいがいいんです
「何か余裕な態度だけど、静は志希君から何か貰った事はあるのかい?」
ピタリと手が止まる
志希さんからの贈り物?
お父様は最近『入浴剤の融通』をしてもらってますよね···
お母様はその『入浴剤』貰っていますよね?
最近志希さんの『送迎をしている2人』は···
チラリと凛を見ると、凛は目を反らした···
桜花も目が泳いでいる···
これは後で2人と『お話し』をしないといけないかもしれないわね···
そう言えば他の人達も料理とかを···
あれ?私まずくない?
綾香と鈴音はわかりませんが···あの2人(凛と桜花)は確実に距離を縮めてますよね?
「そう言えば···最近凛と桜花は積極的に志希君の送迎に行くね?何かあったのかい?」
お父様も何か気になるところがあったのか、2人に質問をしているが
、『何も他意はございません』の一点張りでした
「···後で2人は書斎でお話しね?」
しかし、何かを感じたお母様の一言に、2人は頷くだけだった
そして夕食後、2人の話をお母様から聞いたのだが、内容は『志希さんの行き着けのお店に一緒に行った』との事だった
いいなぁ···
私も行きたいなぁ···
そしてお母様から『こちらから買い物に誘いなさい』とも言われてしまいました。
しかも『買い物で気になるあの人と仲良くなる計画書』まで渡されました
そして時間は進み
日曜日 朝
朝食を終えた私は部屋で『計画書』を読んでいた
えっと···計画書によると
『車の運転は私がする』のですね?
運転の上手さで『運転のアドバイザー』になれと?
『駐車の時に助手席側から後ろを見て胸を強調?』
お母様は何言っているんですか?
しかも『服装の指定』までありますが!?
えっ?お父様をこれで手に入れた!?
知りたくなかった···
そしてお父様···幻滅しました
···でも、お父様は『お母様以外の異性に見向きもしない』ですよね?
······本当に有効なのかしら?
服装はとにかく『車でお買い物に行く』のは良案ですね
そうと決まれば行動あるのみ!!
まず始めにタイムスケジュールを考える
『何時に集合して、どこに買い物に行き、何を買うのか?』
『朝から出かけるのなら、昼食はどこにするのか?』
『買い物後はどうするか?』
『他に何が必要か?』
『出かける服選び』をして、着々と準備を進める
しかし、まだ『買い物に誘っていない』事に気がついていないので、その準備が無駄にならなければ良いのだが···
静が準備を終えた時、やっと『誘っていない』事に気がつき、時間を確認すると『19:44』となっていた···
夕食時の報告で、その事を聞いた両親が『流石に哀れ』と思い、志希に『静と一緒に買い物に行ってもらえないか?』と連絡を入れる
頼まれた志希は『良いですよ?いつにしますか?』とすぐに返事をするのであった。
あんなに悩んだのにー!!
その日の夜、静の部屋から叫び声が響いたが、誰も気にしなかったのだった。
次回『秘密は守ります(凛編)』




