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魔導図書館の最強司書 〜魔導書を1000年管理したら、【司書スキル】で最強に〜  作者: 木塚 麻弥


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第14話 検索《サーチ》と 魔導解析《アナライズ》


 ついに見つけた3冊の魔導書。

 それを同じ棚へ返却したところ──

 

〘おめでとうございます。同時に同じ棚へ3冊の魔導書を返却するというミッションを達成されましたので、【類似把握アナロジー】のレベルが上がります〙


 予想通り【類似把握アナロジー】のレベルを上げることが出来た。


 リアと一緒にミッション達成を喜びあう。

 この時を、どれだけ待ちわびたか。


 でも大事なのはここからだ。

 どんなことが出来るようになるのかな。


 1000日以上も魔導書を整理し続けて、ようやく成し遂げた試練。その報酬に大いなる期待を寄せてもいいだろう。


〘【類似把握アナロジー】はレベル3になりました〙


「いきなりレベル3なんだ」


 じゃあ2冊同時を2回目でレベル2に上がってたってことかな? そっちを先にやれば、整理がもっと簡単になっていた可能性もあるのか。


 ま、終わったことを嘆いても仕方ない。


〘レベル上限に到達しましたので、下位スキルを統合して進化します。【種別検索ジャンルサーチ】が使用できなくなりますが、よろしいですか?〙


「スキルの統合ははじめてだね。統合ってことは、新しくできるスキルにジャンルサーチと同じ機能があるって認識で良いかな? なくなっちゃうのは困るから」


〘その点はご安心ください。司書スキルが統合されて、もとからあった機能が劣化することはございません〙


 じゃあ、やっちゃおう。


「統合して良いよ。お願い」


〘承知しました。【類似把握アナロジー】に【種別検索ジャンルサーチ】を統合します。ライアン様が保有していたふたつのスキルは消滅し、新たに【検索サーチ】の司書スキルを獲得されました〙


「それって」


〘はい。任意の魔導書を探すことができるスキルです〙


「ゆ、有効範囲は? 任意のって、ジャンルとかが指定できる感じ?」


〘範囲に限定はございません。この魔導図書館全域が、【検索サーチ】の有効範囲となります〙


 マジかマジかマジか!?

 すげぇじゃん!!


〘そして機能としては魔導書の『ジャンル』、『棚番』、『著者』を指定して探すことが可能です。ひとつの項目に絞って検索もできますし、複数の項目を複合して検索することも可能です。また、魔導書を手にて同じ項目の魔導書を探すことも可能になっています〙


「凄いスキルだね。これがあれば、色んな事が出来そうだ」


〘なお、この司書スキルはこれ以上レベルが上がりません。他のスキルに統合されることもありません〙


「……それは、【検索サーチ】が最終形態の、つまり完成された司書スキルってことでいいんだよね」


〘その通りです〙


 リアは司書スキルがたくさんあると言っていた。総数がいくつあるかはわからないらしいが、ひとつでも最終形態のスキルを獲得できたというのは言葉にできないほどの達成感がある。


「早く広間に戻ってこのスキルを使おう!」


〘承知いたしました〙



 ──***──


 大広間に戻ってきた。


「改めて見ると壮観だな」


 ずらっと並んだ魔導書。


 大広間の開いたスペースに魔導書を並べるのと休息室との往復ばかりで、本棚の間の通路に入ること自体が久しぶりだった。その通路から帰還すると、この約3年で並べた大量の魔導書たちが俺を出迎えてくれる。


〘さっそく、【検索サーチ】を使用しますか?〙


「うん」


 俺は整理したものではなく、床に落ちている魔導書を1冊手に取った。


「この魔導書と()()()()()本を【検索サーチ】する」


 俺の宣言と共に、スキルが発動した。


 昼間のように明るかった大広間が薄暗くなり、あちこちで魔導書が輝いている。あの光っているのが、この本と同じ著者が書いた魔導書なんだろう。


「視界が暗くなったけど、これって俺の目だけが影響を受けてるのかな?」


〘現在の大広間は暗くなってなどいません〙


 一度魔導書を手放してみる。

 すると視界が元に戻った。


 ただ光るだけじゃなくて、視認しやすくしてくれるんだ。


 床に置いた魔導書を再び手にする。


「これ、すごく探しやすい」


 俺はまず一番近くで輝く魔導書のところへ向かった。


〘ところで、なぜ著者でサーチしたのですか?〙


「著者って、その魔導書を完全開放しないと分からないんでしょ。だったらその著者が同じ魔導書を集めるミッションっていうのは、かなり難易度が高いはずなんだ」


 それこそ何百年もここで司書として勤め続けて、司書スキルの数を増やしてレベルも上限まで成長させたりしない限り達成困難な試練になるはず。


「それだけ高難易度のミッションを達成すれば、もらえる報酬にも期待できる」


〘あっ。なるほど! さすがですね、ライアン様〙


「俺がスキルを発動させてる時、その効果ってリアにも有効だよね。だから見えてるよね? この無数に光る魔導書たちが」


〘はい。見えています。少なくとも10冊はありそうです〙


「この魔導書を一度に全部持って、一気に返却に行ったら……。なんか凄いことになりそうじゃない?」


〘なりそうですね! ぜったい凄いことになりますよ! 私、今から楽しみです。早く魔導書を回収して、返却にいきましょう!〙


 リアのテンションがかつてないほど高い。

 俺もワクワクが止まらない。


 楽しみ過ぎて手が少し震える。

 

 

 その後、俺は13冊の魔導書を回収した。


 【棚番把握ナンバー】で棚番を確認し、返却の順番を考える。


「GDの列から入って、【速度向上アクセル】使いながら斜めに返却していこう。残り3冊が大広間を挟んで反対側の棚になるけど、俺の考えがあっていれば10冊返却した時点でスキルが獲得できるはず」


〘異論はありません〙


「それじゃ、行くよ。【速度向上アクセル】!」


 1日の使用回数が数十回。約3年で十万回以上使ってきたアクティブスキル。今ではもう、距離も加減速も完璧にコントロールできる。


 そしてこのスキル、加速できるのは移動速度だけじゃない。手を動かす速度や、思考までも加速させることが出来る。そのことに気付いて、魔導書の整理を進めながらスキルを使いこなす訓練も行ってきた。


 だから今では高速移動中に、魔導書を傷つけることなく棚に返却できる。


「ほい、ほい。ほいっと」


 GDの列に返却すべき魔導書が3冊あったが、今の1回の移動アクセルだけで棚への収容を完了させた。


〘おめでとうございます。著者が同じ魔導書を3冊連続で返却するというミッションを達成しましたので、【魔導解析アナライズレベル2】を獲得しました〙


 これですよ、これ!

 やっぱり新スキル獲得は良いね!


「どんなスキル?」


 次の棚へ【速度向上アクセル】で移動するための調整で少し歩く必要があったので、そのタイミングでリアに聞いてみる。


〘こちらは魔導書の解放率を上げる司書スキルです。レベル1毎に10%解放率が上がります。例えばライアン様が炎魔法の魔導書解放率が34%だとしたら、今回レベル2を獲得されましたので、魔導書解放率が54%まで引き上げられます〙


「おぉ。なんか凄そう」


 軽く感想を言い、再びアクセルを発動させて4冊目と5冊目の魔導書を棚に返した。


〘あっ! 著者が同じ魔導書を5冊連続で返却するというミッションを達成しましたので、【魔導解析アナライズレベル5】を獲得しました〙


「レベル5とかあるんだ」


 えっと……。もしかしてこれで、魔導書の解放率が+50%される感じですかね。それってちょっとヤバくね?


 俺が生きていた世界では、魔導書を完全開放した人間はいないって前にリアが言っていた。そんな超難易度のことを、俺はもう少しで出来るようになるかもしれない。


 著者が同じ魔導書を連続で返却して行く。その連続が1冊増えるごとに、スキルレベルが1上がっていく。もし、このまま続くなら──



〘おめでとうございます。著者が同じ魔導書を9冊連続で返却するというミッションを達成しましたので、【魔導解析アナライズレベル9】を獲得しました。このスキルはこれ以上レベルが上がりません〙


「なんだ。レベル10まで上がらないのか」


 最低でも10%は自力で魔導書を解放しろってことみたい。


〘まだお伝えすることがあります。著者が同じ魔導書を10冊連続で返却するというミッションを達成しましたので、受け取る司書スキルを指定できます〙


 任意指定キタぁぁぁぁああ!!


 俺は【速度向上アクセル】レベル1を獲得して以来となる、自由に司書スキルを指定できる権利を手に入れた。

 

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