表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔導図書館の最強司書 〜魔導書を1000年管理したら、【司書スキル】で最強に〜  作者: 木塚 麻弥


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/15

第12話 作業継続


 ついに同じ棚番の魔導書を見つけ出した。


「やったぁぁぁああああっ!!」


〘おめでとうございます。やりましたね〙


「ありがとう、リナ。何度も心が折れそうになった俺を支え続けてくれて、本当に助かったよ」


〘私なんか、ライアン様に声をかけることしかできませんでした。全てはあなたの頑張りです。さぁ、久しぶりに司書スキルを獲得しに行きましょう〙


「うん!」


 そう返事をして同じ棚番の魔導書を2冊持ち、移動を始めようとした。


 ここでふと、俺の脳裏をよぎる嫌な予感。

 

 【類似把握アナロジー】の獲得条件は2冊連続で同じ棚に魔導書を返却することだった。次も2冊ではダメかもしれない。


 2冊見つけるだけで30日以上かかっている。それを3冊? 若しくは2冊返却するのを2セット用意するとか……。考えるだけで気が遠くなる。そして苦労して見つけたこの2冊を、易々と失いたくないという気持ちも強くなる。


 ちなみに床に散らばっている魔導書の中から1冊選んで、その本が返るべき棚まで行って棚にある魔導書を数冊回収して大広間まで一旦運び、最初に選んだ魔導書と合わせて本棚へ返す検証も行った。その行為では何のスキルも得られない。


 ズルはできないってことだ。


 このやっと見つけた 2冊を戻して何のスキルも得られなければ、30日間が無駄になる。ここまでやってきたのであれば、もう少し続けた方が良いのかもしれない。



「リア。やっぱり俺は整理作業を続ける」


〘えっ!?〙


「2冊じゃダメかもしれないんだ。試してみてダメだった時、これまでの時間が無駄になる。だから俺は3冊目を探すよ」


〘……承知しました。ライアン様がそうおっしゃられるのであれば、私は止めません。出来る限りの協力もさせていただきます〙


 リアは俺の行動に対して強く反対しない。むしろ行動を支持してくれる。彼女がいるから俺は頑張れる。


「ありがと。リア」


 短く、でも心を込めてお礼を言う。そして俺は、更なる地獄の作業へと足を踏み込んだ。



 大広間の床に散乱する魔導書を拾い上げ、【棚番把握ナンバー】で棚番を確認する。そして棚番ごとに整列させている空きスペースまで運んで並べていく。


 拾い上げ、棚番を確認し、並べる。


 またこの作業の繰り返し。


 並べた冊数は軽く1万冊を超える。それでもまだ同じ本棚に入る3冊の魔導書は見つかっていない。最初のと合わせてふたつ目の2冊セットが見つかっただけでも、奇跡ということなんだろうか。


 そもそも同じ本棚から3冊召喚されていくことはあるのかな? もしそれが無いのなら前提条件が崩壊する。いくら探しても見つかるわけがないのだから。


 ちょっと不安に思い、確認してみることにした。


「ねえ、リア。ひとつ聞いていい?」


〘なんでしょう?〙


「ひとつの本棚から3冊以上の魔導書が召喚される事ってあるの?」


〘ありますよ〙


 俺はドキドキしながら聞いたのに、リアはあっさりと答えてくれた。


 よかった。あるんだ。

 これで一安心。


〘ライアン様は一度の戦闘で複数の魔導書を使用されたことがあるとおっしゃっていらっしゃいましたよね〙


「うん」


〘複数の魔導書を同時に使用されたことは?〙


「それは、ない」


 というか出来ない。それができるのは特殊なスキルを持った異世界人だけ。


 俺がいた世界を魔王から救うため、異世界より召喚された勇者様。彼女と一緒に異世界から来た賢者様が2冊の魔導書を同時に使うところを俺は見ていた。


〘これまで説明をしていませんでしたが、魔導書の並びは定期的に整理されます。同一の魔導士によって同時に、もしくは短期間のうちに召喚された魔導書は整理される際、近くに並ぶようになるのです。それによって召喚時に必要な魔力量が減ったり、魔法発動に必要な時間も短縮されます〙


「……言われてみれば、そうだった気がする」


 複数の魔法を連続して使用するというのは、容易なことではない。一部の魔導士しかできない高等技術とされていた。ただ一度できるようになってしまえば、その魔導士はどんどん強くなっていく。それこそ1種類の魔法しか使えない魔導士とは比べ物にならないほどに。


 魔導士として真の力に目覚めるという意味で、その状態は『真理開眼リベレイション』と呼ばれていた。俺も一応、真理開眼した魔導士のひとり。


〘何度も連続で召喚された数冊の魔導書があって、それが並びの整理後に再度連続召喚されると、同じ本棚から一度に複数冊の魔導書が召喚されるのです〙


「でもそれだとおかしくない? だって俺は炎の魔法を使った後に水の魔法を使い、さらにその後もう一度炎の魔法を使ったことがある。それでもちゃんと魔導書は俺の手元に来たよ。あんなに短い時間で大広間に返却された魔導書を、リアは本棚に返却できていたってこと?」


〘魔法を使用される時に、同じ魔法を連続して使用できない時間がありましたよね。クールタイムと呼ばれる時間です〙


「あ、うん。確かにあった。……えっ。も、もしかして、たったあれだけの時間で魔導書を返却してたっていうの!?」


 そんなのありえない。上級魔法にもなればクールタイムは数十秒から数分にもなるが、下級魔法のクールタイムは10秒程度なんだから。


〘以前ライアン様がいらした世界とここでは時間の流れが違うと説明しました。その効果によって、現実世界ではわずかなクールタイムの時間でも、ここでは余裕を持って魔導書を返却することができるのです〙


「思ったより時間のズレが大きいんだ」


〘私がメンテナンス中のため、今は通常時よりそのズレが大きくされています。私の機能が全開であれば魔導書が返却されてから数秒後には整理を終え、本棚に向けて飛ばしています。大広間から遠い本棚でも十数秒あれば返却可能でした〙


 全盛期のリア、恐るべし。

 てか凄すぎんだろ。


 そんな彼女の代理として魔導書を返却するのが、俺というちっぽけな存在でいいのか改めて疑問に思い始めていた。もっと人を増やした方がいいんじゃね?


 まあ当然そんなことは創造様も思いつくだろう。それがされずに俺ひとりが召喚されているということは、何らかの事情があるって事なんだろうな。


 なにはともあれ、1回の戦闘で魔導書を切り替えて戦う魔導士は俺の周りにたくさんいた。だから絶対にあるはずなんだ。


「教えてくれてありがとう。これで安心して3冊目を探すことができるよ」


 絶対にあると確信できること。

 それは俺に大きな希望を与えてくれた。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ