27.キックオフ合宿と卒業旅行
岡崎君に引継ぎを行ったキックオフ合宿。また僕らも行くことになるとは思わなかった。しかも行先は僕らも既に行った場所である。慣れた感じでバスを呼びに行く。今回は岡崎君も一緒にというのはなんか感慨深いものが有るとかなんとか。
出発予定時刻になると総務が先生を呼びに行く。森田研としても初の試みであることは間違いないわけで。
行かない院生に見送られると僕らは目的地に向かって進んで行くことに。
連日の疲れが出ているのか移動中は基本寝ていた。本来なら色々話をしなければいけないところなのだろうけど、そういうわけにもいかない。それとあまりにも僕が口を出しすぎると12期生が準備をしてくれたんだ、それの意味がなくなる。
例によって産業博物館につくと先生の解説がはじまり、それを聞くことに。
そしてやっぱり同じように先生の解説時間が出発時間直前までになっていたので、岡崎君に「先生に時間教えてあげて」と教えると彼は先生に伝えに行った。
宿泊先に帰ると既に宴会の用意が行われており、そこで12期生の総務が乾杯と音頭をとって飲み会が始まった。
始まったタイミングで僕と早坂君、そして伊佐木君は会場を抜け出すと、自分たちの部屋に戻って紙をとりだし、この後の研究室の予定を話し合う。
「・・・もうイベントはないよね」
伊佐木君が僕に聞いた。
「ないね」
「終わってないのは?」
僕が早坂君に聞く。
「卒業式に皆で見る動画は村上君がまとめてくれてる。それと卒業式後の宴会の予約もとってある」
となると残されたのは環境論文のみになった。
「どのくらいOKでてる?」
伊佐木君に聞く。
「うーん・・・半分くらいかな。歴史とかそういうのは大丈夫そう」
なるほど。半分くらいとはいいつつも多分手直しをすればほぼ完成に近づいてはいるのは何となくわかる。となると僕の色彩の部分が書けてないことに。
「どうなの、色彩の部分は」
「うーん・・・多分このままでも」
そう、きっと時間が来てしまえば多分、このまま、今のままで載ることになるかもしれないし、もしかしたらイガさんの事だから僕の担当の部分は載せないで、12期生の時にやるのかもしれない。
とかそう言うことを考えていたのだけれど。
「・・・でも、ここまで来たら出したい。最後の最後に、これでOKとかは少しその・・・」
「まあ、気持ちはわかるけど」
そう答える伊佐木君の言いたいことも、早坂君が思っていることも何となくわかる。というより僕自身がわかりかけているというのもある。実際、あの苗箱出来ない事件から僕らは加速していった気がする。
事実、あれがなければ環境論文の完成度はかなり低いし、卒業と同時に森田先生に渡せるほどのモノは出来上がらなかったかもしれない。
そうは言う物の、でも、中身に関して言えばどのくらいの内容であればいいのかというのはイガさんや院生に見てもらうまでは何とも言えないというのもあるのだけれど。
取り合えず、この旅行が終わった後の予定は決まった。あとは帰ったらそれを実行に移すだけとなった。
宴会は終わり、それぞれが部屋に帰る。そしてそのまま寝ると朝が来て、僕らは来た道を帰ることに。
その道中、僕はバスの窓から外の風景を眺めていた。まさか大学でこんなことをするだなんて思っても見なかったけれど。
「あともう少しなんだよな・・・」
そんなことを考えながら僕は研究室に帰って行った。




