↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】様々な王様になれる、スキル《キング》は異世界での処刑スキル。  作者: 山田 ソラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/72

第66話 最後の戦い

 夜。魔王城の最上階。悠は一人で夜空を見上げていた。


(たぶん……これが最後だ)


 根拠はない。しかし、分かる。長い転生人生で培われた直感だった。


 スライム王、鯉王、カニ王、蝶王、ワイルドボア、熊、狼、リザードマン、スケルトン、オーク、コボルト、ホブゴブリン、オーガ、蟾蜍、サソリ、吸血鬼、蜘蛛、そして、魔王。


 数え切れない死、数え切れない王座、数え切れない別れ。その全てが終わりへ向かっている気がした。


「勇者に会うか」悠は静かに立ち上がった。


 翌日。最前線、広大な平原。人類軍と魔王軍が睨み合う戦場の中央へ、悠は一人で歩き出した。


「魔王様!?」

「お一人で!?」


 魔王軍がざわめく。しかし悠は止まらない。人類軍も騒然となった。


 そして、軍勢の前から一人の少女が歩み出た。


 勇者。白銀の髪、澄んだ瞳、聖剣。その姿を見た瞬間、悠の足が止まった。心臓が跳ねる。


(……あ)


 見間違えるはずがなかった。顔は違う、年齢も違う、立場も違う。しかし瞳だけは同じだった。沼のほとりで笑った少女、月夜の城で微笑んだ聖女。


 リシェル。


 悠は呆然と立ち尽くした。


 勇者もまた、魔王を見た瞬間に息を呑む。知らない、会ったこともない。それなのに涙が出そうになった。


「……あなた」勇者の声が震える。「どこかで……」言葉が続かない。


「そうか」悠は苦笑した。「やっぱりお前だったか」


「え?」勇者は首を傾げる。


 悠は空を見上げた。何度も会った、何度も別れた。王になって、死んで、転生して、その度にどこかで会っていた。偶然なのか、運命なのか。もうどうでもよかった。


 ただ一つだけ分かった。最後に会いたかった相手が、目の前にいる。


「なあ」悠は静かに笑った。「俺たち、どこかで会った気がしないか?」


 勇者の瞳から涙がこぼれた。「……分からない。でも」胸を押さえる。「会いたかった気がします」


 風が吹く。戦場が静まった。魔王軍も、人類軍も、誰一人として動けない。まるで世界そのものが、二人の再会を見守っているようだった。


 その時、空が震えた。


ゴゴゴゴゴゴゴ……


 悠は顔を上げ、笑った。「やっぱり来るよな」


 空が裂けていた。巨大な黄金の門、神の門、世界を見下ろす光。何度も見てきた光景。しかし、今回は違う。悠は魔王、神に届く力を持つ王。そして目の前には、何度


 転生しても出会い続けた少女。

 最後の戦いが始まろうとしていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。