表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姉の言いなりの私が幸せになるまで  作者: 池中織奈


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/55

45


 グラナート様は私の言葉を聞いて、驚いた顔をした。だけど次の瞬間には私が大好きな優しい笑みを浮かべた。



「そうか。嬉しい」



 短い言葉だった。だけれども、その言葉だけでもグラナート様が喜んでくださっているのが分かった。



「愛しているなんて、分からないって……お待たせしてしまって申し訳ございません」

「謝る必要はない。焦って、想いが伴っていないのにこたえられる方が嫌だ」

「そうなんですね……。私、誰かを好きになったことが初めてで、恋愛については人から聞いた話や文章で読んだことがあるだけなのです。だから……どういうのが正解なのかよくわかりません」

「それでいい。夫婦の形なんて夫婦の数だけあるからな」




 グラナート様はそう言って、楽しそうに笑うと向かいから手を伸ばしてくる。



「シアンナ、キスしていいか?」

「えっと、どうぞ! それに、私だってグラナート様を愛していると答えて、両想いなんですからそんな風に許可を取らなくてもいいです。代わりに私も、グラナート様に対して遠慮しないようにしようと思います……!!」



 私が決意したようにそういうと、グラナート様は楽しそうに笑う。



 私、グラナート様の笑い方好きだなぁ。なんというか、グラナート様は感情が分かりやすい。きっと私に飽きたりしたら、一目瞭然なんだろうな。

 ただ私はグラナート様に飽きられることがないように頑張りたいなとはもちろん、思う。





 こんなにも私のことを愛してくれているグラナート様の気持ちを疑ったりはしない。それでも絶対に変わらないと言えるかは分からない。

 そもそも私だって、グラナート様に嫁ぐことがなければ、ずっとお姉様の言うことを聞いてばかりだった。お姉様の言うことが絶対だと思って、両親たちにも反論したりすることもきっとなかっただろう。




 他でもない私だって、こうやって常に変化している。――それならば、今、互いに抱いている気持ちが変化しないとは限らない。

 夫婦だから、もっと互いに分かり合いたい。私がそんなkとおをつらつら考えていると、グラナート様が口づけをしてくれる。いつもより長い気がする。……愛しているって感情を理解したからこそ、幸せだなと思う。




 グラナート様が、私に口づけをしたいと思ってくれていることがただ嬉しいのだ。

 ただ何度も何度も口づけをされると、息継ぎが大変だ。息切れをする私をグラナート様はようやく離してくれた。




「あの、グラナート様。口づけをするのは好きなのですけれど、息継ぎなどが大変ですからその辺はご容赦してくださいませ」

「ああ」

「……もう、頷きながらまた口づけしようとしてますよね?」

「シアンナが可愛いのが悪い」

「……私、そんなに可愛いですか?」




 こんなことを自分から問いかけるなんて、自分で自分にびっくりだ。他の人相手に問いかけたのならば、自意識過剰だとかそんな風に言われそう。

 私はこうして、グラナート様のおかげでどんどん自分という存在が好きになっている。

 自分の価値なんてないのだと、そう思っていたのに。

 それでも私はもう、そんなことは思っていないのだ。





「ああ。可愛い。ずっと構っていたくなる」

「ふふっ、そうなんですか。なら、ずっと私に構ってくださいね? 私、グラナート様から構われなくなったら凄く寂しくなります。グラナート様も、とてもかっこいいです。私もずっと、グラナート様に話しかけたいし、くっついていたいと思います」



 グラナート様に可愛いって言ってもらえることが嬉しい。私は可愛いのだと、自信が持てる。

 グラナート様のことを愛おしいと思っていることに気づいたからこそ、私は構ってほしいと感じた。私もグラナート様に沢山構いたいな。お喋りをして、くっついて、そしたらそれが幸せってことだと思うから。



「ああ。俺は構ってくれないと、拗ねるぞ?」




 そんなことを恥ずかしげもなく言うグラナート様は、かっこいいのに可愛い。両方を持ち合わせているグラナート様って、凄い。


「なんだか、グラナート様は子供が出来たりしたら、子供に嫉妬しそうですね?」




 想像をしてみると、思わず笑ってしまう。

 私達に子供が出来たら……。そう考えるとまた楽しみになった。グラナート様との子供が欲しいな。大好きな人との子供だったら、きっと更に私は幸福になるだろう。




「子供か。欲しいな。シアンナに似た女の子がいい」

「跡取りがいるでしょう? 男の子の方がいいとかないんですか?」




 一般的には、貴族だと跡取りを求められる方が多い。そのことで気を病む人だって存在しているのを知っている。

 だからどうなんだろうと思って告げた言葉に、グラナート様はなんてことないように笑っている。



「どちらでも構わないだろう。女の子だったら、婿を取ってもらえればいい。ただあれだな、嫁いでいくとなると……」

「もしかして、まだ産まれてもない娘のことを考えているんですか?」



 私はグラナート様の言葉を聞いて、くすくすと笑ってしまった。グラナート様のこういった一面を知ると、楽しい。



 ――そうして楽しく会話を交わしているうちに、すぐに別邸に着いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ