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5.面接と決定

「この日に面接を行うので来てください」


 大学の事務室に呼び出されると僕はそう書いてある紙を手渡された。今年の森田研究室、定員12名。希望者16名。なので面接を行うとこのことだった。


 これは予想していたことではなく、意外な結果。僕からしたら。


 あんまり人気ではないという話をきいていたのだけれど、案外そんなこともなかったらしい。


 で、更に意外だったのは「面接」を行うというもの。これも正直効率を考えたら成績順で決めたほうがいいに決まっているのだけれど、やるらしい。


「・・・何を聞かれるんだ?」


 まあでも、何とかなるか。


 とそう楽観的に考え、指定された日に、指定された会場へ行くことに。


 会場はいつも講義を行っている何でもない講義室。その廊下に行くと何人か紙を持って立っていた。


「あ・・・どうも」


 見たことはあるけれど、そこまで話をしたことはない。という人が大学に入ると沢山できる。のだけれど、そこに居たのもその人物。


 確か・・・名前はなんだっけか、早坂君だったかな。


 彼もどうやら面接を受けに来たらしい、ということは森田研を希望しているということなのだけれど、なんというか、やっぱりいつもいる仲の良いグループ見たいなのにいる様でいないような人なわけで。


 しばらくお互いに何もしゃべらなかったのだけれど、面接会場では既にはじまっているらしく、時折、笑い声とか質問とかが聞こえてくる。


 すると後ろのドアが開き、先に居た人が出てくる。・・・この人も見たことが有る人だ。僕らの方を見ると一言。


「沢山人いるよ」


「そうなの?・・・受ける人ってこと?」


「そうじゃないよ。面接官」


 どうやら面接は森田先生とではないらしい。もちろん、先生もいるけれど、そのほかに学部生、院生もいるとのことで。しかもその人数は10名を超えているらしい。その人たちに今から質問されるとなると、少し身構えてしまうもので。


 とかなんとか、思っていると部屋のドアが開く。


「次の・・・えっと、真本君いるかな」


「はい、僕です」


「じゃあ入ってね」


 そういうとドアを閉めてくれた。一応、入室からきちんとやるらしい。コンコンとノックをし、中から返事が返ってくると改めてドアを開ける。


 するとそこには話に聞いていた通り、沢山の人が居る。机を動かしてコの字型に並べ、その間に椅子が一席だけ置いてある。あそこに座れと言うことだろうか。


 なぜか特に緊張感がそこまでない、何となくフランクな感じがした。


「えっと、じゃあ自己紹介してね。名前と出身地、それと出身高校。あとは大学でやっていること。サークルとか部活とか」


「はい・・・。真本 真人、長野県出身です。それで高校は東長野実業高校で・・・」


「あれ?俺と同じじゃない?」


 と途中まで話すとそう反応してきてくれ人が居た。あ、そうなんだ。でも見たことない。多分、そう言ってきてくれた人は学部の人だと思うんだけれど、1年違いなら高校で見ていたとしてもおかしくないのだけれど。


「あっそうなんですか・・・それはうれしいですね」


 と当たり障りない返事をして僕は続けた。


「・・・ありがとうございます。それで?森田研を希望した理由は?」


 僕はその質問が来るとちらっと面接官側にいる矢代さんの方を見た。


「楽しそうだったのと、研究内容に興味がありました」


 すると森田先生の話が少し始まった。どういう研究をしていてとかどういう感じなのか、とかそういうの。で、面接にもどったのだけれど、聞かれることは


「好きな本は?」とか「休日なにしてる?」とかそういう世間話的な所。


 森田先生はその様子を見て笑っているか、それか補足で色々説明をしてくれる。という感じでいつのまにか面接が終わる時間に。


「よし、じゃあ、OKでしょう」


 と先生は研究室に居る人たちにそう言うと面接は終わり。外に行くと順番を待っていた早坂君に色々聞かれた。


「どうだった?」


「・・・なんか沢山人は居たけど、世間話で終わった感じがする」


「そうなんだぁ・・・俺、緊張してきたよ」


 そう思うと僕は割とこういう場には慣れていたのかもしれない。

 試合前とかそういうのに比べるとそこまで緊張はなかったのだけれど、何かをしなければ印象に残らない、頑張らなくちゃ。という感じでもなかった気がする。


 次の日、講義が終わって食堂に行くといつものメンバーが居て昼飯を食べていたのをみて、僕も日替わり定食を注文して食べ始めた。


 話題は研究室の事。


 どうやら話を聞いているといつものメンバーは大体、新村研に決まったらしい。ほとんどが顔見知りで知らない人は居ないみたいなそんな感じだった。


「で?真人はどうだったの?森田研」


「まだ、わかんないんだよね。合格かどうか」


 そう、他の研究室なら成績順でほぼ決まるので行けるいけないはその日のうちにわかるのだけれど、1つ段階を付けているから森田研に入れるかどうかは明日あたりに分かるとのことだった。


「ふうん、なるほどね」


 こういうとき割とありがちなのが「なんで真人だけ他に行くんだ」というのがあるのかもしれないけれど、結局それが無かったのは僕が部活をやっていたということが大きいのかもしれない。


 人とは別の事をする。というのが何となく彼らにも伝わっていて、だからそういう奴なんだという印象があるのかもしれないのだけれど。


 でもまあ、多分大学生という年齢とか、環境とかであんまり他人に干渉しない。昔は凄いそういうのあったけど、クラスという区分も無いわけだし。割と自由なのかもしれない。とその時実感した。


 まあでも明日になれば決まることだし、どうこう言っても仕方ないから。と思ったわけで。


 なにも変わらずそのあと、部活に行き、明日の発表を待つことにした。

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