ビーチバレー
ごめんなさい!お待たせしました!
「ハァァ!」
スパン!
え~・・・。
昼下がり、僕たちはビーチバレーをしていた。僕と莉緒対、紫音と龍。審判は山中さん。
砂の上なのに音を立てるほど強くボールをたたき込んで来たのは紫音さんだ。
「紫音さん、今のナニ?」
僕は顔が引きつったまま問いかける。
「すまない、ビーチバレーは私の得意スポーツで負けなしなんだ。手加減は出来ない。」
静かに闘志を燃やす紫音さん。ハッキリ言って怖いです。
「悪いが俺も紫音と組んでいる以上全力でボールを拾う。まぁ頑張ってくれ。」
龍は悪びれる事も無く言う。
え~・・・。無理ゲーですよ。
「莉緒、あんなボールは僕が拾うしかない、莉緒が打って。」
「う、うん・・・。無理しないでね・・・?」
心配そうに僕を見る莉緒。
「大丈夫、生きて帰れるさ。」
「そんな、戦場に行くわけじゃないんだから・・・。」
・・・。
「ぐぅ!?」
なんとか紫音さんのボールを拾い続ける。
「それ!」
莉緒は龍の拾いにくい位置にボールを入れる。
しかし、龍はなんの苦労もなく拾っていく。
それでも、莉緒は僕が必死に拾ったボールを龍と紫音さんの虚を突くようにボールを入れていく。
そのおかげで点数を入れることは何度か叶った。
・・・けど、それだけだ。
離されていく点数を詰めることなんて出来るわけなかった。単純な話。
実力差がありすぎる。
・・・。
結果から言えば惨敗だった。いや、当たり前だけど。勝てるわけないじゃん。
5対20
むしろ、5点入れられただけでも、善戦出来たと言っていい。
「紫音さんってビーチバレーホント強いんだね・・・。」
僕は息も絶え絶えに、称賛を送る。
「ありがと、でも、私たちから5点も取った二人は才能あると思うよ。」
「そんな事ないよ。」
僕が謙遜すると。
「そんな事あるさ、なにせ俺と紫音は全国ビーチバレーで1位取ったからな。その俺たちから5点も取ったんだ。正直、途中焦ったぞ。」
「連携が凄い取れてた。二人は練習したら化けると思う。」
紫音さんと龍は僕たちに惜しみない称賛をくれた。
「いや、さすがにビーチバレーを極めるつもりはないよ・・・。」
僕はヒリヒリしてる手先と腕をさすりながら遠慮した。
「大丈夫?」
夕食が過ぎたあとも、僕を心配して介抱してくれる莉緒。
「うん、大丈夫だよ。ヒリヒリはするけど、痕は残ってないから。紫音さんは手加減しないって言ってたけど、痕が残らないようにはしてくれたみたい。」
そう、紫音さんはボールを打つ時だけは力を加減して打ってくれていたのだ。それは彼女の優しさ。
「そっか、良かった。」
莉緒は安心したようだ。
僕は疲れてたのでそのまま寝てしまった。
・・・。
「・・・葵、ありがとね。」
そっと頬にキスをして、ギュッと抱き着きながら莉緒は寝た。




