表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】様々な王様になれる、スキル《キング》は異世界での処刑スキル。  作者: 山田 ソラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/72

第64話 魔王の憂鬱

 魔王城。黒曜石の玉座の上で、悠は頭を抱えていた。


(……強すぎる)


 魔王になって数日。能力を確認した悠は、思わず黙り込んでいた。


《全魔族支配》

《魔力超増幅》

《空間支配》

《生命支配》

《魔王軍召喚》

《神格干渉》


 能力の説明を見た瞬間、悠は理解した。


(今までとは次元が違う)


 スライム王、オーク王、吸血鬼王、蜘蛛王。どの時代の自分よりも圧倒的に強い。そして、あの空から神罰を落としてきた存在。


(今なら……届くかもしれない)


 神。何度も自分を殺した存在。ようやく戦う資格を得た気がした。


しかし。


《魔王としての使命を確認》

《人類圏侵略を開始してください》


 悠は無表情になった。「またそれか……」


 《キング》は相変わらずだった。王になれば支配しろ、支配をやめれば死ね。本当に面倒なスキルである。


《長期間未行動》

《処刑判定準備》


「はいはい」悠は玉座から立ち上がった。「軍を集めろ」


「魔王様万歳!」

「人類を滅ぼせ!」

「世界を我らのものに!」


 魔族たちが歓声を上げる中、悠だけが深くため息をついていた。


 数日後、魔王軍は進軍を開始した。


 魔竜、悪魔、死霊、オーガ。数十万を超える魔族の軍勢が、人類最大国家。王国連合の国境へ向かう。


 城壁の上では兵士たちが震えていた。「魔王軍だ……」「終わりだ……」絶望が広がる。


 一方、魔王軍の先頭を歩く悠は。


(帰りたい)


 心からそう思っていた。


 その頃、王国連合の王都。巨大な聖堂の前で、一人の少女が剣を受け取っていた。白銀の髪、澄んだ瞳、凛とした雰囲気。


「勇者よ」神殿の司祭が告げる。「どうか世界をお救いください」


 少女は静かに頷いた。「分かりました」

その声は優しかった。どこか懐かしさを感じるほどに。


 しかし、少女自身は知らない。なぜか時々見る夢。霧の沼、月夜、そして誰かと笑い合っていた記憶。顔は思い出せない、名前も分からない。それでも胸が少し痛む。


「……変な夢」少女は小さく呟き、勇者の剣を握った。


 その瞬間。遠い戦場で、魔王となった悠は理由もなく空を見上げた。


(なんだ……?)


 胸が少しだけ騒いだ。理由は分からない。しかし、運命は確実に動き始めていた。


 魔王。勇者。やがて相対する二人は、まだ互いの存在を知らない。

  



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ