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魔導図書館の最強司書 〜魔導書を1000年管理したら、【司書スキル】で最強に〜  作者: 木塚 麻弥


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第4話 幸運《ラッキー》

 

「そんで結局、スキルのレベル1ってどんな意味なのかわかる?」


 俺に検証させ、おおよその目処がついているであろうリアに聞いてみる。


〘確証はありませんが、おそらくレベルが上がれば類似の──ここでの定義としては著者が同じで更に同系統の魔導書の所在を知れる距離が伸びる、というものであると予測されます〙


 ほほー!


「いいじゃん、それ」


 類似の魔導書を何冊以上同時に棚へ戻せってミッションもあるに違いない。


 ただ問題は、どうやってレベルを上げれば良いのか……。


 まぁ、それはこれからゆっくり検証していこう。


「俺は4つのスキルをゲットしたんだよね? 残りの3つは?」


〘ふたつ目は、2000番台の棚に連続で魔導書を返却するというミッションを達成したことにより、【識別ジャンル】を獲得されました〙


「ジャンル……。どんなスキルなんだろ?」


〘実はもう表示されています。手に持っている魔導書の、棚番の横をご覧ください〙


 言われた通り、ここまで持ってきた魔導書を見てみる。表紙の少し上に薄っすらと浮かび上がる棚の番号。その隣に、炎のような絵が見えた。全然気づかなかった。


「炎みたいなマークが見える」


〘つまり魔導書がどんな種別の魔導書なのか、中身を読まなくても把握出来るようになる司書スキルです〙


 おぉ。それは便利そうだ。

 

 魔導書って、基本的に難解な言語で()()()()いる。『書かれている』んじゃなくて、線や記号もふんだんに使い『描かれている』んだ。


 だから手に取った魔導書がどんな内容なのか、理解するには少し時間がかかる。それをこの【識別ジャンル】があれば一瞬で認識できるということ。


 ジャンルが同じ魔導書を同時に返却するミッションもありそうだ。


「このスキルも良いね。残りの2つは?」


〘床に散らばった大量の魔導書の中から同じ棚のものを連続で手にするというミッション達成の報酬として、【幸運ラッキー】というスキルを獲得しています。こちらに関しては、司書スキルではありません〙


 【幸運ラッキー】は知っている。


 このスキルを持っていると魔物の攻撃が外れたり、逆にこちらの攻撃が魔物の弱点に当たりやすくなったりする。


「かなりレアなスキルだよね」


〘はい。ミッションの難易度からして、このスキルは数多の司書スキルを得た上で、目的の魔導書を探し出せるようになってから得られるもの。つまりライアン様へのご褒美として準備されていたスキルのように思えます〙


 なるほど。いろんな司書スキルをゲットしていけば、いつかは任意の魔導書を探しさせるようになる。そうなれば同じ棚の魔導書を探すことも容易なはず。本当ならそれくらいになってからじゃないとゲットできないレアスキルなんだ。


〘ただ幸運だったから、というわけではありません。苦痛に感じられていた2000番台の棚への返却を実行すると決意されたのはライアン様です。貴方の意思があってはじめて、獲得できたスキルとも言えます。おめでとうございます〙


「ありがと。そうやって褒めてもらえると嬉しいな」


〘最後の4つ目のスキルですが、連続で3つのスキルを獲得することに成功しましたので、受け取る司書スキルを指定できます〙


「おぉ! それはすごい──って、どんなスキルがあるかも分かんないのに、どうやって指定すれば? リアもスキルの種類とか分からないって言ってたよね」


〘ご安心ください。私に希望を伝えていただければ、それが可能かどうかをお答え出来るようです〙


「ふーん。俺の希望を言えばいいってことね。それじゃあ」


 ここで俺は、『移動速度を早くしてほしい』と言おうとして言葉を止めた。


 それ以外にまず確認しておくべき問題がいくつかあった。


「ねぇ、リア。ここには生物って、俺しかいないんだっけ?」


〘はい。その通りです〙


「じゃあ食事とかどうなるのかな?」 


 生きていくための必須条件である衣食住。衣服はここで目覚めたときから着ているもの。俺の持ち物じゃないが、清潔っぽいし動きやすい。そしてここ魔導書が保管されている図書館の内部。当然ながら雨風は防げる。住処も問題なさそうだ。俺はどんな硬い床でも寝られるから、ベッドがなくても大丈夫。もちろんあれば嬉しい。


 となると気にしなければならないのは食べ物の問題。


〘ライアン様は、お腹が空いていますか?〙


「……いや、全然」


 ここきて、かなりの距離を歩いた。

 それなりに時間も経っている。


 でも全然空腹を感じていない。


〘現在のライアン様は英霊に類する存在ですので、食事を取らなくても再び死ぬことはありません〙


「英霊? 俺が?」


 街を守るために魔物と戦って死んだのだから、戦死者という意味で英霊と呼ばれることに問題はないと思うが……。


 でも俺の中で英霊とは、世界を救うために戦った英雄のような存在。俺程度の輩がそう呼ばれて良いのかな?


〘私に選ばれた時点で、そう呼ばれる『資格』があるということです。さて、ライアン様は食事も休息も取らず活動し続けられますが、それらを取っていただくことも可能です。この後、休息室をご案内します〙


「了解。よろしくお願いします」


 そっかぁ……。

 俺、もう人間じゃないんだ。


「──あっ。てことはここで1000年働くのって」


〘はい。英霊になったライアン様は、ここでは基本的に不滅の存在。ですので文字通り1000年間は、司書として働いていただきます〙


 わ、わーお。

 マジなんだ……。


 寿命で死ぬまでの、長くても数十年とかかと思ってた。


 マジで俺、ここで1000年も過ごすんだ。

 

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