20.月1回のイベントとキックオフについて
その日の新森田塾が終わると、恒例のバーベキューになる。僕は塾に出ていたので伊浅木君や早坂君たちが準備をしてくれていた。
そうして例によって先生を呼び、乾杯をして、フレーフレーの引継ぎも行われることになった。
片付けの時間になった時、先生は院生と3年生に少し話をしている。けれど、片付けなのでそれをやるために色々と運ぶことに。バーベキューをやる時は照明をいつもつけているのだけれど、それを院生の戸崎さんが方付けた時、イガさんがめずらしくあることを言った。
「あ、それまだ片付けないでくれる?」
「わかりました」
イガさんが自分たちの作業に口を出すってことはほとんどない。やらせることには色々と言ってくるけれど、ここまで具体的に何かを言うのは今までほとんどなかった。
それが僕は凄く気になった「どうしてあそこであんなことを言ったんだろう」と。そう思ったのでやや耳を傾けながら作業することに。
やがて、先生は院生3年生との会話が終わって、部屋に戻っていった。その後で、イガさんが戸崎さんに「どうしてあそこで照明片付けないでっていったかわかる?」と聞く。
まあ普通に考えたら「目上の人が話をしているのに明るくないと」みたいな感じのことが思いつくのだけれど、実際森田研はそういうのは「ない」敬う必要性とか尊敬の順守性とかない。
「イガさんの事をイガって言うこともあるし」
だから今回のこれは別の角度の話。
「先生は話すとき、相手の表情をみるわけ。だから明るくないと見れないでしょ」
とのことだった。
目は口程に物を言うって言葉があるのだけれど、それ以上に行動、つまり表情や姿勢と言うのは見る側にとって「重要な・・・要素?」みたいなものである。というのは気質を何となく学んでいた僕からしたら理解できることで。
だから、なんか言われたときはわからない。けれど、その先に有るモノを言われると「ああ、そういうことね」という感覚がついてきた。・・・ような気がする。
椅子に座って資料をまとめていると、僕のところにイガさんと矢代さんがやってきた。
「まっちゃん、もうキックオフ合宿の話とか進めてる?」
「そうですね、岡崎君にはもうどうやるかって言うのは伝えてます」
「今回はキックオフ合宿と卒業旅行を同じにするから」
「・・・卒業旅行って毎年やってます?」
「やってないね。今年からやるってことで」
キックオフ合宿は4月に毎年行われていた。けれど、今回は3.4年が一緒に行く。となると3月に行かなければならない。3月20日が卒業式なわけで。
「え?じゃあ、相当急がないといけなく無いですか?」
「そうだよ」
1.2月は論文の提出や卒研発表があってかなり予定はつまっている。だから3月の上旬にやる。とのことだった。
そうなってくると話は変わってくる。
今年は4年生が卒業してからでも十分に間に合った。けれど、そうなるとある程度僕もやらなけば行けないということになるので・・・。
「わかりました」
返事をして伊佐木君と中村君の元へ。当然、この時期はOB会の開催準備が行われ始めている。その予定と進み具合を聞くことに。
僕がキックオフ合宿と卒業旅行の両方を一緒の場所で行うということを伝えると、彼らも僕と同じ反応をすることに。
「院生も行くの?」
「うん、戸崎さん達も行くって」
来年は森田研究室の方付けもある。物理的な実験道具のこともあるけれど、そういうことをきっと12期生と11期の院生がやることになる。となると、塾でやっていることを前にやっておかないと時間が少なくなってしまう。
こんな感じの意図があるのだろうか。
3年生が研究室に出入りするようになってから、雰囲気は引継ぎという次の年の事を考えながら進めていくようになっていった。それは実験も同じことで、僕がやっていることもだんだんと近藤君とまとめに入ることに。
「そろそろ卒業が見えてきた」
そう思ってたのだけれど、この後に大きなイベントが控えている。




