153話 婚約者って···自称かよ!?
来るのかな?こないのかな?
火曜日 朝
昨日の『残り物』(ポテト)を軽く温めてパンにのせ、スライスチーズとオーロラソースを追加してパンで挟んで食べる
寝坊した時によくやる『手抜きサンド』だ
今日は別に寝坊してはいない···
ただ···『作る気がなかった』だけ···
思った以上に昨日の事が尾を引いていた様だ。
(あ~···バイト面倒···だけど、僕は『無関係』なのに、相手に『逃げた』みたいに思われるのは調子乗らせるからなぁ···)
(今日来ると決まった訳でもないし···。もし、また来たら今度は『徹底的に返り討ち』にしよう。)
気持ちを切り替えてシャワーを済ませ、出勤準備を終わらせて家を出る。
自転車を走らせスーパーヒラヤマの駐輪場に到着。
さっさと出勤でカードを切り、着替えて休憩スペースで瞑想する···。
店長からは「昨日の映像は保存してあるし、今後同じ事があったら、警察にも行く」と助力を約束してもらえた。
気分が幾分か良くなったので、午前中の仕事を順調にこなし、お昼の弁当を買いに行く
今日はお兄さんが休みなのか、おじさんだった。
「こんにちは。今日は何がありますか?」
「いらっしゃい。今日は豚肉の弁当2種類だ。『豚の生姜焼き』か『トンカツ』だ」
「じゃあ···両方をミニで、ご飯普通とお茶下さい。」
「毎度!それなら『ミックス』にするか?これは『ミニ限定で両方買う人』にオススメなんだが『両方を大盛り容器に半々で入れている』んだ。」
「一応仕切りはあるが、混ざるかもしれないから、気にする人には別々に買って貰ってる。気にしないならこっちの方が安いよ?」
(すぐに食べるから『ミックス』で良いか···)
「じゃあ『ミックス』でお願いします。」
弁当を受け取り、休憩スペースに行こうとしたら、おじさんが呼び止めてきた
「ちょい待ち、あいつからの伝言があったの忘れてた。『昨日はうちの馬鹿達が迷惑をかけてすまなかった。しっかり言い聞かせたから、安心して欲しい。』ってさ。」
おじさんから伝言を聞き、首を傾げる。
(どれの事だ?)
「何でも昨日あいつの『婚約者と取り巻き』に絡まれたらしいじゃないか。あいつは『婚約者じゃない。自称だ』って言ってたし、昨日の様な事は今回だけじゃ無いんだとさ···。次に会う時に正式に謝罪するって言ってたから、あいつの事は信じてやってくれ。」
そう言っておじさんは頭を下げる
「(婚約者って···自称かよ)わかりました。では『わかりました。お兄さんは、お気になさらず』とお伝え下さい。では···」
僕はそう言って休憩スペースに戻って行き、その後ろ姿をおじさんは冷や汗をかいて見送っていた。
(あれはかなり怒っているな···。あの三馬鹿が次に何かやらかしたら、どうなるか知らんぞ···。最悪『山ちゃん(平山店長)が動く』ぞ···)
志希はおじさんから伝言を聞いた時には、もう怒りの感情はなかった。
むしろ『呆れ』からの『無関心』に変わっていた。
その為、返事をした時は無表情になっていたので、おじさんが勘違いをしたようだ。
(『何もしてこない』のなら良し。)
『何かして来るなら、言葉で追い詰めて再起不能寸前』にするだけだ。
『痛みを知らないから出来るんだ···。痛みを知ればやらなくなるかもね。まぁ、多分手遅れだけどね?』
···何か最近『黒い感情』が増えてきたな···
何か悪い事が無ければいいな···
次回『僕の中にいる黒い俺』




