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第25話 ウルフキング、月下に目覚める
月の光が差し込む岩窟。
銀色の毛並みがゆっくりと動いた。
「……ここは……森、か」
低く唸るような声。
悠は自分が巨大な狼になっていることに気づいた。
身体は軽く、感覚が研ぎ澄まされている。
空気の匂い、風の流れ、遠くの獣の鼓動 がすべてが手に取るように分かった。
《スキル《キング》:継続》
《種族:《ウルフキング》》
(……王か。まだ、終わってなかったか)
風に乗って、群れの気配がする。
何十もの狼が、月の下でこちらを見上げていた。
「グルルルル……」
一頭が頭を下げる。
他の狼たちも次々と伏せた。
彼らの視線は、悠に向けられていた。
(……今度こそ、守れる王になってみせる)
悠は立ち上がり、月に向かって吠えた。
その声は夜空を裂き、森の果てまで響き渡った。
《ウルフキング統治開始》
新たな転生が、静かに幕を開けた。




